表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Deceptive Love  作者: 緋色
第五章:ヴァルグラート編
85/104

第八十三話:前哨戦

旅行ー>コロナ感染ー>再試

により投稿が止まってます。次の投稿は9/1の予定です。

本当にごめんなさい(>_<)


 ルビリスは出店の前でしゃがみ込み下を向いている。


 何故こんな怪しい魔道具(偽物だった)に手を出したのか彼女の口から直接問い正したいが、なんとなく予想はついていた。


 「ニグラスか?」


 その名前を口に出すとルビリスの体が跳ねる。


 「え、は? 何でそ、そこでニグっちのな、な名前が出てくるわ、わけ?」


 予想通りだ。戦争が停滞し帝都に来てからというもの、ニグラスとルビリスの距離が異様に近い。正確に言えばルビリスが一方的にぶつかりに行っている。最初はただ単にちょっかいを出しているだけかと思っていたが、席は必ず隣に座るし、買い物中に手を繋ごうとしたりしているのでほぼ確実だろう。まあ、こいつの恋愛なんかこれっぽっちも興味ないけど。


 「普段のお前を見てれば分かる。てか隠す気ないだろ」


 興味ないとは言ったが、ここで今の平和な時間が脅かされる危険性が生まれる。普段から俺、ニグラス、ルビリスの三人で動くことが殆どだ。もし、万に一つもないことだと思うが、いや願うが、ニグラスとルビリスがそのような関係になった場合、俺はどうなるだろうか。


 男女複数人で遊びに行ったとしよう。女子が居れば必ず男子の中に女子とばっかり会話する奴が現れる。その場合、そいつは他の男子から様々な視線を向けられるだろうが、まだ男子同士でその遊休を楽しむことができる。だが、男子二人、女子一人ならどうだろうか。余った男子は一人だ。目の前でイチャつく様子を見せつけられ続けるのは拷問に等しい。そこに悪気がないことが余計にタチが悪い。


 せめてリリアが居てくれればバランスを取れたんだが‥‥‥


 「先に言っとくぞ。諦めろ。お前みたいな正確悪い奴は到底無理だ。ニグラスに張り付く害虫は俺が駆除する」


 「きっも‥‥‥男のくせに何でメンヘラ女みたいなこと言ってるの? もしかしてゼニーってそっち系? あーあ、これじゃあスウィーピアちゃんも浮かばれないだろうな〜」


 ルビリスは身を震わせゼニウムから距離を取る。

 

 「最後のは触れづらいからやめろ‥‥‥ていうかお前も気づいてるだろ。脈なしだよ、みゃ・くぅ・なぁ・しぃいいい!」


 「めっちゃムカつくんですけど! 別にいいでじゃん、恋愛の形は人それぞれでしょ!」


 とか言ってるが、そもそもこんな魔道具買おうとしてる時点でもう恋愛じゃない、洗脳だ。一応俺は恋愛面で言ったら四人の中で先駆者と言っても過言ではないだろう。ならば同じ道を進む者への道標となろう。


 「恋愛はな、焦ったら負けなんだよ。共に過ごしている内に自然と純粋な気持ちが混ざり合っていくものなのサッ」


 「下心しか無かったくせに‥‥‥」


 ルビリスは歯を食いしばったような顔をしてゼニウムのことを睨みつける。だが、もはや全て手遅れだと感じ最後の手段を取る決意をした。ルビリスは堂々と歩み出しゼニウムの前に立つ。


 「じゃ、じゃあさ。ゼニーが女の子だったら、どうやってニグっちの‥‥‥っ、どうやってニグっちの気を引く?」


 思い切った質問だった。少し驚いたが予想外だったわけではない。プライドの高いルビリスのこの言動に少し違和感を覚えたのだ。様々なことを考慮し一つの回答が完成した。


 「分からん」


 「‥‥‥へ?」


 「ベルトリオンで内面派って言ってたくらいで、それ以外は全く分からん」


 嘘は言っていない。ニグラスとは長い付き合いになるが、恋愛については一度も話したことがないのだ。ニグラスが恋愛に興味があるとは到底思えないし、そもそもこの二人がくっつくことは俺が望まない。


