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Deceptive Love  作者: 緋色
第一章:ローデン編
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第一話:現実

ファンタジー×近未来の世界観をイメージしました!

最初はギャグ多めですが、全体としてはシリアスに力を入れていきたいと思っております!

まだこのサイトは不慣れですが作品に興味を持っていただけたら幸いです!



<<DATE:ヴァルムント歴-978年>>

<<LOCATION:???-???>>

<<WETHER:雨>>


 ここ数年で類を見ないほど大雨が、ネオンが輝く大都市を襲っている。


 だが、都市を埋め尽くす人、まるで一つの生き物かのように走行する無数の車両、この都市の偉大さを象徴するかのように浮遊する巨大な飛行船は、全く動じることなく動き続ける。


 雨が大地を響かせる中、小さな細い路地で一つの足音が鳴っている。


 軽快なリズムで、迷うことなくその足は入り組んだ通路を進んでいく。


 光すら差し込まない都市の闇と称するにふさわしいその場所は、美しい金色の髪を持つこの女性のことを歓迎していない。


 薄暗い通路を進んでいると、路地の一角にフードを被った人物が立っており、両手で一人の赤子を抱えていた。


 ずっと泣き続けるその赤子の声は全て雨にかき消された。


 「それか?」


 鋭くも穏やかな声でフードの人物に尋ね、返答を待たずに赤子を相手の手の上から抱き取る。

 

 「はい、間違いありません」


 抱き取った瞬間赤子は泣くのをやめ、目を大きく見開き、その女性の目を見つめている。


 「‥‥‥そっくりだな、面影を感じる」


 フードの女性は声を発さずただ沈黙を貫いている。

 

 「もうこんなに時間が経ったのか、だがギリギリ間に合いそうだ‥‥‥おかえり」


 赤子に微笑みかけるも表情は変わらない。


 雨だけが、この者たちを追い出そうと次第に強くなっていく。


  ◇◇◇◇◇◇◇


<<DATE:ヴァルムント歴-995年>>

<<LOCATION:ヴァルムント帝国-国境都市ローデン>>

<<WETHER:快晴>>


 太陽の光がとある一軒家の一室を容赦なく照らし出し、部屋の中の人物に時間を伝える。


 ピピピピピピピ


 それに鼓動するかのようにアラームが部屋中に鳴り響く。


 「‥‥‥ふぁあああぁ‥‥‥朝かぁぁぁあああああ!」


 起きたらやることは変わらない、顔を洗い、朝ごはんを食べ、学校の制服に着替えながら歯を磨き、学校のバッグを持って玄関に向かう。


 「ゼニウム、忘れ物ない?」


 玄関で屈み、靴紐を結んでいる時に母親の声が背中にかかる。


 毎日の決まりきった言葉、それ以上に深い意味なんてないが、数年前に父が戦死し、女手一つでここまで育ててくれた母親の一言には、言葉ではとても表せない暖かさを感じる。


小さな都市の学校だが、そこにこうして通えるのも母親が必死にお金を稼いでくれているからだ。


 「うん大丈夫、いってきまーす」


 家を出たら駅まで全力疾走だ、電車を一本逃したら遅刻するというスリルがまたたまらない。


 だが駅のホームに着いてからが最大の難関である。


 自動販売機の隅に隠れながらホームを見渡し、電車が来るのを待つ。


 1分後電車がホームへと到着した。


 発射サイン音が鳴ってからドアの中に駆け込む。


 「はぁ〜、今日は大丈夫そうだ‥‥‥」


 「何が?」


 「‥‥‥」


 そこには俺にとってどうしても会いたくなかったやつが立っていた。


 「おはーゼニー! 朝から元気ないね、あ! もしかして私に朝から会えて感動してる!? も〜照れちゃうなー」


 ルビリス・リンドベリ、同じクラスの女子だ、専攻は魔法、天真爛漫で男女問わず人気者だが、俺の中でのあだ名は()()()()()()()()だ。


 なぜこんなあだ名をつけたのかというと。


 「そういえばスウィーピアちゃんとは今どんな感じなの? この前ラブレター書いてたよね、『スウィーピアへ、入学当初からあなたのことをずっと考えていました。美しい髪の色に鳥が囀るような優しい声、誰にでも気遣えるその優しい性格、そしてグラズリム山脈の雪のように白い肌! かのエルミレフ伯爵すら及ばないそのNICE BODY! 他にも‥‥‥』だっけ?」


 今は朝方の通勤時間だ、満員電車とは言わずとも座る場所がないほどには人がいる。


 そう、周りの目というものがあるのだ!


 それをこのバカ(アホ)はフル無視して話し続ける。


 「で、オチがラブレターを入れる下駄箱間違えて隣のニグっちのとこ入れちゃったんでしょ? 」


 静寂が電車内を包み込んでいる。


 普段なら学生の喋り声や、ヘッドホンからの音漏れが聞こえるのだが、それが全くない。


 これが何を示すかは想像もしたくなかった。


 「これ普通に読んだらセクハラなんですけど‥‥‥っっ、あっはっは! やっばい、むりっっっひっひっひ、あっはっは!」


 しね。


 「どうしたらこんな気持ち悪い文章書けるの?」

 

 めっちゃ腹立つにやけ顔で、この世界と自分を切り離そうとしていた俺の顔をのぞいてきた。


 「‥‥‥しょーがないだろ、書くの初めてだったんだから‥‥‥リリアにこういうのは大袈裟に書いた方が良いって言われたんだもん」


 「限度ってものがあるでしょ、スウィーピアちゃんめっちゃ引いてたよ、ふっふっふ、久々にこんな笑ったよ、今日はいい日になりそうだね!」

 

 しにたい。

 

 学校の最寄り駅に電車が到着しドアが開く。


 そこから車内に流れ込む空気は今までで一番心地よく、生を実感させるものだった。


記念すべき1話どうだったでしょうか!

<<LOCATION>>とかは近未来っぽさがでるようにプログラムをイメージしてみました。

気に入ってくださったら嬉しいです!

ちなみに、

僕がこの男の子だったらもう外歩けません、、、

少しでも面白いって思ってくれた方、⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎評価よろしくお願いします!

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