恋の付近キープ、故意のスキンシップ
続きました。なんか4時くらいにアクセスしてる人多かったけどその時間に投稿するとか思われてます?
目を覚まし、胸元にいる文乃さんの寝顔を眺めて、ボーッとする。ほんとうに幸せそうな顔してる、私もつられて口が綻ぶ。彼女の頭を撫でてみる。相変わらず触り心地の良い髪で、あまりそういうことに関心が無い私でも羨ましいと感じる。そしてそんな髪と同じ色をした長く繊細な睫毛が彼女の印象を儚げにしている。切れ長な目に、筋の通った鼻、柔らかい唇、その全てが愛おしく思える。
こんな関係になるまでは遠巻きに、有名人でも見ているような感覚だったのに。
付き合うことになってもこんな感覚は顔を見せなかったのに。
自分の口でハッキリと、好きの二文字を音に出しただけで、こんなにも愛おしさが溢れてくるなんて思いもしなかった。
文乃さんを見るだけで胸が締め付けられる感覚、それと同時に早くなる鼓動、火照る頬、私の全身に興奮が流れていく。これが恋。
そして、何よりも先程の口づけ。これを思い出すだけで、私の脳の快楽物質が溢れ出てくる。いけない気持ちになってしまう。いつからだろう、この人をこんなに想えるようになったのは。何がきっかけだったのだろう。求めてくれるのが嬉しかったのだろうか。求めてくるのに、私に嫌われたくなくて臆病になる仕草だろうか。わからない。でも別にきっかけは何だって良かったのかもしれない。私は彼女と両想いになっているのだから。
...でも、それでも。
「文乃さん...服の中に手を入れないで。」
「んー、むにゃむにゃ。寝てるから聞こえなーい」
いつの間にか目を覚ましていた文乃さんは忠告を聞かず、私のパーカーの中に手を入れてお腹をぷにぷにと弄ってくる。手つきが何だかいやらしい。
「麗羽ちゃんのお腹スベスベで気持ちいい~♡ ずっと触ってたい♡」
文乃さんはほんとうになんで、キスは出来ないくせにこういった変態じみたことは出来るのだろうか。ばか。変態。
「ねー? 頭入れていいー?」
「いい訳ないでしょ...! 早く手を抜いて!」
何言ってんの...!ほんとうに意味わかんないっ。早く手を...んっ、おへそ触るなっ!このっ...
「い゛だいっ!! う、麗羽ちゃん、頭ぐりぐりやめて゛っ! ごべんな゛さい! やめゆっ!やめりゅから!!」
私の服からようやく手を出した文乃さんは頭を抑えて悶えていた。
まったく...ほんとうにしょうがない人。
触られていたお腹を確かめるように撫でる。
何だかムズムズする。内側から熱が出てくるようなそんな感じ。もし、あのままされるがままになっていたらどうなっていただろう。ほんと、ありえない...最低...変態、ばか。
「文乃さん、寝てる時に変なことしてないよね...?」
「しっ、してないっ! してないよっ! 」
「本当に? 凄い動揺してる気がするけど...」
「うんっ、変なことはしてないっ、してないから! ちょっと頬っぺぷにぷにしたり首の匂い嗅いだり私の匂いを擦り付けてたりしただけだよっ!」
早口で捲し立てるように言った文乃さん。頬っぺぷにぷにはまだいいとして後の二つが救えない。この真性の残念変態美少女は何を考えているのだろうか。少しこの変態の頭の中を覗いてみたい。やっぱりいい。
「...まぁいいや。それよりトイレ行きたいから場所教えてくれる?」
「はいっ!」
無事にトイレを終えた私は文乃さんの部屋へ戻るべく、廊下を歩いていた。
それにしても広い、二階だけでこんなに部屋が必要なんだろうか。そんなことを考えているとある部屋を見つけた。ドアプレートに書いてある文字を読む。
「文乃の部屋2」
文乃の部屋2。いったい何があるのだろうか、さっきまで寝ていた部屋だけでは私物が入りきらなかったのだろうか。それとも趣味の部屋? 気になる。少しだけなら覗いてみても大丈夫かな...そう思ってドアの取手に手をかける。あ、でも鍵かかってたりするかな...って思ったら普通に開いた。
「お、お邪魔しま~す」
そして、恐る恐る部屋に入った私の目にとんでもないものが映った。
「な、なにこれ...」
いつも出来たてホヤホヤで投稿してるけど予約投稿とかで一定にしといた方がいいですかね。