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海の防人~2022 日中開戦~  作者: 呉提督
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あの空の向こうへ 1

更新遅れてすみません。

2020年、春



戦闘機の轟音が轟いてきた。F15 2機が着陸体制に入る。

速度を維持しつつ滑走路に入り、エアブレーキを出し、エンジンを逆噴射してそのまま停止した。


F15は格納庫に移動する。ひとりの青年がコクピットから

降りてきた。


「お疲れ様です!」


「いつも整備ありがとう。」


整備士に丁寧に敬礼を返した彼は

飛行隊長の元に向かった。



・・・・


「この半年間、無休でよくやってくれた。どうだ?

少し休みをとらないか?」


隊長からの提案に彼は戸惑う。


「休み・・・・?この大変な時期にですか?」


ここ、沖縄は尖閣諸島防衛の最前線である。

今年に入って中国軍戦闘機の領空侵犯は回数を増しており、

沖縄基地のパイロットたちは毎日交代でスクランブルに

当たっていた。



「実は、訓練課程を終了した新人たちが明日から

配属されることになってな。お前たちにはローテーションで

休暇を与えようと思うんだ。」


最後まで心配していた彼だったが、隊長の好意を素直に

受けとることを決めた。



・・・・

2014年 夏


彼、岩本翔太は四国の太平洋に面したとある小さな町に

生まれた。

人口はおよそ2000人。

警察官から消防士、スーパーのレジのおばちゃんまで、

誰もが顔見知りだった。

町には大きな山と小さな港があるのみで、

遊ぶ場所などほとんどなく、映画を見るなら

車かローカル線で2時間かけて隣の町まで行かなければ

ならなかった。



彼はこの時高3で、進路に悩んでいた。

夏休みに入って少したったある日、彼は縁側に座る祖母に呼び出された。


「どうしたのさ、ばあちゃん?」


「翔、あんた、じいさんの話は聞いたことあるかね?」


「じいちゃん?いや、ないけど・・・・。」


翔太の祖父は5年前に亡くなっている。

今ごろなんの話があるというのだろうか。


「あんたのじいさんはね、ゼロ戦のパイロットやったんやわ。」


「ゼロ戦?何それ?」


婆さんは翔太の質問を無視して喋り続けた。


「開戦からずーっと瑞鶴に乗って、最後は343空に

いたらしいんやわ。」


瑞鶴?343空?なんのことかさっぱりだ。

結局ばあちゃんは大切な説明を何一つして

くれなかった。


仕方なく彼はネットで瑞鶴や343空、ゼロ戦について

調べた。


それによると、ゼロ戦は昔、日本が戦争をしていた時の日本の

飛行機で、瑞鶴はそれを発進させる船らしい。

343空は松山にあった飛行機の精鋭部隊のことだそうだ。


調べてわかったのは、祖父が戦争経験者で、優秀な

パイロットだったこと。

優秀でなければ真珠湾から終戦まで最前線で戦って

生き残ることはできなかったはずだ。


「すごい人だったんだな、じいちゃん。」


生きてるときは頑固で気難しいイメージしかなかった。

こんなことになるならちゃんとじいちゃんの話を

聞いておけばよかったと少し後悔した。





























その夜、彼の枕元に彼と同い年くらいの彼によく似た青年が

現れた。

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