意地悪甘味料、インチアップ愛情
続きました。
「待って~! 麗羽ちゃ~ん」
なんて言いながら彼女を追いかける。
ニヤニヤが止まらない。可愛いがすぎるよ麗羽ちゃん。ほんとにツンデレさんなんだからっ♡ もうほんと可愛い。好き好き好き。
からかい半分でかまをかけたら図星だったのか、麗羽ちゃんの顔は見る見るうちに茹だっていった。愛しさが止まらない。彼女を眺めているだけで幸せだったあの頃にはもう戻れないかもしれないし、絶対に戻りたくない。
「あはっ、麗羽ちゃん捕まえたー♡」
彼女に追いつき、柔らかくて小さなその手を握る。温かくて心地いい。
「も、もう恥ずかしいってば...」
そんなことを言いつつもおどおどと遠慮がちに私の手を優しく握り返してくる麗羽ちゃん。私が何も言わないからか、遠慮していた手つきが変わり、ぎゅっと握られる。もう絶対私のこと好きでしょこれ。私も好き。絶対結婚する。
「それで、どこ行くの...?」
「行先知らないのに一人で行こうとしたの~?」
私は意地が悪いなと思いつつもこんなことを言う。つい可愛い彼女をからかいたくなってしまう私を許してください。
「...ばか」
握っていた手が一瞬締め付けられた。全然痛くない彼女の攻撃だ。二人の距離が近づいたからか、私の本性を見たからか、麗羽ちゃんは気安く罵倒してくる。でもそんな所がめちゃくちゃ可愛いんだ。頬が緩み、口元がニヤついてしまう。
「実は何も考えてないんだー、何かしたいこととかある?」
「誘うんだったら計画くらい立てといてよ...」
「私は麗羽ちゃんと居られれば何でもいいんだもーん」
ほら、また赤くなった。下を向いたって丸わかりだよ。
「それで麗羽ちゃんはどうしたい?」
握った手をにぎにぎしながら再度問う。
「ほら、恥ずかしがってないでぇ」
「...映画...とか?」
「いいね、どんなの観たい?」
「...やっぱなし」
「とりあえずカフェでも入る?」
「うん...」
手頃なカフェを見つけて入る。
「あー、麗羽ちゃん。これって前みたいな注文の仕方でいいのかな...?」
「うん」
無事に注文を終えた私達は席に着き、一息つく。
「麗羽ちゃんは何にしたの?」
「ココアとショートケーキ」
「あっ、そしたら私のチョコケーキと一口だけ交換しない?」
我ながらいい考えだ。天才。スーパー天才。
これで自然に間接キスができる。
「か、間接キスになるからやだ...」
「んっっ」
可愛いの権化。頑張れ私の理性。
こんなチョロくてあざとい女に負けるな。
ノクターンでえっっさせたい...