プロローグ
読み切りで書いたら四万字あったので分割して載せます
これは、とある世界の話。
魔物と呼ばれる人類を襲う生物が存在し、人々は鎧を身に纏い、剣や盾を持ち魔物と戦い、魔力と言う不思議な力の源が存在し、魔法と呼ばれる技術が確立した世界。
そんな世界に、女神の加護を受けて建国したミラクリオールと言う、強大な国が存在していた。
この強国は、東西南北に存在する様々な小国を庇護下に置く事で、国々を越えた協力体制を築き上げ、安定と同時に人類の繁栄をもたらし、その存在を確固たる物としていく。
そして、庇護下に置く代わりに、数十年に一度、東西南北から魔法やそれに準ずる技術に長けた若い女性を一人ずつ選出し、中央の国ミラクリオールへと呼び寄せる様にとお触れを出したのであった。
その女性達はミラクリオールに仕えると共に、女神の加護の一部を受け取る事で国全体へと多大なる貢献をもたらした事から、何時しか国を救う聖女達と呼ばれる様になっていった。
彼女達は聖女として数年国に仕えた後は、時の権力者にも見初められる事もあり、またそうでなくても偉大な英雄の一人として後世にも語り継がれる程の存在として認識される様になる。この国に生きる女性達にとっては、聖女の称号は産まれや育ちを飛び越えて名声や地位を得る事の出来る、憧れとなるのだった。
東西南北の国々では、国ごとに聖女の得意な分野も変わっていく。それは長年続く歴史の中で変わる事は無く、形式化される事となった。
物語は中央の国ミラクリオールの庇護下にある、西の国から始まっていく。