オペレーションサンダー
2022年 4月24日 07:00
少し雲が見え隠れするものの、好天の朝。
しなの以下第一護衛艦隊は宮古島沖100kmに
展開を完了。
作戦準備は整った。
「艦長。」
「うむ。当時刻をもって『オペレーションサンダー』を
発動する!
スパロウ隊、ファルコン隊、発艦開始せよ!」
しなの甲板に並んだF-35JBがエンジン出力を
一気にあげる。
しなのは風上に向かって全速力で直進する。
隊長機の岩本機が発艦したのを皮切りに
全10機が無事発艦を完了した。
綺麗な扇形編隊を組み、北の空へ消えていく。
しなのには4つの戦闘機隊がある。
一番隊:スパロウ隊
二番隊:ファルコン隊
三番隊:ホーク隊
予備隊:スワン隊
岩本は一番隊並びに合同隊を組む時の隊長を任されている。
「峰山一佐、岩本三佐とはどんなパイロットかね?」
しなののウイングで艦長の大空が
隣の峰山に尋ねる。
「優秀なパイロットです。ただ・・・・」
「ただ?」
「彼は高知震災の経験者です。
人の命を奪うことに抵抗があります。
それが実践ででなければいいのですが・・・・」
艦長はそれを聞いて苦笑した。
そしてこう言った。
「人の命を奪うことに抵抗がないほうが異常だよ。
大丈夫。彼は撃つ。」
大空はもう一度空を見上げた。
戦闘機はすっかり見えなくなり、10の飛行機雲も
どんどん薄くなって青空に溶けていった。
・・・・
『敵機探知!殱15、3機!こちらに向かってきます!』
殱15は中国の国産戦闘機だが、ステルス性、
速度、運動性などすべてにおいてF-35には劣る。
こちらは60km先から識別しているが、
殱15側は早期警戒機がいない場合、10kmまで
迫らないとF-35を発見できないとされている。
実際、向かってきてはいるが、撃ってはこない。
こちらは雲の中にいるため、視認も難しいだろう。
『隊長!攻撃許可を!』
『まだだ!』
距離はぐんぐん詰まるが、それでもこれだけ
離れていたら当たらない。
40kmまで接近したところでファルコン隊が多良間島方面へ
転進。スパロウ隊の5機が宮古島上空を解放すべく
殱15との戦闘体制に入った。
『敵機視認!ミサイルロックオン完了!』
敵機はまだこちら側に気がついていない。
距離にしておよそ15km
3000m上空から最高の奇襲の形となった。
『ウェポンズフリー!全機攻撃開始せよ!』
その言葉と同時に5本の空対空ミサイルが
F-35の翼下から飛翔した。
殱15は慌てて回避行動にはいるが、遅すぎた。
『敵機全撃墜を確認!』
ミサイルが敵機に吸い込まれていく。
同時に殱15はバラバラに砕けちり、その残骸だけが
むなしく海に消えていった。
20分後、多良間島上空の殲20,2機と
早期警戒機空警500もすべて撃墜されたとの
報告が入ったのだった。