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オレ達、治安維持部!  作者: 桜葉
第一章 出会いは唐突で非日常的に
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第一章⑤野球部予算決戦~その2~

桜葉です。数時間ぶりの投稿です。

野球部との戦いも終盤戦です。

ぜひお楽しみください。

第一章⑤野球部予算決戦~その2~


「ぜぇ、はぁ……中庭、案外遠かった……」


「……これくらいで息が上がるって、アンタ大丈夫?」


 カッコつけて教室を飛び出すまではよかったが、そこから全速力で走って中庭に到着する頃には、普通に立っていることすらままならず、膝に手をついて乱れた息を整える始末。


「はぁ……若葉って、本当に残念だよね」


「う、うるせっ……俺は体育会系ではないんだよ……」


 中庭を取り囲んでいる野次馬と化した一般生徒を押しのけ、激しい音が連続で木霊している現場を見ることができる位置へと移動する。

 人の背中しか見えなかった光景が広がり、中庭が一望できる場所へと到達する。そして、眼前に広がる凄惨な現場に思わず息を呑んだ。


「なんだよ、これ……」


「ウソ……」


 数時間前。俺とみなみはこの場所でクラス表を確認した。

 中庭はそこそこ広く。大きな木があったり、ベンチもあったり、隅には花壇があったりと太陽の光も差し込んで華やかな印象を持っていた。

 しかしそれも今では昔の話。

 中庭には速水と野球部員の姿があり、その二人は必至の形相で己の武をぶつけ合っていた。


「朝と全然違うじゃない……」


 思わずみなみが呟く。

 目の前に広がる光景に言葉も出ない。

 速水の制服はボロボロになっていて、飛翔する炎球を苦悶の表情で躱し続けている。

 対して野球部員にはまだ余裕の表情。

 表情を見てもどちらが優勢かが分かる。


「そろそろ、逃げ場もなくなってきましたね」


「まだまだ……」


「ふっ……次はこっちですよ!」


「ちっ……」


 中庭のあちこちに炎柱が発生している。

 野球部員が放つ炎球が地面に着弾して、爆発するだけではなく炎の柱まで生んでいるのだ。

 炎柱自体はそれほど大きくはないが、数が増えれば増えるほど速水の行動が制限されていく。


「はああぁっ!」


「くっ……まだ、それだけ動けますか……!」


 何度見てもうっとりとしてしまう軽やかな身のこなしで宙を舞う速水。

 チャンスと見れば地面を蹴り野球部員へ鉄定規を振るう。

 しかし、その攻撃が直接相手に届くことはなく、野球部員はバットを使った防御で最低限の動きで速水の攻撃をやり過ごす。


「ふぅ、やはり治安維持部だけあってそう簡単にはやられてくれないですね」


「はぁ、はぁ……私は負けないわ。何があっても、この身体がどれだけ傷ついても」


 非情な言葉だった。

 全身を擦り傷だらけにしても、速水は不退転の決意で地に足をつける。

 これが治安維持部と生徒による『治安戦』なのである。

 お互いが譲れないものを賭けてここまで必至になって戦っているのだ。


「もう治安維持部はダメかもしれないな」


 固唾を呑んで戦いを見守っていると、周囲の生徒からそんな言葉が漏れる。


「一人しかいない治安維持部とか聞いたことないぜ」


「てか、やられちゃいそうだし」


「でも、治安維持部が負けたらさ……俺たちの要望も通るんじゃないの?」


 一人の言葉が波紋を呼び、周囲に伝播していく。

 目の前で戦う速水を見て、誰一人として応援する言葉を発することもしない。同じ学園の生徒が、学園を守るために戦っているというのに。


「ふざけんなよ……」


「若葉?」


「なんで学園のために戦ってる人が目の前に居るのに、誰も応援しないんだよ。助けないんだよ……」


「ちょっと、若葉。落ち着いて……」


「これが落ち着いていられるかああああああああああぁ!」


 すぐそこで木霊する轟音にも負けない絶叫が中庭に響き渡る。

 治安維持部の部室を飛び出した時と同じように、感情に身を任せて中庭へと走り出す。


「あっちゃー、若葉ってば昔から何も変わってないんだから!」


 走り出したら止まらない。

 今や、俺も治安維持部の部員である。仲間が苦しんでいるのを見捨てることなど出来るはずがない。


「おやおや、また君ですか」


「貴方っ……なんでこんなところに……」


 群衆から飛び出してきた俺を見て、速水と野球部員の表情が驚きに染まる。

