1 新学期のワクワク
今日の空はとても青い!
そして今日の俺の気持ちは晴れ晴れとしている。
何てったって、今日は新学期。新しい友人、先生そして先輩と、考えるだけでわくわくする。
「制服のボタンは・・・っと、大丈夫だな。」
新しい制服に新しい道。もう朝から興奮しまくりだ。
「新入生の皆さんはクラスを確認して、あちらで靴を履き替えて下さい。」
真面目そうな先輩らしき女の人の指示に従って、教室を確認しに行く。
えぇっと~っとあった、俺は、W組か。
・・・??いったい何クラスあるんだ?
「・・・A、B、C、D、W。」
ん?いやいや、おかしいだろ。何でDの次にWがくるんだよ。まさか、しぶしぶクラス作った的な感じなのか!?確かに俺はそこまで頭は良くないが、そこまでハブられたクラスにされる筋合いはないぞ!
と、勝手な妄想で怒りながら、とりあえずは自分の教室へと向かう。後ろから感じるさっきの先輩からの不思議そうな視線も気になってきたことだし。
そして。
「ここか。」
ドアのガラスにW組と書かれている教室を見つけた。やはりなぜ組が「W」なのかと、俺がその組なのかが気になる。が、新しいことへのワクワクが消えない内に教室に入るべきだと思ってドアを開けた・・・
教室の中は、がらんとしていた。真ん中に五角形に並べられた五つの席しかなく、一番前の席以外に、二人の男子と二人の女子が着席している。
つまり、俺は一番前の席だということだ。それは一瞬で分かった。
そもそも一つの教室に五人というところからおかしいのだが、それは自分のクラスを確認した時点で不思議に思っていたことなのでいいとしよう。だが、席の配置が五角形なのは、不思議以上に、気味悪さを感じる。既に座っている四人は俺の方を見たままぴくりとも動かないし、一体このクラスは何なんだ。やっぱりハブられたクラスなのか?
あまりにじっと見られすぎて気まずくなったので、自然と教室の後ろの方に視線を向けてしまった。
「えっ・・・?」
なんだ?あれ何だ?あの大きくて、鉄骨が縦にシマ柄で並んでいるあれは・・・
自然と足がカタカタと震え出す。待て・・・何か教室に変な物がある気がするぞ?
何回目を瞑っても教室の後ろにある物は大きな檻だった。・・・教室に、檻があるだと?
「あの、」
キィーンコォーンカァーンコォー・・・
俺の言葉は始業のチャイムに遮られ、ますます気まずくなる。もう帰りたい。帰ってそのまま眠りたい。
俺は先生にクラスのことを問いただすために、今から来るであろう担任の先生を迎える準備をした。その準備とは主に、視線を反らしつつ着席、そして後ろからの視線を無視し続けるという我慢大会を一人で行うことだ。
均等に感じる五つの視線を俺はひたすら無視し続ける。
先生よ、早く来てくれ!!と強く願いながら。
その願いが通じたのか、予想よりも早く教室のドアが音をたてたので、嬉しさに叫びそうになった。
ガチャッ
次は名前出します。(登場人物の)
また機会があったら読んで下さい。