あの空の向こうへ 2
すみません。また更新遅れます。
いきなり自分の枕元に現れた、上はワイシャツ下は学生ズボン
の青年。
青年がにっこり微笑むと、辺りが真っ白になった。
「なんだ・・・・?ここ?」
気がつくと、翔太は空を飛んでいた。
「うわ!」
目の前を日の丸をつけた飛行機がものすごいスピードで飛び去った。
眼下では大きな船が炎上しているのがわかる。
「これって・・・・真珠湾?」
眼下で燃えている戦艦ウェストバージニアと教科書に
のっていた真珠湾攻撃の写真の船がよく似ていた。
「あれは!」
先程枕元に現れた青年がとなりの飛行機に手信号で
話しかけている。
となりの飛行機は翼から燃料が漏れているのがわかった。
『帰還シロ』
『無理ダ』
となりの飛行機の搭乗員3人は青年に敬礼すると
燃え盛る戦艦に体当たりした。
夢はそこで途絶えた。
・・・・
例の夢から5日。あれ以来同じような夢はみていない。
正直、彼にはそんな夢などどうでもよかった。
彼にはもっと考えるべきことがあった。
将来のことだ。
彼は自分の将来が心配でたまらなかった。
彼の同級生は高校を卒業後、店の後を継いで
商店街で働いたり、地元のスーパーに就職したり、
農家や漁師になったりと、地域に密着した仕事に
就く人が多く、翔太のように町を出る人はすくなかった。
彼の父親は町役場で働いている。
彼も父親と同じ仕事に、とはいかないが、公務員になりたいと
思っていた。
(社会にでてうまくやっていけるのだろうか?
そもそも大学に合格できるのだろうか?)
受験生にしかわからない不安。
それに翔太は押し潰されそうになっていたのだ。
「ショウ、遊ぼう!」
外から声がした。
幼馴染みの彩夏だった。
「悪い、俺勉強しないと・・・・。」
「ええ~せっかく海行くのに~」
普段ならなんなく受け流すのだが、暑さもあり、
ついイライラして言ってしまった。
「うるさい!スーパーへの就職が決まっているお前に
俺の気持ちなんてわかんないよ!」
今までこんな風に怒鳴ったことなんて1度もなかったのに。
彩夏は目に涙を貯めながら「馬鹿!」と叫んで行ってしまった。
「やっちまった・・・・。」
彼女が行ってしばらくして、翔太は頭が冷えた。
明日謝ろうと思った。
その夜、また例の青年が現れた。