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006話 どうひょう

本から仮面を取り外すと、俺は舐めるように隅々まで確認した。

俺がEOで初めの頃に装備していた仮面と良くにていた。

実体化させたらこんな感じになると、イメージしていた通りの仮面がまさにここにあった。

俺が仮面を調査している間に、案の定、先程の本は閉じられオブジェクト化していた。


この時が止まった世界ではグロウが活性化出来るもの以外動かすことが出来ない。

今、グロウが活性化したものは2つしかない。

一つ目はもともと動いていたイノリのスマホで、二つ目はポータルだ。


それとは別に、活性化した状態で現れたものも2つある。

一つ目は今、俺が履いている紫色の木彫りの靴。

そして、たった今手に入れた、ピエロの仮面だ。


ピエロの仮面を手に入れた時、俺が靴を手に入れた時に感じたもやもやの謎が解けた。

この紫の靴もピエロの仮面も、道化に転職したときに貰える初期装備だった。

どこかで見たことがあると感じたのはそう言うことだった。


ちなみに、EOの『道化』以外の職業には、『剣士』系、『魔術師』系、『アコライト』系、『商人』系、『盗賊』系があり、一度選択するとその系統の上位職にしかつけない仕様になっている。

なお、『道化』に『系』と付いていないのは、上位職が無いからである。


オンラインゲームでは通常、身体中の色んなところに装備品が装備できる様になっていて、オフラインゲームよりはやや多い傾向にある。

EOもすべての職業が、頭、インナー、上半身、下半身、右手、左手、靴、ベルト、首輪、腕輪、指輪が装備できる様になっていた。


装備品の中には特殊スキルが付与されているものもあり、戦闘の幅を装備品でカバーすると言うのもオンラインゲームの楽しみ方の一つと言えた。

レベルやステータスが上がる気配がないことに気を取られ、肝心の装備品について失念していた。

それにレベルやステータスと言うことで言えば、モンスタースレイヤーと言う狩猟ゲームだって全く上がらない。

能力をあげるのは、アイテムと装備だけだ。

ステータスよりもプレイヤースキルがモノを言う。

そう言うオンラインゲームだってあるのだ。

そう考えると、モンスタースレイヤーよりもアイテムの自由度が高いEOのアイテム群を自在に操れるこの状況は決して悪いものではないのかもしれない。


地図を埋めることと、装備品を集めること。

この2つを軸に攻略を進めればよいと言うことが何となく見えてきた。

ラスボスの場所もだいたい分かった今、絶望が少しだけ希望に変わった気がした。


梯子を登り、再び親父の書斎に戻ると、不思議なことに今まであった扉が消えてしまった。

この扉自体が宝箱だったと言うことだったのかもしれない。

念のために地図も開いて確認してみたが、そこからもすっかり消え去っていた。


親父の書斎のドアを開けると、例の廊下が見える。

相変わらずシャドーマンが廊下を音をたてながら行ったり来たりしていた。

このまま外に出るにしても、一旦俺の部屋に帰るにしても、アイツを倒しておくことは安心材料になりそうな気がする。

俺は風魔手裏剣を取り出すと、シャドーマンの背中をターゲットした。

虹色に輝く1M(メガ)eteが、シャドーマンの背中を貫いた。

シャドーマンは振り向こうとしたようだったが、そのまま力尽きうつぶせに倒れた。

よし、100万ete使えばアイツを量産させずに倒せることが分かった。

次はちまちま作戦も試してみよう。


俺とグロウは廊下を通るため、シャドーマンの横を通過しようとした。

その時、グロウが突然謎の大爆笑を始めた。


「ブッ!!あはははははははははははは!!

何、この顔!ちょーウケるんだけど!

あはははははははははははは。」


グロウは少し古めのギャルのような笑い方で、お腹を抱えて笑っている。

俺は、シャドーマンの顔を良く見るために、ひっくり返した。


「ブッ!!わははははは。

あー、腹痛い、腹痛い。

え?何で?何でこんな顔なの?」


シャドーマンの顔には劇画調のへのへのもへじが描かれた紙が貼ってあったのだ。

俺も堪えきれず、爆笑していた。


『相沢家』攻略を無事に終えた俺達は、2回目のフィールド散策に突入していた。

地図作成は不思議とさくさく進み、家の回りの地図はもうほとんど完成してしまった。

そこで気づいたのだが、この辺りには今のところ一つも新しいダンジョンの入り口が見つかっていなかった。


「この近所に家だけで何軒あると思ってんだよ。

何で一軒も入れないんだ?」


せめて次の目的地とかのヒントがあるといいのだが………。

そう思ってダメ元でグロウに聞いてみると、


「んー、この辺にはダンジョン無いのかもね。」


と、意味深な言葉が帰って来た。


「じゃあ、どこにいけば良いんだよ。」


俺がそう言うと、

グロウは頭を押さえて一方を指しながら、こう言うのだった。


「あれ。あの鉄の道。」


と。


鉄の道?線路の事だろうか?

と言うか、どこに向かえば良いのか分かったんなら、聞く前に答えろよ。


俺は地図とグロウの両方を確認しながら、一番近くの私鉄の駅を目指した。


―――


駅につき、自動改札を抜けると、俺たちはホームに上がった。

ホームに設置されているホームドアの内、1ヶ所だけ活性化しているものがあったので、そこにに近づく。

すると、自動でドアが開いた。


自然に開く扉と言うのは、この時間が止まった世界においては明らかに不自然だった。

気にはなったが、そのまま、誘われるがままに線路に降りた。

良く考えてみれば、線路に降りたのは初めてだった。

まぁ、世の中のほとんどの人間はそうだろうが。


「で、どっちにいけば良い?」


俺はグロウに訊ねた。

グロウまた、頭を抱えながら線路のある方角ではない方向を指差して答えた。


「あっち」


確か、グロウが指した方角には…。


自分でもよく分からなかったが、大きく何かが動き始めた気がしていた。

持瑠です。はじめはもっちーって名前にしてました。

…どうでも良いですね。はい。

この話は、普通に初めて書いたときから、3000字に足りてなかったのですが、一応、私的にこだわりがあって、「だいたい3000字で1話にしたいなぁー。」と思っていたりしました。

でも、諦めました。

無理せずに頑張ります。

もしよろしければ、また遊びに来てください。

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