放課後に放火後
気まぐれで書いたので続かないかもしれないです。
桜が舞う入学式から2週間が経った。
部活もせず、熱中できる趣味を持たない私、衣鳩 麗羽はただただ青春を浪費していた。
「麗羽? なに黄昏てるの? はやく帰ろうよ!」
ホームルームが終わり、教室から外の景色を眺めていた私を急かす声。そこには中学からの友人がいた。
「んー? なーんだ美姫ちゃんか」
「なーんだって...失礼だよ! もう、私バイトあるから先帰るよ? 」
「え、あと五分だけ待って」
荷物を整理し始めた私を置いて、急いで帰ってしまった美姫ちゃん。
彼女はファッションに対して並々ならぬ情熱を注いでおり、服を買うためのお小遣い稼ぎとしてバイトに精を出している。青春だね。
「ふふ、置いてかれちゃったね?」
「えーと...つ、つつじ丘さん?」
「文乃でいいよ、麗羽ちゃん。 さっきからお外眺めてどうしたの? 気になる人でも探してた?」
ニコニコと可愛らしい顔でグイグイと踏み込んで来たのは学年、否、学校一の美少女はつつじ丘 文乃さん。北欧系のクォーターであり、プラチナブロンドの輝きを誇る長い髪が今日も眩しい。うっ、美少女。
「気になる人とかじゃないよ...ただボーッとしてただけだよ 」
「えー? ほんとかなー?」
ほんとだよ...
それにしても入学してから今まであまり話したことないのに距離感近くない...? けっこう気さくな子なのかな? というかここ女子校なんだけど...
「...前から思ってたけど麗羽ちゃんってさ、けっこう顔に出るよね」
そんなまさか...
「ほら、今だってそんなまさか...みたいな顔してるよ?」
まじか。
「き、急にどうしたの? 今まで私たちあんまり話したことないのに...」
「いい機会でしょ? それにまだ名前で呼んでくれてないじゃない」
そういうの恥ずかしいから許してよ...
「ねっ、呼んで欲しいな?」
机に座っていた私に対して、覗き込むようにしてくる彼女。あざとい...顔近い...いい匂いの美少女がよ...髪の毛ふわふわだし...
「ふ、文乃さん...」
顔を背けながらも要望に応える。眩しい過ぎて見てられない。なんか熱くなってきたし...
「はーい! あれ? 麗羽ちゃん顔赤いけどどうしたのー?」
ニヤニヤとした顔でズイズイと覗き込んでくる。けっこうイイ性格してるよ...
「べ、別に? ちょっと暑いなーって。それより文乃さんは部活とかやってないの?」
「うん、やってないよ。熱中出来るものもないしね」
「へー、私と一緒だね」
なんだかよく分からないけど今の少しの時間で仲良くなれた気がする。人間、共通点があるとそう感じるものだ。
「ね、一緒に帰らない?」
ほらね。まぁ私としても美少女と帰るのは吝かではないので重い腰をあげる。
「うん、帰ろっか」