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聖騎士異世界冒険記  作者: ひろまさ
第零章 憧れを叶える為に
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第二話 神様との会話

 


  「さて卯月征護くん。さっきも言ったが君は亡くなっとる。亡くなる前後は覚えておるかの?」


  俺は、コンビニ強盗から友人を庇い包丁に刺さり意識が遠くなったのは覚えているが、死んだ実感はなかった。


  「亡くなった実感はあったら怖いじゃろうに。まぁ考えもちゃんと伝わるようだし話をしようかの。」


  確かに死んでしまったら実感も何もないよなと、馬鹿な事を考えたと笑い、話とは何を話すのか。何故俺の事を知っているのか。此処は何処?貴方は誰?と気になることが山ほど出てきた。


  「おっと、先ずは自己紹介が普通じゃの。儂は創世神、名前はライブじゃ。まぁ世界を作り管理をしとるもんじゃ。

  此処は神の箱庭とよんどる儂らの生活空間じゃな。まぁ卯月征護くんを知っとるのは、儂の眷属がたまたま現場を見とったからじゃな。

  話と言うのはお礼と卯月征護くん…征護くんでいいかの?君の今後についての事じゃよ。」


  色々とツッコミどころはあるが、喋ってないのに意思疎通が出来るのと、目の前の人が申し訳なさそうなのを見て納得をしておく。


  にしても神様の名前がライブって凄いな。生配信でもするのか?って名前なんだが…


  「まぁ言いたいことは色々あるじゃろうが…

  いや名前はイカす名前じゃろ。気に入っておるぞ儂は。

  話がそれるといかんから先に話すが、君の友人が儂の眷属にあたるんじゃよ。今後彼は環境保護に力を入れていく為のリーダーになる予定でな?まさか事件に巻き込まれるとは思わなんだ…

  改めて彼を助けてくれてありがとうのぅ。」


  名前は神様がいいならいいけど、友人が神様の眷属ねぇ…

  まぁ無事ならいいんだ。悔いはあるが恥ずかしい死に様じゃない筈だし。

  それに友人が今後影響を持つ人になるなら、そんな友人を守れた事はいい事だ。


  「うむ。まぁ彼が病院までの付き添いの際に強く祈って、何があったか識れたからのぉ。

  それで話の続きじゃがな、君の事を儂含め何人かの神が気に入っての?儂らが管理する違う世界に転生してはどうかとの話なんじゃよ。」


  これは漫画やラノベにある異世界転生ってやつなのか。


「別の世界に転移と言った方がいいかの?転生は望まなくとも出来る事じゃが、同じ世界での転生じゃからの。

  君は人を守る剣士や騎士に憧れとったからの、儂らの管理する別世界で生活を改めてしてみるのはどうかとな。

  身体は今の身体を正常かつ世界ユーフォリアに合わせた状態にする。なので訓練次第じゃが魔法なんかも使える様になるじゃろ。」


  魔法があるという事は、剣とか冒険者とかの世界なんだろうか?


  「その認識で間違いないぞ。それに魔物もおるしダンジョンもあるぞい。科学なんかは魔法の影響で成長しとらんがの?

  望むなら転移させるがどうかの?」


  魅力はある。なんせ憧れを叶えるチャンスではあるのだから。

  不安要素も沢山あるが…


  「不安要素があるなら、ある程度はサポート出来るから安心してほしいわい。

  言葉や読み書きは普通に出来る様にして送るしの。後は冒険者が物アイテムバックも付けようと思う。2カ月は生活できる路銀と食料もサービスじゃ!」


  なんか…通販番組みたいに聞こえるが助かるのは確かだ。


  今の年齢で転移した場合、どの程度が普通なんだろうか?


  「否定はせんが、通販面白いじゃろ。

  16歳の普通の農民、町人はせいぜいLV5といったところじゃし、腕のたつ16歳でもLV15がいいところじゃな。」


  LVがあるならステータス見たいなのもあるのだろうか?

  なんかファンタジーと言うよりRPGチックだなぁ…


  でも強さが確認出来るなら尚更楽しそうだ。


  「若い内から死なせて、何も出来ん上に眷属を守ってもらったお礼じゃからな。前向きなら嬉しい事じゃわい。

  サポートついでのサービスじゃが基本ステータスは各所にある石版で確認出来るんじゃが、これも魔法の一部として確認出来る様にしておこうかの。ステータスと唱えればいいぞい。

  あとは儂のほかの神の加護が着くみたいじゃの。加護はあるだけでボーナスがあるような仕様じゃから転移したら確認してみるとええ。」


  ステータスは普通なら普段から確認は出来ないのか。

 他の神様の加護が頂けるのか。

  至れり尽くせりで裏がありそうで怖いんだが…


  「ふぁっふぁっふぁ!裏なんぞないから安心していいぞ!若い内から死なせしまったからの。単純に楽しんで憧れを追いかけて欲しいんじゃよ。他の神も同様じゃな!」


  なるほどな。と納得はするが、気に病む必要もないんじゃないかとも俺は思う。

  大往生した訳じゃないが、人を友人を守って死ねたなら本望ではある。


  「ならばじゃな。今度は死なずに人を守って生きてくれればいいんじゃよ。儂らからあーしろこーしろはないんじゃ。憧れ半ばなら憧れを本物にしてみてほしいのじゃよ。」


 …………なら転移する方向でいいかな。

  至れり尽くせりなら文句もないしやりたい事が出来るなら尚更だな。


  「まぁ肉体修復と適応に2日程あるからの。しばらくはジジイの暇つぶしに付き合ってくれるかの。」


  死んで一転。こうして神様との会話を楽しみながら俺は異世界に転移をする事になった。





















  送られる当日になった。

 今まで色んな話を沢山したが、眠る事もなく、身体が出来上がった後には自分の口で話をしたり、お礼を言ったり今後についても助言をもらったりと有意義な2日間になった。


  「長い時間話に付き合ってくれて感謝じゃよ。ユーフォリアに送るが、目覚める場所はローンフォ地方の森にある小さい教会になるじゃろう。

  あの地域なら征護くんのやりたい事にも叶う国があるしの!

  教会の信徒は、異界送りと呼ばれる現象を知っておるから色々聞いてみるとえぇ。」


  「俺の方こそ、楽しい時間でしたライブ様。

  時間がある時にでも、教会にご報告に行きますので、見守って頂ければと思います。」


  「畏まらんでいいんじゃよ。儂にとっては新たな孫が出来たもんじゃしな!」

 

  俺にとっても新たな祖父と思ってはいるが、神様相手には失礼ではないかとも思う。

  ただ偽りなく、感謝をしているんだ。

  憧れを叶えるチャンスをくれた事。

  親切に話を沢山聞いてくれた事。

  だから神様相手ではあるが、俺は感謝を込めて。


  「いってきます!爺ちゃん!」


  「無理せず、息災でな。いつでも見守っておるよ。」


  俺は光に包まれ、新たな世界へと憧れを叶えに降り立つ事になった。

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