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短いですけど、更新します。
いつも通りの朝が来た。
さて、いつも通りサラ様のお迎えでもしますか。
俺はそう思いながら、お尻を突き出して前足を伸ばし、次に胸と頭を突き出して後ろ脚を伸ばした後、サラ様が来るところに行こうとすると、
「お姉様!いい加減あの汚い犬をどうにかして下さい!」
と~ても嫌な声が聞こえる…。
「そんな事言わないで。良い子なんだから」
サラ様の声はいつ聞いても、違法な薬かと思わせる程中毒性があります…。
「あっ!ウィル~!」
サラ様の姿が見えた瞬間、とても嬉しい気持ちになる!
だが、
「…やっぱり汚い」
サラ様の隣にいる女を見て、今日の幸せな時間が崩れ去る。
「くぅ~ん=サラ様、何でミラ様がいるんですか?」
俺の声を聞いたサラ様が、
「ミラの所為で、ウィルが落ち込んでるじゃない…おいでウィル」
ミラ様にそう言って、両手を広げてくれる。
今すぐ走り出したい気持ちを抑えて、ゆっくりと歩き出す。
「ほら!ミラの所為でウィルが元気ないわ」
「はいはい。仲良くすればいいんでしょお姉様」
俺の頭をなでなでしてくれるサラ様。
サラ様、ミラ様は仲良くするつもりないですよ。
その理由は、サラ様がいなくなったらわかるだろう。
「ワンワン!=サラ様、ミラ様も一緒に連れて行ってくださいね!お願いします!」
だが、そんな俺の気持ちを知らずか、サラ様は一通り俺との親睦を深めた後、ミラ様を置いて行ってしまった…。
すると、俺の首に鎖が巻かれる…。
「くぅん=あぁ…嫌だ…」
「ほら駄犬。行くわよ」
ミラ様はそう言って、人の見ない所に俺を引っ張る。
これから…地獄の時間が始まる。
俺はそう思いながら、心の中で涙を流す。
そして暴かれる、この女の本性が…。
「さ、駄犬。ここよここ」
ミラ様はそう言って、ドレスの中に俺の体を潜らせようとする!
何とか俺も抵抗するが、首の皮を掴まれて抵抗も意味がなく、引きずられるようにドレスの中に入ってしまった。
途端に鼻を通り、脳に衝撃を与えてくる女の匂い。
少し蒸れていて、汗の匂いがする…。
そして、いつも通り何も着けていない…。
いつもなのか、俺と会う時だけなのかは分からないが、俺が見るときはいつも穿いてない。
「どう駄犬?いい匂いでしょ?」
ふざけるな!
俺が良い匂いだと思うのはサラ様の匂いだけだ!
俺がそう思っていると、ミラ様が座る。
そして、
「舐めなさい駄犬」
俺に死刑宣告をしてくる。
その後……。
「全く汚い犬ね。そんな犬風情に構ってあげる私はとても優しいわ。そうよね駄犬?」
「くぅ~…ん=サラ様ごめんなさい…。俺は汚れてしまった…」
それからやけに肌につやが出たミラ様は、早足に城の中に入って行った。
あの雌が…。
サラ様の妹でなかったら、四肢を噛み千切って殺してやりたい…。
だが、そんな事をしたらサラ様が悲しんでしまう。
命拾いしたな…。
俺はそう思いながら、口に残っている甘酸っぱい味を消すために、近くの水飲み場に急いだ。
それからは特に何もなく、いつも通りの生活をした。
俺のいつも通り?
殺したり、拷問したり、孤児院に寄付したりだ。
読んで下さって、ありがとうございます。