 野球部員はやれやれといった様子で溜息を漏らし、速水は何故この場に居るのかと鉄仮面の表情を僅かに崩している。


「治安維持部、新入部員の若林若葉だ。覚えておきやがれ!」


「新入部員って……なんで勝手に……」


「生徒会長からの許可はもらってるんで。てか、こんな状況を見捨てておけるほど、俺は冷たい男じゃないっすよ!」


「貴方も見てたでしょ! 治安維持部は危険なの。ちょっとした怪我なんかじゃ済まないことだって……」


「それくらい見てれば分かる! それでも、俺は速水先輩と戦うって決めたんだ!」


 口をついて出た言葉に嘘はない。

 ちょっとでも気を抜けば足が震えてしまうような状況の中、自分を鼓舞する言葉を紡ぎ出す。そうすれば、不思議と後悔や恐怖の念は湧いてこない。


「……治安維持部の新入部員ですか。ネクタイの色を見る限り、今日入学したばかりの一年生みたいですね」


 新たにやってきた異分子である俺の身体をジロジロと観察してくる野球部員。驚きの表情を浮かべたのも一瞬で、こちらが一年生であることを知るなり、その顔に余裕な笑みが戻る。


「確かに、朝の様子を見れば何かしらの『能力』を持ってはいるみたいですね。しかし、具現して間もない不安定な力で、上級生である私に勝とうなんて……野球部も甘く見られたものですね」


人を小馬鹿にした態度を崩さない野球部員。

その態度にイラッと来ない人間はこの世界に居ないのではないだろうか。


「あったまきたぜ。見せてやるよ、喰らえ――烈風の(ハリケーンストーン)!」


 朝の光景を思い返し、必殺の言葉を解き放つ。

 すると、周囲に突風が巻き起こり、眼前に立つ野球部員に襲いかかる……はずだった。


「……あれ?」


 突き出した右手からは、何も生まれることはなく、先程までの喧騒はどこに行ったのか中庭には静寂の時が支配していた。


「あれ? あれれ? こんなつもりじゃ……」


「…………」


 なんという気まずさか。

 カッコつけて出てきて、恥ずかしい啖呵まできったと言うのにこの仕打ちである。

 穴があったら入りたいとは、まさにこういった状況のことを言うのであろう。


「えーと、もう一回だけやってもいいですか?」


「……辞めたほうがいいと思うけど」


「ですよねぇ……」


 あぁ、できることならこのまま消えてしまいたい。

 あまりにも悲しく、切ない非情の現実に涙が出そうである。


「はぁ……治安維持部もいよいよってところですかね」


「……返す言葉もない」


「主戦力は失踪し、新しく人員を投入したかと思えば口だけの新入生。こんな体たらくである今の治安維持部に学園の自治を任せるなど、到底できるはずがありませんね」


 ここまでの状況を見れば、もっともな言葉である。

 野球部員は心底侮蔑した表情でこちらを見ると、バットを持っていない空いた左手で宙を掴む。


「な、なんだ……?」


「バットを振るだけというのも、飽きてきたのでね」


「いや、飽きるとか以前に攻撃をやめて平和的に話し合うって選択肢はないんですかね……」


「野球部に伝わる、第二の技。それをお見せしましょう」


 こちらの言葉を無視して、虚空を掴んだ左手に風が集まる。

 中庭に存在する木々や花が風に僅かに揺れる。

 そして虚空に差し出された風が球体を形成し、さらに風の球は炎を纏い出した。


「なんだよ。結局、炎の球じゃねぇか……」


「ふふっ、今度はバットを使わない形での炎球を楽しんでもらおうと思ってね」


「な、なんだと……」


 野球部員は右手に持っていたバットを地面に突き刺すと、投手がボールを投げる時のようにゆっくりとモーションを開始する。


「速水先輩、なーんかすっごい嫌な予感がするんですけど」


「奇遇ね。私も全く同じことを思ってたところよ」


 明らかに今日一番の必殺技を放つ気満々な様子に、俺と速水先輩の身体が自然と強張る。野球部員の一挙手一投足を見逃さないようにと、瞬きや呼吸すらも忘れて制止する。


「野球部、奥義――消える炎球(インビジブル・エクスプロージョン)


 ゆっくりとした動きで野球部員がボールを投球する。

 あまりにも美しく、無駄のない動きに目を奪われる。甲子園の投手よろしくのモーションから炎球が投げられ、音もなくこちらへ飛翔する。


「やっべ! 逃げなくちゃ――」


「そっちはダメ!」


「はっ?」


 慌てて回避行動を取る。

 左へ重心をずらし、そのまま転げるようにして回避するはずだったのだが、その動きを速水に強制的に止められる。シャツの首根っこをガッチリと捕まれ、真逆の方向へと引っ張られる。