 「チッ、役立たず‥‥‥これだからゴミウムは‥‥‥」


 「ゴミウム言うな! そもそもお前みたいな背も胸も脳みそも小ちゃい奴がニグラスに好かれるわけないだろバーカバーカ!」


 「あー! そういうこと言っちゃうんだ! 差別だ差別! 何? リリアが居ないからって欲求不満なの? 女性の胸の大きさでしか物事を判断できない変態が勝手に決めつけないでくれる?」


 「はい今言ったなお前! そういうこと言うんだ! あーあ、せっかくニグラスの好み聞いてきてあげようと思ってたのになぁ! もうやーめたー!」


 低レベルな争いを繰り広げていると、街角が騒がしくなる。多くの通行人が集まり、建物の側面に備え付けられている巨大なスクリーンを眺めている。ルビリスとゼニウムは喧嘩を止め、耳を傾ける。


 『繰り返します。緊急速報です。先程ゼルファリス連邦国北東の国境にて、同国とケルセナ神聖国の軍事衝突が発生しました。政府や騎士団は現在情報を』


  ◇◇◇◇◇◇◇


 <<LOCATION:ゼルファリス連邦国-北東の国境>>

 <<WEATHER:雨>>


 ゼルファリス連邦国は五大国の一つに位置づけられ、この中では最も歴史の浅い国であるが強大な科学力を誇る。一方、ケルセナ神聖国は中小国家かつ宗教国家でもあり、世界中に信仰者が存在することから、その影響力は大国にも匹敵する。


 聖騎士を含む六十万の軍勢が神からの天啓を受け聖都を出陣したのだ。彼らはゼルファリス連邦国を神に仇なす悪と見做し、正義の鉄槌を下そうとしている。神聖国の陸上戦艦は少しのズレも無く展開して、飛空戦艦は少しの歪みもなく整列する。

 

 この大艦隊を迎え撃つのは総勢十万の連邦国軍。数々の戦場兵器に加え、百体の守護者(パラディン)が国境に巨大な影を落とす。


 そして、この十万の軍勢を率いるのは四名の惰性の十翼(ダクシオン)


 「守護者(パラディン)は全て問題なく稼働しているようですね。ふふ、皮肉なものです。数多の命を食い潰す戦場が、数多の命を救うための土台となるのですから。虐殺はあまり好みませんが‥‥‥」


    惰性の十翼(ダクシオン)・第十席次

 <<ラケナリエ・ゼルヴァリオン>>

 レベル:???


 「聞いてた数よりも多くなってるね。あーあ、大戦前なのに沢山死んじゃうよ。これが無駄死にってやつか〜、まあしょうがないよね‥‥‥」


    惰性の十翼(ダクシオン)・第九席次

 <<ラナキュア・ノクスハルト>>

 レベル:???


 「彼らは自分達の信仰に従っているだけ、故にこの戦争の意味を理解していません。無知は幸せであると同時に己を閉ざす檻となるのです。嘆かわしいことですが‥‥‥」


    惰性の十翼(ダクシオン)・第六席次

 <<キクエラ・ルーメンヴァイス>>

 レベル:???


 「屍の山に文明は聳え立つ。ならば彼らの死も無駄にはならない。我々は神々の軍勢を殲滅し、この世界に永遠の安寧をもたらす‥‥‥」


    惰性の十翼(ダクシオン)・第三席次

 <<ラントゥール・ドラヴァルド>>

 レベル:???

 

 漆黒の衣に身を包んだ者達は、種族も違えば、本来の立場も異なる。だが、皆一つの理想の元に集っている。それを果たす為ならどんな犠牲も問わない。どんな障害が立ちはだかろうと打ち砕く。


 「「「「全ては大義のため」」」」


 神々との前哨戦が今、始まる。

 

ステータス(?)の見え方なんですが、ゼニウムのレベル×2未満の相手なら全部見えるようになってます。(今更感)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