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海の防人~2022 日中開戦~  作者: 呉提督
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戦いの果てに

2022年 4月25日 11:00 総理官邸



日中の武力衝突は出口の見えない泥沼の

戦いとなっていた。

宮古島、多良間島の住民を解放したまではよかった。

だが、与那国島の住民解放のメドはいっこうに立たず、

特殊作戦群は苦戦を強いられている。

第一空挺団を降下させようにも、広東の艦載機が

にらみを効かせているのだ。

判断を誤れば第一空挺団全員が

機上で命を落とす可能性もある。


与那国島上空の戦闘も激化している。

つい1時間前にもそこでF35と殱20の戦闘があり、

殱20は2機が撃墜、F35も1機撃墜されたそうだ。

幸い、F35のパイロットはパラシュートで

脱出し、救助されたが。


北京交渉もまったく進展がない。

中国側は北洋艦隊の独断であることを巧みに隠し、

日本に

「自衛隊を退かないなら全面戦争もやむ無し」

と脅しをかけてきている。


自衛隊の装備ではこの膠着状態を維持するのが

限界であり、戦闘の終結はまったく不透明だ。


総理ら閣僚が頭を抱えていた時だった。


「総理!緊急連絡です!本日10:50、

たいほうが広東を魚雷攻撃した模様!」


「「なんだと!?」」





・・・・・・・・


さかのぼること10分前



「艦長!対潜ヘリZ-9Cが2機、こちらに向かってきます!」


「構うな、攻撃用意!」


たいほうは遂に広東を魚雷射程にとらえた。

既にたいほうの8つの魚雷発射管には八九式魚雷8本が

飛び出す時を今か今かと待っている。


Z-9Cがブイを投下してきた。


「気づかれたか。だがもう遅い!

1番から8番発射!」


探信音が反響して広東からたいほうに戻ってくる。

それと同時にたいほうは8本の槍を

広東へ発射した。


「魚雷50ノットで疾走!命中まで4分!」


「ヘリに探知されました!

対潜弾来ます!」


次の瞬間、和也は急速浮上で深度50につけるよう

指示した。


「洋上艦への被害も考えて起爆深度は

深めに設定しているはずだ!早くしろ!」



艦はアップトリムをかけ、一気に浮き上がる。

対潜弾のシャシャシャという不気味な音が

いくつも聞こえてくる。


「魚雷命中まで、1分!」


「深度50!」


「トリム水平急げ!」


魚雷は3本がデコイに引っ掛かったものの、

残る5本はそのまま突き進む。


広東へ命中すると誰もが思った。

しかし、


「広東への命中1!残る4本は長沙が身代わりに!」


慌てて潜望鏡を覗きこむ。

広東の左舷後方を航行していた駆逐艦長沙が

突如魚雷と広東の間に割って入り、

魚雷4本を受けたのだ。

広東にも1つ巨大な水柱が上がるのが確認できた。


水柱が消えた時、長沙の姿は

跡形もなかった。駆逐艦が4本もの魚雷を受けたのだ。

破片すら残らないほど木っ端微塵になったことだろう。


「仕留め損ねたか!もう一度魚雷装填!」


だが、


「敵艦隊より対潜魚雷!無数に接近中!」


刹那、巨大な揺れがたいほうを襲った。

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