かわりゆく日常 2
「おい、日本はいったいどうなるんだ?」
「戦争するのか?」
「戦争になったらどうなるんだ?ここもミサイル撃たれるのか?」
「ボロボロに滅ぼされるさ。オスマンみたいに。」
集団的自衛権を含む安保法が採決された日、
クラスは荒れていた。
だが、的を得ていない発言がほとんどだ。
「おい、和也、日本どうなるんだよ!?」
クラスに入るなりの質問。和也はあきれながら答える。
「戦争になんてならねえよ。集団的自衛権の内容読んだか?
『我が国と親密な関係にある国が攻撃を受け』って書いてあるだろ?日本は侵略なんてしねぇよ。
だいたいAAS(強襲揚陸艦)もトマホークも持たない
自衛隊がどうやって侵略するんだよ?」
ため息をついて席に座る。
それを聞くとクラスメートも席に戻ってしまった。
・・・・
放課後
「へえ~そんなことがあったんですか。」
サーブの練習をしながら和也は後輩と話す。
「にしても先輩は詳しいですね。そういうの。私はさっぱりです。」
といいながらも自分の話を聞いてくれる彼女が和也は
好きだった。
「そういえば先輩、7月に花火大会がありますよね?」
「そうだな。」
和也たちの通う私立高校では毎年7月に1週間の学校祭があり、
最終日には花火が打ち上げられるのだ。
「一緒に見ませんか?」
「別に構わないが・・・・。」
「約束ですよ?」
「もちろんだ。」
その日はラケットを100回振って、部活は終わった。
・・・・
6月頭
学校祭の準備が本格的に始まった。
3年生はステージでクラス発表をするのが伝統だった。
「なあ、和也。お前、あのマネージャーに告っちまえよ!」
「そうだぞこのリア充!羨ましい。爆発しろ!」
休憩中、友人にいじられる和也。
それを聞き流しつつ、こう言った。
「告白なんて考えたこともなかったな。」
「おいおい、マジかよ。」
「そりゃないだろお前ww。」
~告白してもいいのかな?七美?~
6月にしては珍しい青空に和也は優しく語りかけた。