第1話 普通の高校生活
俺の名前は桜木正人。
ごく普通の男子高校生だ。
最近のとりあえず踊っとけば許される流行にはうんざりしているごく普通の男子高校生だ。
俺は今日も行きたくもない学校へと足を運んでいる。
すると、後ろから誰かが駆け寄ってくる音が聞こえた。
「待ってよー!家隣なんだから一緒に行こうよ〜!」
彼女は春瀬友里。俺のお隣さんで、幼馴染だ。
「お前が遅いからだろ〜」
「待ってくれてもいいじゃ〜ん!」
今日もまた、退屈で騒がしい一日が始まる。
◇
今日はなぜか廊下に人が溜まっている。
まあ、俺には関係のないことだろう。
教室の扉を開けると、すぐに駆け寄ってくる人物がいた。
「正人〜!!掲示見たよ〜!!また全教科で満点取ったんでしょ〜!?」
彼女は水見菜月。ノリと勢いが命のテンションオバケだ。
「掲示?」
あぁ、そういえば中間テストの点数の張り出し今日だったか。
正直、テストの点数なんかじゃ知性は測れない。
こんな数字、俺にとっては何の意味も持たない。
――結局、俺は『凡才』なのだろう。
「そうか、満点だったのか。」
俺がそう言うと彼女は呆れたように
「正人、また自分の点数確認してなかったの?」
「あぁ〜、まあ……別にいっかなって。」
彼女は不思議そうに「ふーん」と言った。
その瞬間、どこからか鋭い視線を感じ、そちらに目を向けるとすぐに目を逸らされてしまった。
「あの…私の存在は…?」
おっと、すまん友里。第1話にしてお前の存在を忘れていたぞ。俺も作者も……
危うく物語のヒロイン枠からフェードアウトさせるところだった。
申し訳ないが、俺の脳内では笑顔の友里が薄れていって消える直前までイメージがたどり着いた。
「今なんか失礼なこと考えなかった?」
なんか圧がすごい...ヤダ怖い...
「まあまあまあ、痴話喧嘩はそこまでにして準備しな!荷物も降ろしてさ!」
痴話喧嘩って……俺は何も言ってないんだが。
「痴話喧嘩じゃないし!」
「友里顔真っ赤〜!」
女子2人の戯れを横目に俺は授業の準備をする。
もうすぐ先生も来るだろうしな。
と、そう思ったのとほぼ同時に先生が教室に入ってくる。
「よーし、みんな席につけ〜。今日の授業はテストの問題解説だ。はい、号令。」
『起立、気をつけ、礼』
そんなこんなで授業が始まった。
まあ、いつもの流れなら問題解説の授業では……
「難しい問題は桜木か涼水、当てるから覚悟しとけよ〜」
やっぱりだ。この授業、あんまり好きじゃないんだよな〜
◇
授業の前半はスムーズに進んだのだが、後半になってくるにつれ答えられる人が少なくなってきた。
「じゃあ、この問題は……涼水。」
「はい。」
当てられて立ち上がったのは綺麗だがどこか儚い灰色のボブヘアの女生徒だった。
彼女が黒板に向かう途中、一瞬彼女の視線がこちらを向いた気がした。
彼女は、黒板に書かれた問題を正確に解いていく。
「そう解けばいいのか!」「頭良ッ!」
クラス中が彼女の余裕そうに問題を解いていく姿に感心する。
……なんでそんな遠回りな解き方をするんだ?
3行で終わるだろ、これ。
「流石だな、涼水。」
先生も満足気に頷いている。
「じゃあ、その下の『応用問題』もついでにやってみるか?」
先生の言葉に、涼水の手が止まる。
彼女は、チョークを握ったまま動けなくなっている。
「……すみません、先生。そこはまだ……」
「そうか。じゃあ――桜木。お前ならどうだ?」
あぁ、やっぱり俺か。面倒くさいなぁ。
今回は有能主人公の物語を書かせていただきました!
いやー、ムズい!!
有能キャラってムズい!!
初の試みなんですが...これは中々厄介ですよ(笑)
彼をカッコよく動かそうとするたびに僕自身のダサさを痛感します...(笑)
ということで、読んでいただきありがとうございました!




