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小学生になりました02

第四代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギューが、カードゲームをしながら食べられる食事として、料理人に造らせたのが、サンドウィッチの語源なのだそうです。遊んでいたカードゲームは、コントラクト・ブリッジだったそうです。

盤上遊戯は、上流階級のたしなみで、カジノでプレイされていたゲームの一つでもありました。



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 初等科に入りました

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 修身の教科書を見ていると、江戸期の盤双六について書かれた話が、思い出された。


 盤双六は、飛鳥時代に日本に入ってきた、盤上遊戯であり、日本では江戸期に庶民の遊戯として伝わっていた、「バックギャモン」となった盤上遊戯である。戦前の日本では、山本五十六なんかが、遊んでいたと言われる盤上遊戯でもある。


 駒一つだとヒットすることができ、相手の駒を振り出しに戻せるが、駒二個以上だとヒットすることができない。例えば、二個づつ六列並べると、相手プレイヤはサイコロを振っても動くことができない。(バックギャモンでは、プライムと呼ばれる状態)


 江戸時代には、このプライムが「禁じ手」のような扱いとなっていたと、書かれている文献があって、ルールであるかマナーであるかという論争があった。おそらくは、「マナー」であり、上級者が下級者に実行するのは、好ましくないか正々堂々とした戦いではないとして嫌われたようである。


 日本人の場合、たかがゲームであっても、相手とハンデキャップがある場合、「将棋」では駒落ち、「囲碁」では置石、という形でハンデキャップマッチをすることが多い。日本人のフェアプレイとは、相手と自分の力量差にハンデを持たすことを前提としていて、欧米との平等の違いが認識できる。特にミルトン・フリードマンの「新自由主義」は、機会平等を推し進めることであり、「置石」や「駒落ち」という考え方を否定する。当たり前であるが、バックギャモンでプライムのような常態は、圧勝体制であり、組み上げた人間の能力であるという前提でゲームがプレイされている。


 欧米人の平等は、全員が同じルールで戦う競争は平等であり、日本人が平等という場合は、ハンデキャップマッチで対等と考えることを平等とする。「修身の教科書」の教科書が持つ精神というのは、徹底した自由主義の否定となっている。「修身の教科書」が持つ考え方を、極論で進めれば、競争は予備タイムを測定し、距離に差をつけて競争をすることが正しい競技ということになる。


 現実の競技者でも同じであり、勝負に勝つためにプレイすることと、勝負そのものをフェアに戦うことは異なるのである。柔道の試合に勝つことと、柔道として試合に挑むことは違うは、






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 問題は、現実である。

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 当たり前なのだが、現実としての世界は、自由主義なのである。人の良心があって、その上に平等があるのではなく、弱肉強食で勝者と敗者を明確化することが、世界の常識という形になります。


 日本は、人の良心があって、その上に平等であることが求められる、だからこそ「修身」の教科書に書かれる原理原則が成立する。


 しかしながら困った事に、日本人以外は、人の良心が前提となっていない。


 日本の学校もまた、人の良心が前提とされているが、現実の非情さを教えなければならない。


 「むべなるか、ダブリングキュウブの 無き事よ」


 こんな嘆きが川柳として、ミッドウェー後に記載されていたらしい、見る人が見なければ分からない、的確な戦況報告であった。ダブリングキュウブを打つような、危険な作戦へと変貌して、ブーゲンヒル上空に散った。


 遊戯盤倶楽部で、バックギャモンをプレイしながら、上級生にプライムを造って叩いていた。


「冷たいなぁ、玲華様は、手加減無しだよね」


「倉木先輩は、手加減して欲しいのですか」


「いや、そういうわけじゃ、、、ははは」


 相手をしてくれているのは、倉木亮真様、大蔵省事務次官倉木兵衛様の子息です。学年差から「ロマノヴァ」では見かけなかったですが、かなり良い人で、習い事でブリッジセンターに居たあたしを、そのまま勧誘した酔狂な先輩でもありました。兄様とペアで、プレイをしていたので、面白がってみていたのだそうです。


 プライムからセミプライムに変化して、先輩がスタートしても手遅れとなり、試合はあたしの勝ちとなりました。


「ん。相変わらず強いね、他の子が勝てないのもわかるよ」


「でも、あたしは、弱いですわ」


 ブリッジセンターで、悪いとは思いつつ、時々、兄とバックギャモンをするのだけど、兄にはよっぽどサイコロに恵まれないと勝てない。


「あぁ、上之宮先輩は、強いよ。良く欧米の大使が、彼に負けて悔しがっていたもの」


「まぁ、そうなんですの」


 貴兄様は、あたしの自慢で、いっつも優しくて、甘えさせてくれるのだけど、試合はとってもシビアなのです。


 嬉しそうなあたしをみながら、倉木先輩は、


「さて、5が出なければ、ボクの負けで良いかい」


「先輩が良ければ」


 結局、あたしが11ポイントマッチで、先行して逃げ切った。


チェス、ブリッジ、囲碁、ドラフツの四競技が、盤上遊戯としては、国際大会が組織されています。


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