ロリコンと少女
4話です!
呆然としている俺を置いておっちゃんは話を進める。
「お前さんよく知ってるなあ。それもそうかこれは勇者様がオーダーメイドで作ったと言われるラードセルというアンノウン地方三大武器のうちの一つだもんな!」
あまりの衝撃に言葉が出ない。
やはり饒舌糞生意気駄天使(笑)は饒舌糞生意気駄駄天使(笑)だ。
先代勇者もロリコンじゃねーか!!
そんな展開は流石に前代未聞だ。ていうかキャラかぶってんだよキャラが。ロリコンキャラは1人でお腹いっぱいだ。
おっちゃんのテンションは衰えることを知らず喋り続けているがまるで頭に入ってこない。
ランドセルくらいなら、その辺の樽に入った鉄剣の方が何万倍も良かったが、とても断れる雰囲気でなく結局購入してしまったのだった。
幸い、お金は出世払いでいいとのことだった。
ランドセルとはいえ最強武器。何らかの役にはたつだろう。…通学とか。
しかし全く持って使い道を思いつかない。
しかもいくらこの世界でランドセルたるものが存在しなくても、精神年齢30過ぎのおっさんが赤いランドセルを背負って街を歩くなんて想像しただけで、恥ずかしい。
しばらく自分と格闘したあと羞恥心を捨て去り、結局、ランドセルを背に店を後にした。
店を出るとさっき助けた少女がいた。
あぁ、ものすごーく気まずい。
しかし少女は目を輝かせ「さっきの反応、やはり只者じゃなかったんですね!」と言った。
やはり、ランドセル、いや、ラードセルを背負っている俺は別に不自然ではないようだ。
「ところでその可愛い物体はなんですか?」
「知らないのかこれは三代武器が一つラードセルだ。」と得意げに言う。
「三大武器…!あなたなら…」何か言おうとしていたが何かを思い出し出したかのように口をつぐんだ。
「そうだ、自己紹介がまだでしたね!私はラーニャ。トビッテの村から来た冒険者なのです!さっきのお礼をと思ったのですが、さっきの反応をみて取り乱してしまいました。」
ラーニャと名乗る少女は緑のローブを被っていて、弓を背負っている。大きめのブーツを履いた可愛らしい金髪の少女だった。
流石の俺でもお礼だからといってそんなエロ同人チックな要求はしない。しないぞ?
だけど、せっかくの機会なのでご飯を奢ってもらうことにした。
幼女に奢ってもらう30歳て…。だがまあ、背に腹は変えられない。
結局、近くにあった安めの店に行くことになった。
店に入り注文を済ますと少女はさっき話そうとしてたことを話し出した。
「実は、私の村には古くから受け継がれてきた三大武器の一つがあったんですが、私の村に訪れた詐欺師によって奪われてしまったのです。王都へは何か情報があるんじゃないかと思ってきたのです。」
話をするラーニャは悲しそうで、そんな彼女の顔を見ると助けたいと思った。恐らくこれは、スキルのせいじゃなく自分の意思だ。
「協力させてくれ」と俺が言うと、
「えぇ、そんな、一度助けていただいてるのに、申し訳ないです」
そう言ったラーニャの目はキラキラに輝いている。
「んで、その武器とやらは見つかったのか?」
「はい、一応見つけることが出来たのですが、売却されていた場所がかなり高価なものを扱う店で、とても手のつけられない値段だったのです…。」
お金の問題だけは、どうしようもないな…。どうしたものか。何か危ない仕事でない限りは。
その瞬間俺はふと違和感を覚えた。
「ん?そういえばさっき冒険者にからまれててたのは?」
「なんかあ、白い粉を運んでくれたらあ、お金あげるよ、て言わてたんだけどお、ラーニャよくわかんないのです☆」
可愛いのは見かけだけのようだ…。
でもまあ、裏仕事に手を出さざるおえない状況だというのは村にとって本当に大切な物だというのは嘘ではないようだ。
「俺で良ければ、資金集め手伝うぞ。」
「本当ですか!?三大武器を持つあなたが協力してくれるなら百人力なのです!」
ラーニャはうれしそうに笑みを浮かべる。
こんな状態の少女を放置するのはあまりよくないしな。それに、この世界に詳しい人がいた方が色々と都合がいい。
「ところで、私はあなたのことをなんて呼べばいいのです?」
とラーニャは言った。
この世界での俺の名前は…。
「俺の名前はゼロだ!」
何もかも0から始まったこの転生についてつけた名だ。
安直といえば安直かもしれないが、これでもネーミングセンスを最大まで出しきったつもりだ。
こうして、俺と少女ラーニャは仲間となったのだった。
最後まで読んでくれてありがとうございます!!
来週も読んでくれるととても嬉しいです!