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夜道を、一人の若者が、歩いている
足取りはふらついており
スーツは所々汚れている
「おい、大丈夫か」
道を歩いていたおじさんに、そう言われるが
若者は、無視して歩いた
「おっおい」
あたりは暗く、人通りはない
高いブロック塀が、左右を囲み
家の明かりは届かない
「あっあの」
女の人が、若者に、声をかけた
しかし、若者は、無視して先を歩いた
「ちょっと」
背後で声がしたが
暗闇は濃く2、3MMもすれば、輪郭が闇に溶けた
男の足取りは変わらず
壁に、よたれかかるように、進む
「あっあの」
若者は振り向いた
そこにいたのは、自分に瓜二つの同じ顔
同じ体格の若者だった
「何でしょうか」
かすれた声が、若者から発せられる
「実は、先ほど、殺人事件が起きまして
私のような顔の人間を捜しているのですが
知りませんか」
若者はそのとき、ようやく自分の探しているものに気がついたのだ
「知らぬが仏と言うたじゃないか
私が、知らぬと言うたじゃないか
それでも知らぬは、仏の仕業か
それとも私の妄想か」
時刻は深夜を回っていた
一人また一人と眠りこける中で
二人の老人が、徳利を片手に
お猪口で焼酎を飲んでいる
「今し方、どどいつを唄っていたのは
横町のばばあだな」
しわの寄った顔を、もみくちゃにして老人が答える
「なにを言っているんだ、あれは、去年死んだじゃないか」
「そうだったかな」と、とぼける老人
「今し方の季節だよ、ちょうど、稲刈りが終わって
一段落した折りに、新米で作ったお汁粉でのどを詰まらして
そうそう、あのときも、みんなで、焼酎を
深夜まで馬鹿に飲んだじゃないか」
「そうだったかのう」と
とぼける老人
一時を知らせる鐘が鳴る
「もうそろそろお開きにしよう」
しかし、周りに人は、居なく
徳利や猪口は消え
一人、先ほどまで、とぼけていた老人の遺影のある仏壇を前に
老人は一人机で焼酎の入ったお猪口を握りしめていた
「先生、バッタは、殺しちゃだめなんだよね」
一人の生徒が、教師に、手を挙げてそう発言した
「はい、むやみやたらに、ものを殺してはいけません」
「じゃあさ、お肉や、野菜は、殺しても良いんだよね」
「そうね、命をいただく事をありがたがりながら
食べましょうね」
「じゃあさ、じゃあさ」
「何」
「食べ物を殺さない僕は一体何を殺してるんだろうね」
「何のこと」
先生は一人戦々恐々とした
夜のドライブを、楽しむカップルがいた
「しかし、夜の高速も人が多いね
全く前に進まないよ」
「そうね」
彼女は長い髪をなびかせて
夜にも関わらず、髪と同じ茶色のでかいサングラス
をかけてそう呟いた
「僕はね、小さい頃から、夜のハイウェイを、一人で走ってみたくて、しょうがなかったんだよ」
彼女は、肯定の意味で、頷いた
「しかし、まだかな、パーキングエリアは
はやく、うどんが食べたいよ、唐辛子を大量にかけた奴を」
彼女はまた小さく頷いた
「しかし、動かないね」
彼が見た、腕時計は、深夜二時を指していた
「そうね」
彼女は、そう呟くと持っていた、袋から
分厚いせんべいを取り出して、食べ始めた
「君は自由だね」
せんべいを、取ろうとした彼を、軽くかわして
せんべいをまた食べ始める
「なぜ、自由か教えてあげる」
彼は、動かない車を見ながらブレーキを踏んでいた
「なぜなんだい」
「簡単よ、あなたが不自由すぎるのよ」
男は一人ため息をついた
車は一向に動かない
死んだらおしまいだよ
男の脳裏に、ある男の言葉が、響いた
それは昔見たCMの中で筋肉もりもりの男が
絶体絶命のシーンで、そう言ってスポーツドリンクを
飲んでいたのだ
男は、くしくも、同じような崖で、同じように、落ちそうになりながら、必死で、崖に、しがみついていた
もろい岩が、ぼろぼろと落ち
どの岩石を、すぐに、崩れる危険性を感じた
しかし、男はあきらめなかった
そう、あのCMを、思い出して
しかし、男は、何とか戻った会社で
数ヶ月後と持たず病院に入院することになる
所謂過労であり
医者曰く、独り身の自分に、もう後はないと言う
余命数日を前に男は思いだしている
そう言えば、あのCMの男
スポーツドリンクの飲み過ぎで早死にしたんだよな
男は、お見舞いに貰った飲み物を見ながら
そう考えていた
「そんなことがあるんですか」
私は医者を前に、驚いていた
