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出撃!ロリコン勇者  作者: 後見 ナイ
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ショタコン天使

おはようじょ!第二章です。

 天使とは天の使いにして神の使い。神聖な存在として少なくとも俺のいた世界ではそう崇められていた。


「勝手に崇拝してされても困るのだよ。まぁ有象無象の人間どもにはわからないだろうが。」

いま、まさにその有象無象とやらを前に飯を奢ってもらっているロリ天使は口いっぱいに食べ物を頬ばりながら赤裸々に語る。


この天使と出会ったのはついさっきのことで、ラーニャと共に森へ散策しに行った帰りのことだった。


ごく普通に道端に見覚えのある天使が目を回して倒れていたのだ。


そう俺をロリコン呼ばわりした上に、この世界に送り込んだ忌まわしき天使だ。


道のど真ん中で倒れられているものだから流石に放っておくわけにもいかず、街までおぶって行く羽目になったのだが、街について目を覚ますやいなや、お腹が空いたと騒ぎ立てるものだから、仕方がなくギルドに行き現在に至るというわけだ。


天使は五枚目の皿を完食した後、満足げにげふーと一息ついた。


「人間界の料理はクソまずいわね!でもまあ、助かったわ、ありが…」天使は、顔を上げて俺の顔を見た。

しばらくの沈黙のあと、みるみる表情が青ざめてゆき。


「ぎゃあああああああああ!!!」とギルド中に響きわたろ声で発狂した。


「おい、落ち着けって、店の中だぜ。」俺は状況を理解しきれないまま、とりあえず天使の暴走を宥める。


「来ないで!!来ないで!!触るなっ!ロリコンっ!!!」天使は絶叫する。


状況が理解できた。どうやらこのダメ天使は飯欲しさに顔もろくに見ないで俺にひょこひょこついてきて、暴飲暴食した挙句、俺だと気がついて発狂し始めたということだ。


俺は天使を無理やり落ち着かせたあと周りの視線を気にしつつも天使に尋ねる。


「なんでお前がこの下界にいるんだよ?」


ラーニャは未終始状況が読めずポカーンとしている。


「わからないわよ!!いきなり雲に穴が空いて落ちちゃったのよ。」


おととい、雲に穴が開くような出来事なんてあったか…?

あ、おとといの第五階層ボス戦でスキルを使った時、雲に穴が開いたような…。


考えすぎか。どうせ足でも滑らせて落ちたのだろう。そうに違いない。


「正真正銘、堕ちた天使、堕天使だなww」


「はあ!?この私に対して堕天使って何よ!」


「喧嘩は良くないのです!」とラーニャが仲裁に入る。


すると「ええっ!何この可愛い生物!!」いきなり天使が、ラーニャを抱き上げはしゃぎだす。


「何、あんたこんなロリッ子連れ回してんの?」とまるで虫けらを見るような目で俺を睨んでくる。ラーニャの頬をすりすりとする。


「ところで、お前、これからどうするんだ?」


「どうするって、うーんあんたと居るのはごめんだけどこの子がいるならいいわ。」


え、なんかこの人ついてくる前提で話進めるんですけど…。


だが、俺に責任がないとは言い切れないので、天界に帰るまでの間は同行を許した。


ラーニャは旅の仲間が増えたことによろこんでくれていた。


店を出る前にトイレを済ませておこうと、トイレに向かうとリツがいた。

「よう、お前、あのダンジョンのボスを倒したんだってな。」


「え、あぁ、まあな。」この街に来てすぐのことだったので、ギルドには口外しないで欲しいと伝えたのだが、まあこの街1番の実力者であるリツが知っていてもおかしい話ではない。


「あれは、このリツ様が狩ろうと思ってたんだが、不思議と場所がわからなくてな。お前は俺のいいライバルになるかもな。」そう言いながらリツは歩き去っていく。


俺が再び歩きだすと、リツが、「あ、そうだ、一つ忠告しておく、この世界は不純物をよく思わない。特に神だの天使だのはな。」


「どう言うことだ?」そう言って俺は振り返ったが、もうそこにはリツの姿はなかった。


ボス戦で思い出したのだが、あのボス戦で解放されたスキルがある。それは、<スキル3>

ロリコン申告することで、奇跡を起こせる。


ぶっ壊れスキル来た…。前回の勝利はこのスキルのおかげだ。

だが、前回はラーニャが気絶してたからよかったものの俺がロリコンだと知ったら、ラーニャに嫌われてしまうかもしれない。それだけは避けなければ。






 席に戻ると、あの堕天使は結局15枚目を完食していたが心配には及ぶまい。この前のボス戦の報奨金が多額で、俺の財布にはゆとりがある。


俺が払うよ。と颯爽と会計に行き財布を開く。


……。中には一銭も入っていなかった。そうだ。装備の修繕費で俺の分の分け前は、なくなっていたのを思い出した。


俺は天使に見つからないようにラーニャを呼び、後で返すと約束し支払ってもらった。情けない…。


 ギルドから出ようとすると、天使は、何かを思い出したかのような顔をし俺に話しかけえてきた。


「ねえ、ギルドカウンターで、ステータスチェックができるの知ってる?」


「なんだ?それ」


「ステータスがみれるのよ。自分のステータスを把握してた方が、戦闘に役立つでしょっ!」


まあ、確かにそうだが…。俺は言われるがまま、カウンターへ向かわされる。…よりによっていたのはリリアだった。


「ちょっ…向こうのに…」と俺が言おうとすると天使が割って入り、


「ステータスを見てちょうだい!」といった。


リリアは水晶玉のようなものを取り出し手をかざすようにいった。


俺は言われるがまま、手をかざす。まあ、俺だって勇者だし、ボスを倒したばかりだし、それなりにはあるだろう。


手をかざすと文字が浮かび上がってくる…。

「え、999!?こんな高いステータスは見たことがありません!?」リリアが数字を見て驚愕する。


えっどれどれ、と俺が覗き込むと、ロリコン:999とあった。

…いや、待て待て何となくそんな気はしたよ!?ほんとに裏切らないね!!

しかも他の能力は平均以下だ。なんか学生の頃の模試の結果見てるみたいで嫌だ。


「おい天使お前はどうなんだよ。」ツボるリリアを遮るように天使に水晶をかざさせる。


「はあ?私は神聖なる天使よ?」と自信満々に手をかざす。


「すごい、どの能力も平均を大きく上回っています!!」とリリアは目を大きくした。天使は天使で自慢げにこちらを見てくる。


「特に高いのは、えーなになに」とリリアは珍しく興奮気味に水晶を覗き込む。俺も後ろから覗いた。


「えー、……ショタコン?」確かにそこにはショタコンとあった。


「きゃああ」といきなり天使は声を荒げ水晶玉を奪い取った。

そしてそれを地面に叩きつけた。


「あっ」俺が声を出すまもなく水晶は、粉々に割れた。


これが全ての始まりだった。

来週もよろしくお願いします。

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