「くるっ……!」


「ボールが……消えた……!?」


 速水の声に視線を正面に戻す。

 バットを振っていた時と比べて比較的鈍足な動きで迫っていたはずの炎球がどこにも見えない。

 野球部員が言い放ったように、消えたのだ。


「はぁっ? ボールはどこに――」


「上よっ!」


「――ッ!?」


 瞬間、俺と速水が立っていた場所に、頭上から炎球が落ちてきた。

 強烈な轟音が真近くで発生し、鼓膜をこれでもかと震わせてくる。

 炎球は中庭の土を抉るようにして着弾し、至近距離での爆発に大粒の岩石が全身に降り注ぐ。


「がああぁっ!」


「くぅっ……!」


 大量の石が飛翔してきて、俺たちの身体を容赦なく痛めつけてくる。

 尖った石が制服を裂き、皮膚に切り傷を刻んでいく。

 漫画やアニメの話じゃない。自分の身体に感じるリアルな痛みに表情が歪む。


「くぁっ、くぅ……やっべぇ、これ……あ、あんなのアリかよ……」


「はぁ、くっ……不用心に動いたらダメよ……」


「って、速水先輩……その傷……!?」


 すぐ近くで速水の声が聞こえ、それに導かれるようにして視線を向ける。

 視界に映った速水は、全身に怪我を負っていた。制服のあちこちが破れ、その奥に見える白く透き通るような肌には幾つもの赤い線が刻まれている。


「これくらい……なんの問題もないわ……」


「嘘つけって!」


 速水は野球部員の攻撃を予測し、回避することができたはずだ。そうでなかったら、あの瞬間に俺の身体を引くことはできなかったはずである。

 しかし、結果的には速水の方が俺よりも甚大なダメージを受けている。

 突きつけられる光景に導き出される答えは一つ。


「ど、どうして俺を守った? そんな怪我までして!」


「…………」


 問いかけに速水は答えない。ただじっと野球部員の次の動きを睨みつけるようにして静観している。


「やれやれ……まさか、初見で予測され……回避されるとは……さすがに予想外でしたね」


「……まさか、こんな隠し玉があるなんてこっちも想定していなかったわ」


 よろよろと立っていることすらやっとな状態の速水。しかし、野球部員を睨みつける瞳の力強さだけは失われない。


「まぁいいでしょう。次で最後です……」


 野球部員の額に浮かぶ汗の量が増している。

 この技を使うのに、向こうも相当な体力を使うようだ。


「また来るか……」


 早く勝負の決着をつけたい野球部員は、再びあの魔球を放る準備を始める。

 投球モーションが始まり、再び炎球がこちらへ投じられる。


「くそっ……どうすれば……」


「……いい? 一回しか言わないから、ちゃんと聞き取りなさい」


「はい?」


「あの魔球は消えることは分かってるわね。消えた後、魔球は左右か頭上のどちらからか現れる」


「……あくまで投げてるだけだから、足元から来ることはないってことか……」


「そうよ。そして、消えた魔球が姿を表す瞬間……一瞬だけやってくる方向に陽炎が生まれるわ」


「……陽炎?」


「あれは炎の球よ。だから球の周囲には陽炎が生まれている。そしてそれがこの魔球を見破る、唯一の手よ」


 なるほど。

 あの一発で、その弱点を見破った速水の洞察力には脱帽ものである。

 陽炎が生まれ、それを一瞬で見つけることができれば……確かに避けられる。


「次、私には貴方を守る余力はない。大怪我をしたくなかったら、技の弱点や特性を突いて攻撃を避けるしかないわ」


「……了解」


 実行できるかは置いて、これで回避する手段は整った。


「でも、ただ避けるだけってのもしんどいよな……」


 避けた後、野球部員には隙が生まれる。

 それは回避する余裕が無かった俺だけが見抜けた相手の弱点。


「一矢報いてやるよ……」


 地面に落ちていた木の枝を拾う。

 素手でいくよりも、なにか武器があった方が心強い。

 右手に木の枝を握りしめ、野球部員の攻撃を待つ。

 次の瞬間、再び野球部員の手から消える炎球が投じられた。


「――ッ!」


 全神経を五感に集中させる。

 既に炎球は虚空から姿を消しており、いつ、どこに現れるかのはまだ判明しない。

 永遠にも似た静寂が支配する世界。

 聞こえてくるのは自分の鼓動だけ。

 勝負は一瞬。瞬きすらも忘れる時間の中、変化は現れた。


「――そこだぁっ!」


「なにっ!?」


 虚空が一瞬、揺らいだのを確認するなり両足に溜めていた力を解放する。

 炎球の軌道を瞬時に把握し、体を横にずらす。

 そして、その動きとリンクするように次は重心を思い切り前に傾ける。


「そこだあああああぁぁぁーーーーーっ!」


 跳ねるようにして跳躍する。

 一歩。二歩と、歩を進め野球部員との距離を詰める。

 右手に持った木の枝が光った気がした。

 しかし、今はそんなことを気にしている余裕はない。


