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海の防人~2022 日中開戦~  作者: 呉提督
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遼寧撃沈

2022年 4月22日 10:30



沖縄県那覇基地を発進した

航空自衛隊F-X20機は、尖閣諸島沖を

遊弋する中国海軍空母遼寧を

射程に捉えた。

遼寧の艦載機殱15のF-X探知距離は20km。

一方、F-Xの殱15探知距離は60km。

実に3倍もの差がある。


既に遼寧左前方60kmに高度3万フィート(約9000m)で迫っていた

F-X隊は、高度2万フィート(約6000m)を飛行する

殱15、5機を探知していた。


F-X20機のうち、先頭10機(1番隊)はAAM-4(99式空対空誘導弾)を2発ずつ抱えており、後方の10機(2番隊)は空対艦ミサイル

XASM-3をこちらも2発ずつ抱えている。


1番隊10機がまず殱15を排除し、2番隊の10機が

遼寧にミサイルを叩き込む手筈である。

その計画どおり、田中三佐率いる制空隊が

3000m下方を飛ぶ殱15に降下突撃を開始した。


殱15が気がついた時にはもう遅い。

自衛隊の実力はすさまじく、

初撃で4機を撃墜してしまった。

中国海軍のパイロットは、中国空軍のパイロットと

比べて実践経験に乏しく、警戒を怠っていたのである。


ともあれ、残った1機は逃走し、敵艦隊を

守る戦闘機はいなくなった。

田中の命令と共に2番隊10機が一斉に

遼寧に襲いかかった。



遼寧を守る駆逐艦はわずか2隻。

蘭州級駆逐艦、海口と長安のみ。

この2隻が遼寧を守るべく、次々と対空ミサイルを

発射した。

だが、空自パイロットたちはその程度で

落とされるほど甘くはない。

フレアをチャフをばらまき、ミサイルを回避する。




『目標をロック!』


『発射!!』


F-Xの翼下より飛び立ったXASM-3、20発は

遼寧めがけて突き進んでいく。


遼寧もHHQ-10(近接対空ミサイル)で

必死に応戦するが、かなうはずもなかった。



『目標に複数命中!』


XASM-3は遼寧の左側面に立て続けに命中。

装甲を粉砕し、艦内で爆発した。

遼寧の船体は穴だらけになり、あちこちに

赤い炎と黒煙が見える。

遼寧は完全に航行を停止し、左に傾きながら

消えていった。

沈没まで10分もかからなかった。




『攻撃隊より那覇基地へ。攻撃隊より那覇基地へ。

目標の撃沈を確認…これより帰投する…』



あの船にはいくつの若い命があったのだろうか。

そんな複雑な感情に浸りながら、

田中らは空域を離脱したのだった。









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