6 お使いしてみよう!
運が良いことに、学校を出て右を曲がったところに、ちいさな店と、その横に自販機を発見した。店は大分古そうだが、逆にラムネを売ってるかもしれない。
良かった・・・。
こんなに、自販機と小さな店に感謝するのは初めてだな。
まずは店に入ってラムネを探そう。そう思って店に入ると、「いらっしゃい。」と、若い女の人の声が俺の来店を迎えた。へぇ、若い女の人がやってるんだな。顔を見ると結構美人で、店の雰囲気とのギャップに少し驚いた。
「あのぉ。」
「はい?何を探しているの?」
そう言って女性店員は俺のネクタイをつかんだ。ん?何だこの状況。喜ぶべきか?驚くべきか?それとも怖がるべきか?
「誰を買いにきたの?」
「・・・はい!?」
人身売買!?ヤバイだろ!!何を、じゃねぇのか!?間違えちゃった、てへっ、じゃ済まされねえ間違いだぞ!?
「もう、かわいぃ~、冗談よ。何を買いにきたの?」
「・・・あの、ラムネありますか?」
「あるよぉ~ちょっと待ってね・・・あとは?」
女性店員は彼女の後ろの棚から冷えたラムネを出して、また俺のネクタイをつかむ。
・・・うん、なんかもう慣れてきたな。
「オレンジジュースが2本と、あとお茶とコーヒーゼリー。」
「はい、はいこれと、あとはい。あとは?」
おう、全部あるんだ。すごいな。全部店員の後ろにあるんだな。すごいな。
「以上です。」
「じゃっあ、お会計ね?」
「はい。」
じゃっあ、そうです、お会計です。早く開放されたいです。そして二度と来たくないです。
「はーい、1万800円です。」
「はっ?」
1万?いちまん?何故!?
「冗談よ~。それより、あなた学校は?」
はっ!忘れてた。先生よりも先に気にするべきことを!確かにこの時間に制服で外にいたら、不思議に思われるよな。
「あー、えっとですね。」
「もしかしてさ、Wクラスの新入生?」
「はい。なんで分かるんですか?」
「オーマ達にパシられたんだ。」
「ええまぁ。ってあれ?なんでオーマ達のこと知ってるんですか?」
「かわいそうに。無料でいいよ。」
「はい?いや、でも。」
「私からの入学祝いってことで。さっ行きましょ。」
「へ?」
どこに?ってかこの人何者!?
ネクタイをぐいぐい引っ張られるので、大人しく付いていくことにした。最悪危ないと思ったらネクタイほどいて逃げればいいし。そもそもまだお金も払ってないし。
「君、名前は?」
「イサ、です。」
「そうか。イサくん、Wクラスへようこそ!」
「はい?あの、あなたは・・・」
「そうだ、まだ自己紹介していなかったね。」
女性店員がネクタイから手を離して、今度は俺の手をつかむ。
「Wクラスの担任の、ラムだよ。よろしくね?イサくん。」
なっなんだって!?Wクラスの?担任!?担任!?担任いるのかよ!!
「イサくーん?大丈夫?ほんと今日暑いもんね~。早く教室に行こうね。久しぶりだな~Wクラス。」
そう言って、ラム先生は、ジュースを持って先に校舎へと行ってしまった。うん、もう訳が分からん。
ってか、突っ込むところはそこじゃないんじゃないか?
ラム先生、ラムさん・・・ラムネェ・・・ラム姉!?
オーマが言ってたのって・・・
あまりの驚きに、俺は目の前が真っ暗になった・・・
どうでもいいですね。
くだらないですね。
ごめんなさい(笑)
また読んで下さい。お願いします!