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Love Song探して⑤

 夕飯ができるまでの間、広海は懐かしのレトロゲームを段ボールに詰めていた。ツインファミコン、そして思い出詰まったソフト達が出てきた。一応、起動は確認済みだ。

 『パルテナの鏡』。ツインファミコン本体と一緒に買ってもらったソフトの1本。確か1面すらクリアできなかったはず。少し大きくなって古本屋で買った攻略本を見ながらクリアしたディスクシステムのソフトだった。『ロックマン2』。これは翔のソフト。これも難しいアクションゲームだった記憶があるが、それより何より、広海の大好きな曲がボスステージにあった。『ドラゴンクエストⅢ』。こちらは初めて広海が自力でクリアしたRPG.そしてそのBGMに鳥肌の立ったソフト。他にも例のドラクエⅡ等、沢山のソフトを箱詰めした。




 ドラゴンクエストⅡ。広海がゲーム音楽にのめり込むきっかけを作ったソフト。彼の学生時代、少なくともCDの販売総数においては最盛期を迎えるJ-POP。御多聞に漏れず広海も好きな歌手、好きなバンドに出会い、シングル、アルバムを何十枚と購入した。もしかしたら3桁に到達しているかもしれない。また、小学校に上がると母親の勧めでピアノを習い始め、好きな作曲家に出会う。これも広海にとっては大きな出来事であり、社会人になってからも趣味でピアノは定期的に触れていた。毎日数時間練習して、という風にはいかないが、それでもレパートリーの中からさらっと一曲、という感じで気分転換にピアノを使っていた。

 さて、好きなバンドで話の合う友達はいたが、好きな作曲家で話の通じる友達はほとんどいなかった。好きなゲームで話の盛り上がる友達はいたが、好きなゲーム音楽で話の弾む友達は一人か二人だった。それでもゲーム音楽から離れなかった。周りの評価などまるで気にならなかった。


 当時の広海はゲーム音楽の、ドラゴンクエストのサウンドトラックCDが販売されているということを知らなかった。ゲーム音楽、復活の呪文のBGMを訊くにはゲームを始めるしかないと思っていた。また小学校低学年でピアノを習い始めるが、本屋やCDショップに楽譜が売っていることに気付くのは随分と先である。そもそもゲーム音楽の楽譜の存在を知らなかった。ベートーヴェンやバッハ、モーツァルト、あと叔父の影響でビートルズは知っていたがすぎやま こういちや植松 伸夫に辿り着くのはまだ先である。やがてお小遣いを貯めてCDを買ったり、レンタルショップに通いカセットテープやMDに録音しまくる日々がやってくる。

              【Love Song探して ~ ドラゴンクエストⅡ 悪霊の神々 終】

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