「ええ、ごくたまにあるんですよ」
私は半信半疑に聞いた
「しかし、心臓が止まって居るだなんて
私今のところ信じられません」
医者は、さも当然のように
「何、心配しなさんな
大丈夫、自分の胸に手をたててごらんなさい
雲一つない晴天のように静かだから」
こいつ何言ってんだと思いながら
何となく手を当てるが
心音一つなく
不気味なくらい静かだった
心臓が止まっているんだから静かなのは当然だが
だいたい、晴天なんて言うのは、嵐の前触れと相場が決まっているではないか
「私は死ぬんでしょうか」
医者は、大笑いしながら咳払いを、一つして言う
「大丈夫、君はもう、死んでいるのだから」
夜中の学校に、忍び込もうとしたはいいのだが
どこの窓の鍵も閉まっており
二人して、立ち往生していた
「なあ、もう帰ろうよ、蚊にも食われたし」
俺は一人、その言葉を無視して、別の鍵を調べた
「なあ」
この学校は、三年前に、廃校になり
近くの別の丘に、以前高校だった場所が、移転先の中学に変更された
「いや、あの気に食わねえ、校長の銅像に
このハンマーで、ヒビの一つへこみ二つも入れないと気が済まない」
「そうは言うけどさ」
いじめっ子の策略で、テストのカンニングを疑われ
一週間の謹慎処分になったのだ
そのせいで、学校に、二人にして居ずらくなり
中学を中退するという事になったのだ
「もう、窓割っちゃおうか」
そのとき、二人の背中に、まぶしい明かりが照らされた
「何をしているんだ」
振り返ると、パトカーが、近くに止められており
どちらともなく合図すると
練習通り全力で走り出した
背後で、つまらないほどお決まりの文句が聞こえた気がしたが
そんなことは、知る由もなく
走ることに専念した
後日、あっけなく正面玄関を押すと鍵がかけられておらず
そのまま、二人して、校長の銅像がおかれて居ると言う校長室に入る
室内は鍵はかけられておらず
わずかな月明かりの中
二人は、校長の銅像を見て思う
それは、顔が、見えないほどにぐちゃぐちゃに壊されており
二人は、トンカチを、二人ずつ持って考えるのであった
脱穀 だっこく 脱国 だつくに
半透明のお茶を入れる容器に見えるが
この中から出てきたものを飲めば
人は、死ぬことがない
「今日も夜は、暗いですね」
そう言って、お月さんが、私を見た
「ええ、最近調子が悪くてね」
これは、月なりの嫌みなのだろうか
私という太陽に、対する嫌がらせとして
新月にも関わらず、自分が、あまり光っていないことに対して、文句を言っているのだ
「そう言えば、最近、別宇宙に引っ越さないかと
木星に、言われたんですが、どうしようか考えているのですよ」
珍しく、月の顔が、青白く光った瞬間だった
流れ星なんか見て、どうしたんだろう
私の愛犬のポチが
がりがりといつもかじっている鹿の骨をほっぽろだして
星空を、見上げている
「おい、どうしたんだ」
私は、愛犬を見て驚いた
奴は、めがねをかけて
胸元に、キーボードのようなものをぶら下げ
器用に、すさまじい早さで、何か打ち込んでいるように見えた
「ぽっぽち」
次の瞬間、私は、ポチが、人の言葉だろうが
聞き慣れない宇宙言語を、はなしてもきっと驚かないだろう
金に馴れれば心理が引っ込む
心理は人の心を歪ませ
ルールを壊す
心の中にかっていた
魔物を
アニメを見せることで
何とか、頭を溶かしてなだめさしていたが
しかし、いま、現実に、出て来る
「おいたろう、ああいう女はやめておけ」
太郎は、太郎に言われるがうるせいと言って
表に出た
そこには、金色の髪を流した女がたっており
彼は、自分の車に、彼女を乗せて、町を出た
「おい、たろう、ああいう大人になってはいけない
ろくな事がないぞ」
小さな太郎は、積み木から大人の太郎に目線を向けた
「そんなものは、無いと言ってるじゃないか」
老人は、スーツ姿の男に怒鳴り散らす
しかし、男は、眉一つ動かさず
老人を、見ていった
「おかしいですね、あなたは、猫を作っていると聞いたのですが
老人の頬を、冷たい汗が一つ流れる
コンクリートを、何粒かの汗が、シミを作るが
二人にそれを、思う意志はない
「あんたは、何を、望んでいるんだ」
「猫ですよ、猫」
老人の顔が、絶望に染まる
「あなたは、密かに、本物そっくりの猫の和菓子を
ブログにアップロードする事により
一人だけ、猫と戯れるという
この世の中で、もっともあってはいけない
禁忌を、犯しました
よって、あなたは、私に、その猫を、譲る権利がある
