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Deceptive Love  作者: 緋色
第四章:テルグラス焦土編
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第七十六話:守護者


 <<LOCATION:ゼルファリス連邦国-貿易都市ヴェルシウス>>

 <<WEATHER:晴れ>>


 テルグラス焦土を挟み、ヴァルムント帝国の東に位置するこの国は、魔導技術が最も発展している国家でもある。他の大国とは異なり君主制度は存在せず、最高権力機関である惰性の十翼(ダクシオン)が国の運営を行っている。首都ルミナストは連邦の中心であり、魔導技術が発達し空中庭園やホログラム掲示板が存在する近未来的景観を映し出している。学術都市エルカディアは、大陸最大級の魔道大学や研究機関が集まる都市であり、次元を超えた実験場が存在していると言われている。


 そして、連邦と他国を結ぶ貿易の拠点、貿易都市ヴェルシウス。その中心に位置する最も高いビルの一室。近未来的な外観とは異なり、内部は金色のシャンデリアが一定間隔で吊るされ、中世のデザインを模した椅子と長方形の机、床には金の刺繍が施された赤い絨毯が敷き詰められている。


 現在、十席の内六席が埋まっている。彼らは豪華な部屋とは似合わない黒を基調とした装いをしていた。もうすぐ行われる重要な会議は、世界の行く末について話し合う重要な場である。


 部屋の扉が開く。それを合図に着席していた一部の者達は姿勢を正した。誰も言葉を発さない。入室してきた中年の男は周りの装飾に目もくれず自身の席へ腰を下ろす。遥か昔、七名で構成された勇者パーティーの魔術師として三体の魔王を滅ぼし、その後、禁書庫の大賢者達を率いて迫りくる魔族の軍勢を患部なきまでに叩き潰した。神々との大戦を生き延びた大英雄であり、惰性の十翼(ダクシオン)・第一席次。


 「‥‥‥では、始めるとしよう。神々の干渉を断絶し、この世界に永遠の繁栄があらんことを。全ては、大義のため」


 <<ミルトニアス・エヴァンシール>>

 レベル:???

 称号:大英雄

 

 一瞬の静寂が部屋を包み込む。すると一人の男が声を上げる。外見は二十台前半の人間のように見えるが、その頭部には黒い捻れたツノが生えている。体を少し退け反らせ空席の方へ視線を向けていた。


 「もう始めんのか? ドラヴァルドさんは仕方ねぇとして、他の二人がまだ来てねぇぞ」


 声色からして、重要な会議に出席しない二名に対して少し怒りを感じているのは明白だった。実際その二名が会議に出席しない事は珍しいわけでもない。しかし、タイムリミットは確実に迫っている。


 「ラケナリエはラントゥールと共にケルセナ神聖国との国境へ向かった。守護者(パラディン)の機動試験も踏まえてだろう。アニスは‥‥‥」


 ミルトニアスが一瞬口籠るが、それと同時に扉が勢いよく開く。


 「すまない。少し遅れた」


 アニスは笑みを浮かべながらミルトニアスの右隣の席へと勢いよく腰を下ろす。互いに目が合うが、アニスは鋭い視線を向けられすぐに顔を逸らす。彼はアニスに対して言いたい事が山程ある様だったが、会議を優先した。


 「まずは最優先事項として行っていた神々の執行者の殲滅についてだ。二週間前、ベルトリオンに潜伏していた執行者をガーベルが始末した。レベルは二千半ば、過去の執行者の中では最も低い値から、百五十四年前に転移してきた者だろう。そして、これ以降異界からの転移は確認されていない」


 「転移してくる頻度も減っている。大戦直後なんか数年に一人のペースだったからな」


 アニスは腕を頭の後ろで組み、椅子を揺らしながら楽しそうに述べた。


 「執行者は天界と現世を繋げる、言わば門の役割を担っています。それを次の大戦までに殲滅するというお話でしたが‥‥‥」


 ミルトニアスの左隣に座る少女が発言をした。年は十代後半に見えるが、非常に整った顔立ちに白銀の長い髪を持つその姿はとても少女には見えず、大人びた雰囲気を醸し出している。ドレスを模した様な黒い制服を着ており、龍の様なツノが生えている。


 「見立てでは残り数人と言ったところだろう。だが既に三年を切っている。そちらに時間を割いている余裕が無くなった。戦いは避けられん」


 異論は出なかった。執行者を殲滅すれば大戦を回避する事ができるが、もし失敗すれば何の備えも無しに神々の軍勢を迎え撃つ事になる。それは何としてでも避けなくてはならない。


 異論が出ないことを確認すると、次の議題へと移る。


 「では次に移る。ケルセナ神聖国についてだ。先日、五十万の軍勢が聖都に集結していると情報が入った。信仰は神々の糧となる。本来の予定ならば彼の国は既に滅んでいるはずだった」


 「聖都の大結界か」


 大柄の男が口を開く。


 「その通りだ。ラグゼント王国の艦隊に強襲させたが突破することは出来なかった。だがこの時代においてそれ程の結界を維持できる者など限られている」


 「一番ありそうなのは執行者だが、魔王、いや、下手したら龍王の生き残りでもいるのか?」


 「龍は大戦で全滅した。その証拠も今ここにある。決して無視はできないが、今は目の前の大軍を処理することが優先だ。ラントゥールだけでは荷が重いだろう。後に誰かを向かわせる」


 一瞬の静寂がその議題の終わりを告げる。そして会議も終わりへと差し掛かり、ミルトニアスの口から先程よりも重苦しい声が発せられる。


 「‥‥‥最後に、レイナ・ナガシマについてだ」


呼び方が異なっていて分かりにくいと思ったので念のため、

「ラントゥール・ドラヴァルド」という名前で同一人物です。


誤字脱字が多くてすいません!(>_<)

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