4 入学式と生徒会長さん
今のところの登場人物↓
イサ
新学期からワクワク浮かれてる新入生(男)。
W組という不思議なクラスで一年間過ごすことに(笑)
オーマ
W組の男子生徒。いつも笑顔だが、結構勝手。
肉が好きで、欲しいものは彼女。
イサの左後ろに座っている。
マツカ
W組の女子生徒。かわいらしく優しい。
甘いものが好きで、自分でも作れる。
オーマの右後ろに座っている。
シキ
W組の男子生徒。基本静かだが、優しい。
頑張る人がパンと同じくらい好き。
イサの右後ろに座っている。
シーテ
W組の女子学生。長くて綺麗な髪と顔を持ち合わせている美人。
髪は銀に近い金髪。だが、好きな食べ物は、見た目に合わずラーメン。
シキの左後ろ(マツカの隣)に座っている。
クー
W組で飼われている熊。
教室の後ろの檻の中から獲・・・生徒達を見ている。
・・・きっ・・・気まずぅ・・・
体育館に入った瞬間に感じた感想。
ただひたすらに、気まずい。
他のクラスの子達は全員整列済みの静寂の中、堂々と前の入り口から入ってしまったのだから仕方ないのだが。
そもそも、俺達のクラスにも入学式があることにも驚いた。
だが、今一番驚いているのは、まさかの他のクラスと一緒に行うということだ。
担任の先生というものさえ存在しないらしいこのクラスだから、てっきり入学式も別に行われるものだと勝手に思っていた。
「はぁ・・・」
「イサ?どうしたのだ?」
シーテが振り返って俺の顔を見る。
「いや、何か気まずいなってさ。」
「気まずい?あぁそうか。イサ、早く終わらせたいのか?」
「・・・できればね。」
まぁ無理な話だろうけど。校長先生の式辞とか、その他にも沢山ご挨拶みたいなのとかがあって・・・あぁ、その間に隣からの視線が。
・・・絶対キツいって。
「オーマ!イサが辛いって!」
おう、そうだよ。辛いとまでは言ってないけどな。そうだよオーマ・・・何でオーマ?
「どうしたぁ?大丈夫か?よし、なら早く終わらせよう。」
「だって、イサ。良かったな。」
うん、シーテ良かったよ。聞こえてたよ。
早く終わるんだってな。でも、オーマじゃ終わらせられないぞ。
所詮生徒だからな。ってオーマどこ行ったんだ?
「あーあー、っとよし。」
ん?マイクの前にいるのは・・・オーマ?
「あー皆さん、おはようございます、W組のオーマです。今年もやってきましたねー、この時期が。」
「こんにちわ~W組のマツカです~。」
マツカ?・・・あいつら何してんだ?
「それではさっそく~、発表してもらいましょ~。B組の生徒会長さん~前にお願いします~。」
生徒会長いきなり呼ぶ!?思いっきり遅刻してきた上に、突然出てきて、「何を言い出してるんだ?こいつら」ってみんな思ってるだろ!!絶対!!
「おいシキ、いいのかよ。あれまずいんじゃ・・・」
「オーマのことだから仕方ない。」
そうですね。まだ会って間もないけど大体分かったよ!
「さすがオーマとマツカだな、声がよく通っている。」
シーテ、感激すべきはそこじゃない!!遅刻してきたにも関わらず、偉そうにマイクを持って話せることに驚いてくれ!!
「え~、では私、生徒会から先に、今年のW組の授業クラスについて発表します。」
ん?おお!?生徒会長さん出ちゃってるよ!!言うこと聞いちゃうのかよ!!
「まず、W組のオーマ君とマツカさんは、B組、シキ君とシーテさんは、C組になります。」
「ん?授業クラスって?」
「Wクラスの生徒の授業は他のクラスに行って受けるんだ。僕とシーテはC組に行って授業を受けるんだ。」
「へえ~。」
・・・じゃあ何でわざわざW組なんか作ったんだよ。
「イサ、W組がある理由を考えているんだろ。」
シキに心を読まれた!?
驚いてシキの顔を見ると・・・シキは何故か悲しそうな顔をしていた。
「シキ?」
「ごめん。」
「ん?いや別に、今生徒会長さんが俺の名前を言ってなかったみたいだけどそんなことは・・・・・・ん??俺の名前・・・俺の名前は!?そうだよ!!俺の名前は!?」
「気にしないんじゃないのか?」
シーテが吹き出す。
「アハハっ、いつ気がつくかと思えば・・・アハハっイサ、お前は本当にフクッ・・・面白い・・・。」
「おい!オーマ!俺の名前は!?」
マイクを持って生徒会長さんの説明を聞いているオーマを大声で呼ぶ。
「はい?何ですか?イサ君?」
ムカつくな。何だよ、イサ君?じゃねえよ!!
「俺の名前は!?俺の名前がなかったんだけど!!」
「あー、イサ君は他に仕事があるでしょー大事な。」
「はっ!?」
何だよ仕事って・・・って何?何でみんな俺の方見てんの?
「今年のW組の熊の世話は新入生のイサ君が担当してくれるそうです。」
生徒会長さんが淡々と俺の仕事内容を読み上げた。つまり、お前はクマの世話でもしてろってことか!?
「ただし、授業は熊の世話の合間に好きな教室で受けていただいて構いませんので、お好きな教室に行って勉学に熊の世話に頑張って下さい。」
おう、ありがとう。ってなんないだろうが!
「生徒会長さん!単位はどうすんですか!?」
「それについては安心して下さい。熊の世話をしていただく分、免除の扱いですから。」
「はっ!?」
本当に何なんだよこの学校!!
「イサ、がんばれ。」
「応援するぞイサ。」
シキとシーテの手が優しく俺の肩を支えた。
次に苗字のことについて話します。
イサと頑張ります(笑)