「これで決まり――ッ!?」


「ふははっ! その行動をこっちが読んでないとでも思ったか!?」


 手を伸ばせば触れられる。そんな距離まで野球部員が近づいた瞬間、眼前に炎球が出現した。


「隠しておいたのさ! こうなることを予想して、防衛用の球をね!」


 いつ、どのタイミングで設置されたのかは分からない。今はそんなことを考えている暇はない。

 このまま木の枝を振るっても意味がない。

 右手に握っているのはただの木の枝だ。

 そもそも触れた瞬間に爆発すれば、その瞬間にゲームオーバーである。


「それでも、ここまで来たらやるしかねえええぇ!」


「なあぁっ!?」


 最悪、爆発してもいい。

 この距離で爆発すれば野球部員も一緒に吹き飛ばすことができる。

 そうすれば、最後の力を振り絞って速水がトドメを刺してくれるかもしれない。

 この行動には野球部員も予想外だったようだ。こちらが慌てて回避するだろうと予測して出してきた防御手段。しかし、その目論見は見事に外れた。


「喰らえぇ――約束された勝利の(エクスカリバー)


 木の枝を両手に握り、思い切り振り上げる。

 無我夢中で叫びながら炎球に向かって振り下ろす。

 すると、木の枝は神々しく輝き出したのだ。あまりにも眩い光に目が眩みそうになりながらも、動きは止めない。


「な、なんで……!?」


 野球部員の驚愕に満ちた声音が鼓膜を震わせた。

 眩い光を帯びた木の枝はその姿を変えず、しかし何物も切り裂く剣と化していた。

 振り下ろされた木の枝は、炎球を真っ二つに切り裂き、その直後に訪れる爆発すらも無効化する。

 自分の想定とは違う状況の連続に野球部員の表情から余裕が消えた。

 その隙を見逃さず、木の枝を振り下ろした体勢のまま、腰を大きく回転させる。


「おりやああぁっ!」


「ぐあああぁぁっ!?」


 渾身の回し蹴りが野球部員の腹部にヒットする。運動部の割には軽い野球部員の身体が後方に吹き飛んで転がっていく。


「ごほっ、かはっ、げほぉっ……!」


 ゴロゴロと転がり回った野球部員は苦しげな声を漏らし、中庭を転げ回っていく。


「まだまだ――なぁっ!?」


 その様子を見て、追撃を行おうとするも両足から力が抜けてしまい、こちらもその場に膝をついてしまう。まさかの事態に一瞬だけ生まれた好機が無情にも手から滑り落ちていくのを感じた。


「若林くん!」


「はぁ、くっ……うぁ……」


「大丈夫?」


「はぁ、はぁ……身体が痛いとかはないんですけど……なんか、力が入らなくて……」


 全身から何かがごっそりと抜け落ちた感覚が襲ってくる。身体が感じる。このまましばらくの間は立ち上がることもできないだろうと。


「くっそ……もうちょいなのに……」


 やっとの思いで視線を上げると、少し離れた先で野球部員がよろよろと立ち上がるのが見えた。

 あの一撃で勝負は付かなかったようだ。


「き、貴様らあああぁ……よくも、よくも僕の身体に……顔に泥をつけてくれたなあぁ!」


 プライドが高い野球部員にもかなりのダメージがあるようで、立っているのがやっとな様子で鬼の形相を浮かべている。


「へへっ……良い顔になってるじゃねぇかよ……」


「うるさい! うるさいうるさいうるさい!!」


 野球部員の甲高い声が木霊する。

 余裕な素振りは姿を消し、眼前には怒りに支配された狂人の姿があるだけ。


「こうなったら、最後の力を使って……見せてやるよ……野球部に伝わる最終奥義を!」


「えぇ……うっそだろ……まだあるのかよ……奥義……」


 怒りに満ちた野球部員は両手を天に掲げる。すると、今までにないレベルの暴風が中庭に集まってくる。


「ハ、ハハ……こんなの、笑うしかないだろ……」


 今までとはスケールが違う。

 虚空に形成されていく炎球は学園の2階か3階部分にまで届くほど巨大に成長していく。あんなものを放られたら、俺たちだけではなく、学園全体に甚大な被害が出ること間違いなし。


「速水先輩、つかぬことを聞いてもいいですか?」


「……どうぞ」


「アレをどうにかして、あいつをぶっ飛ばす力……残ってたりします?」


「さすがに、厳しいわね。私の余力全てを使えばアレを切ることはできる。でも、その後の被害を考えればと何もしないのと結果は変わらないわ」


 分かっていたとはいえ、絶望的な答えである。

 治安維持部としての初戦にして、最大の山場である。


 目の前で形作られていく絶望を前に、俺も速水も乾いた笑みを漏らすことしかできないのであった。


次回、野球部との戦いに決着がつきます。

そして第一章が終わります。


もうしばらく、野球部との戦いにお付き合いくださいませ。

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