私のマスター 一章その1
気がつくと見知らぬ路上に寝そべっていた。
ここはどこだろう、そう思って立ち上がると目の前に男が二人いる。
「兄ちゃん悪いが有り金全部置いてきな。」
「悪いな、兄ちゃん。」
異世界に飛ばされていきなり絡まれるとは最悪の始まりだ。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。ここはどこです。」
「運がなかったことを恨みな兄ちゃん。」
そう言って男達は襲いかかってきた。その時、
「ちょっと待ったあ。」
どこかから声がした。
この聞き覚えのある声は、そう思い声のした方向を探すと男達の後ろにミクがいた。
「マスター、こんな所で何寝てるんですかあ。」
ミクだ、間違いなくミクだった。
「た、助けて。」
僕は情けない声を出す。
「女の子に助けを求めて恥ずかしくないんですか。」
「そっちがこんな所に飛ばすからだろう。」
僕としても言い分があった。
「あたしじゃありませんよ、神様です。」
「なあにごちゃごちゃしゃべってるんだ。」
あ、絡まれてた事を忘れていた。男たちは顔に青筋を立てている。
「み、ミクさんこんな場合どうしたらいいの、ちょっと待ったあとかかっこいい事言ってたよね。」
僕はミクの袖をつかんで言う。
「ま、マスター放してくださいよ逃げれないじゃないですか。」
「に、逃げるんじゃないよ、絶対逃がさないからな。」
そう言って僕はミクの袖を強くつかんだ。
「さっきからイチャイチャしやがっててめえらもう許さねえ。」
絡んできた男たちが思い切り持っていたナイフで切りかかってきた。
なんか女神様僕に期待するとか言ってたのに、結局何にもならなかったじゃん、と結月修一は女神様に心の中で悪態をつく。
「サンダーボルト!!」
という声と凄まじい音が聞こえた、振り返ると男たちが黒焦げになっている。
「な、何したの。」
僕は恐る恐るミクに聞く。
「何って魔法。」
当たり前のようにミクは言った。
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