そうは思いませんか
猫ダマしもとい猫ブロガー佐々木球次郎64才」
老人は、がっくりと膝を垂れうなだれた
この世のどこにもない、そんな猫のお菓子を
掲載して、一人悦に浸ってたが
これも、今日までかと
「それで、あんんた、名前はなんて言うんだい
年貢の納めに聞いておこうと思うよ」
男は、名刺を出して言う
「これは、名乗り遅れました
ブロガー探し探偵事務所
警務部長 時麦 最悪と申します」
老人は、その名前の怪しさに、さらに腰を折るのであった
「それで、何の猫がほしい」
それでは
男は、実に、曖昧にほほえむとこう言う
「雄の三毛猫をもらいます」
老人は、地面から顔を上げ顔色を変えた
「おまえ、何を言っているか分かっているのか」
男は顔色を変えず
「雄の三毛猫をお願いします」
「知らないんですか」
私の隣の司書が、そうさけんだ
周りの人間が、口に手を当てて「シィー」と言う
「失礼、それで、あなたが、破いたという
禁書 マジカルバハマ少女ブラックちゃんっていうのは、勿論持ち出し貸しだし閲覧禁止だったはずですよ
何してやがるんですか」
ぼろぼろの服を着た男は、申し訳なさそうに、言った
「すいません、売ろうかと思ったのですが
ホームレス狩りの幼稚園児に、合い」
司書はメガネを直しながら言う
「幼稚園児って、あなた、何考えているんですか
あの禁書、持ち出すなんて」
「すいません」
その時、横から図書館館長が
紙を男の前にたたきつける
それを見て男は震え上がる
「一億円、ふざけてるんですか」
図書館長は言う
「まあ、盗んだどうこうは、良いでしょう
だが、一億円
これは、最低金額
それも百年も前の話です
払えるんですか
あなたの命を、一年百万円換算で
残りがあれば、あの世換算で支払っていただきますが
よろしいでしょうか」
「いや、盗んだのは、悪いと思っているが
そんな」
「値段のことも考えず盗んだんですか
盗むなんてあり得ないですが」
「すいません、すいません、まことに」
「この人です」
図書館長は、連絡した生命変換機を、持った
白い男達に、指を指して示した
「ゼンイの殺人」
男は、自分に、他人との違いを見つけた
なぜ他人は、もっとがんばらず
努力しないんだ
そう言う奴に限り
他人を傷つけ
それを楽しむ
そうでない奴は、それに関わろうとせず無気力
ただただ、成績の評価により一喜一憂する馬鹿どもだ
そんな奴は、他人を見下し何もしない
大いなる阿呆だ
ピエロは、努力する
それ以外出来ないが
すべてにおいてそれは一位だ
学校は、社会性を身につけることで
相手に、気遣う心をなくし
ただ、ただ学力で相手を差別することに躍起になっている
もう、だめなのは、分かっているのに
沈没船の上で見苦しく足掻く
馬鹿は馬鹿で馬鹿である
学校の言うことを信じ
殺人行為の続きを戦場でもないのに繰り返す大馬鹿者だ
愛を偽善で隠し
毎日を快楽と言うなの汚泥で汚す感染者どものだ
一度魂を売ったものは
二度と這い上がってこず
相手の言葉で左右される幽霊のようなものだ
人は、感情をなくし
理性をかなぐり捨て
残っているのは火照った体のみである
理性を持つものは壊され
心を持つものは壊され
ルールを重んじる物は裏切られる
感情を持たず何かにひた走る物など
剣山を走る豆腐のようだ
先はなくただ、壊れ尽くすのが行き先のようなもの
止まれば、ゆっくりと針は、体をむしばみ落ちる
ただ、崩れるのみが・・・
笑顔など不要だ
快楽主義者の烙印を押されたもののようなものだ
そいつ等は危険だ
相手のことなど考えていない
つまらんルールに縛られた糞どもだ
本当に生きている人は笑顔などみせん
ただ人前では、無表情を通し
一人で、笑いそして最悪に苦しむのみだ
決して近づいてはならない理不尽な体の破壊と
卑下され蹂躙されものとも思わない
人の根本も知らん馬鹿に壊されるだけだ
強度たるや実に精密機械の上に成り立つ我
ある一点に関してそのすべてを破壊する強度あれど
その母体は、豆腐よりもろい
空気の配列より流れ壊れる
さて、どうしたものか
一人で、居きるための最低限のへつらいと快楽
そしてテロリストたる反感と最高の文章を取るか
真意たる文字配列を選ぶか
生きると言うことは、
細心の注意を払わなければいけないのだ
笑う奴には死を
相手を、巻き添えに
それどころか自分勝手に助かろうとする序実である
自分一人で、停止にも似た進歩の方が百倍良い