ロリコン転生
第一話です!
目を開くと、一面真っ青な空が見えた。
おかしい、確か俺はさっきまで通勤していたはずだ。
体を起こしてみるが、頭がいたくてクラクラする。
まだ霞む目を擦って周囲を見渡すと、正面に黄金に輝く神殿の様なものがぼんやりとあるのがわかった。
よくよく見れば俺はどういうわけか、雲の上にいるようだった。
完全に目が見えるようになると、神殿らしき建物へ続く階段を登ってみると目の前に高価そうな椅子に座った女の天使が居た。
天使が存在するなんてとても信じられないが、天使としか言い表せない存在がそこにはあった。
彼女はロリ顔…。いや童顔で金髪。
そして、肩甲骨のあたりから美しい羽が生えており、太陽の光が反射してきらきらと輝いていて綺麗だった。
「よお、ロリコン」天使はいった。
見た目とはかけ離れた汚い言葉遣いだ。ジト目がいい、ツンデレキャラなのかもしれない。
それにしても周りを見渡しても、僕の周りには誰もいないし誰に話しかけているのかは謎である。
すると天使は明らかに不機嫌そうにこちらを指差した。振り向いて後方確認したが、やはり僕の後ろには誰もいない。
「お前だよ、お前!!そこの、、、岩名透!!」天使は何やら紙を見ながら僕の名前を呼んだ。
そうだ、おもいだした。僕の名前は岩名透。年齢は30後半、社畜な日々を送っているいい歳のおっさんである。
だんだんとここに来るまでの過去の記憶も蘇ってくる。そうだ、僕は今日の朝、出勤中に車にひかれそうになっていた幼女をかばってひかれたんだった。
…僕は死んだのか。焦りも一周回って冷静になった。
死んだものの未練は何一つない。幼女を庇って死ねたのならむしろ本望と言える。
自己犠牲なんてかっこいいじゃないか。僕の30年間は無駄では無かった。
天使は持っていた紙を僕に向かって投げつけた。
その紙は履歴書のようなもので名前、住所、年齢、性別はもちろん性癖や功績など生きていた頃の事が細かく記載されていた。
目を疑ったのは、何故か功績の欄にだけロリコンとだけ記入されていたことだった。
「性癖ならまだしも功績がロリコンっどういうことだ?」と天使に聞いてみる。ただの手抜きや向こうの不手際かもしれない。
だとしたらこの雲の上エンジェルカンパニーにおける重要スキャンダルだ。
天使はわざとらしい大きなため息をつきなががら「お前の脳内ロリコンって事だよ。」と半ギレである。
全く持って意味がわからない。功績も怒る意味も。
「そんな…、僕を勝手にロリコンとかいう犯罪者予備軍と一緒にするんじゃねえ!!」と僕は天使に向かって訴える。
「いや、私を見た第一印象がロリで、言い直して童顔にしてる時点でアウトな。」と淡々という。その目つきは人を見る目ではない。
流石天使…心の中のことまでお見通しのようだ。天使なのだからテレパシーが使えてもおかしくはないだろう。
いや、信じてくれ一般人から見たらロリコンな部類に入るかも知れないが平均だ平均。そう、平均的なロリコンである。
「はあ、私はこんなやつ地獄送りでいいと思うのに、、。慈悲深い創造主様に感謝するんだな。」僕は今自分がたたされている状況が全く持ってわからなかったが、その後自称天使の話を聞き、だんだん今自分が立たされている状況を理解してきた。
どうやら僕は異世界に勇者としてアンノウン地方とやらに勇者として転生されるらしい。そして、その勇者とやらには一つ絶大な力を秘めている特殊スキルたるものが付与されると言う。
「で、僕に与えられた特殊スキルって何だよ?」僕は子供のように目を輝かせながら天使にそう尋ねた。こういうラノべっぽい展開は大好きだ。
お前に与えられた特殊スキルそれは、、、」
天使はさっきとは一変、真面目な表情で、つい、僕はゴクリと唾を飲んでしまう。天使は口を開く
「ロリコンだ。」
暫く空気が凍りつく。
「、、、え?」と僕が情けない声を捻り出すと、天使は爆笑した。
「なにその顔ウケるwwwスキルロリコンってなんの役に立つんだよwwwよかったなお前にぴったりのスキルじゃないかwwじゃあもう伝えることは伝えたし、あと詰まってるし異世界送るねwじゃあーねぇww」
強引に話を断ち切られた。
「えっちょっまっ、、、でぅふ」
僕は必死に引き留めようとするがぱああと視界が真っ白になり意識が遠のくのであった。
来週も読んで頂けたら嬉しいです!