かわりゆく日常 4
和也は驚愕の事実とこの世の中の闇を知ることになる。
本気で耳鼻科に行こうかと思った。
それくらい衝撃的なことだった。
「嘘だろ・・・・七美が意識・・・・不明?」
この教師が暑さでおかしくなったのか?
確かに七美は学校祭初日までは元気だったのだ。
「なんで・・・・なんでそんなことになったんですか!?」
和也は今にもつかみかかる勢いで聞いた。
「落ち着け。学校祭で浮かれすぎたんだろう。
階段から転落して頭を強打したそうだ。」
「あいつは、あいつは今どこにいるんですか!?」
「市立病院の203号室だが・・・・。」
それだけ聞くと和也は学校を飛び出した。
「俺の担任に今日は早退すると伝えてください!」
ポカーンとする2年生の学年主任を横目に和也は
市立病院に駆け出した。
・・・・
市立病院203号室
変わり果てた姿で七美はそこに横になっていた。
顔は傷だらけ。艶のあった長い髪はボサボサ。
点滴と呼吸器のおかげでなんとか生きている、そんな感じだ。
「どうして・・・・どうしてこんな・・・・。」
入ってきた看護師に彼女の目覚める確率を聞いた。
98%ありえないらしい。
「くっそ・・・・。」
誰に対する苛立ちかはわからない。だが苛立たずには
いられなかった。
「えっと、あれ?」
和也はバックをまさぐって気がついた。
学校に忘れ物をしていた。学校祭準備の時に
教室に置きっぱなしにしてそのままだった。
「悪い、七美。1回学校に戻る。お見舞い持ってまた来るよ。」
頭を冷やす時間も欲しかった。和也は一時間かけて
学校に戻った。
・・・・
学校に戻った和也だが、今日は部活もなく、生徒はほとんど
いなかった。
教室に行って忘れ物を取り、病院に行こうとした時、
会議室に人影が見えた。
そこで聞いた話を彼は一生忘れないだろう。
「先生、今回の件、1000万円で許していただけませんか?」