作戦開始
2022年 4月22日 13:00
北京交渉は難航していた。
駐中日本国大使も中国外交部も
『尖閣は我が国の領土である』を繰り返すばかりで
いっこうに進展は見られなかった。
だが、平沼も交渉で中国が引き上げるとは
考えていない。
交渉でことが収まるなら中国は武力行使などしない。
中国は空母2隻とさらに空軍機まで投入しているのだ。
作戦目標を達成するか、敗北が確定するまで
撤退することはないだろう。
しかし、同時に交渉も打ち切るつもりはない。
「わかった。粘り強く交渉を続けてくれ。
外務大臣、民間機で北京に飛んでくれ。」
"大臣を出せば向こうもそれなりの対応をするはず"
平沼はそう考え、外務大臣を北京へと送った。
そんな中、
「総理!統合幕僚本部からです!」
ついに作戦内容が決まったのである。
・・・・
同時刻 しなのブリーティング室
同時刻、しなのにも作戦内容が通達され、
ブリーティング室には翔太はもちろん、艦長の
大空、第474航空団の峰山団司令、パイロット
全員が集められていた。
「横須賀から作戦内容が届いた。
これを見てもらいたい。」
南西諸島奪還作戦 概容
①那覇基地所属のP-3C及び海自潜水艦によって
宮古海峡を封鎖する中国潜水艦を撃退(既に完了)
②しなの艦載機によって宮古島、多良間島、与那国島
上空の中国戦闘機を排除、航空優勢の確保
③那覇基地のF-Xによる空母遼寧への全力攻撃
④佐世保の第三護衛艦隊群、那覇基地のF-15の援護を受け、
陸自第一空挺団、特殊作戦群、水陸機動団が宮古島、多良間島、与那国島に
上陸。住民の救出。
⑤尖閣諸島の解放
まさに自衛隊の総力をあげた奪還作戦だった。
「作戦開始時刻は2日後の明朝。
作戦名は『オペレーションサンダー』と決まった。
稲妻のような素早い行動を期待する。
では各々、それまでに準備を整えておくように!」
パイロットたちが立ち上がり艦長に敬礼する。
日本と中国、アジアの大国の激突は避けられないものと
なっていた。