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私のマスター  作者: シューイチ
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私のマスター 序章その1

「ねえ、お兄ちゃん。」

「ん、どうしたー?」

「私の方が長生きしてあげるからね。」

「はあ!? お前頭でも打ったのか!?」


そう言ってたじゃないか、長生きするって。

僕の毎日は灰色だ。


周りの人の視線が怖い。

いつからこうだろう。夜にばかり出掛けるようになったのは。

家から歩いて10分のコンビニに行くだけなのにすごく緊張する。今、時間は12時丁度くらい。

このくらいの時間になればさすがに外を歩いている人もほとんどいない。

それでも周りの目が、空気さえも自分を見張っている気がする。

結月修一は急いでカップ麺とスナック菓子を買いにレジに持っていく。

「いらっしゃいませ。」

深夜のこの時間にいるのはいつもこの店員だ。

人と会話も出来るだけしたくないので相手の目を極力見ない様に千円札を出し、早く会計を済ませる。

「ありがとうございました。」

茶髪の髪を伸ばしたロッカーみたいな兄ちゃんが小声で言う。

これで後は帰るだけだ。

ほっとして、急ぎ足で家に帰る。

家は12階立てのマンションの6階だ。


家に帰るとさっさと自分の部屋に入りPCを立ちあげる。

最近よくみる動画を見る。

ニヨニヨ動画で、ヴァーチャロイドのキャラクターの動画を見るのに最近ハマっていた。

ヴァーチャロイドは桜々ミク等のキャラクターが歌っている。

ゲームの実況をしていたりもする。


この二次元のキャラクター達を修一は愛していた。

彼女達がいてくれるおかげでなんとか生きていける。

しばらくいつもの様にカップ麺を食べながら、愛しいそのキャラクター達を見ていると変にうつらうつらしてきた。

おかしい、さっき起きたばかりなのに。

そう思い、一瞬意識が飛んだ気がした。


「おーい、おーい。」

遠くから声が聞こえる。

「おーいってば、起きて。」

その声で目が覚めた。目を開けると、目の前にさっきのヴァーチャロイドのキャラクターがいる。

目の前に手をやる、あるはずの画面がない。

いやいや、修一は夢を見ているのかと思った。

「あ、あれ、君は桜々ミク?」

「うん、そうだよ。マスターいつまでも目覚めないからさあ。」

何だ、どういう事だ。

いや、目の前にいるのはいつも画面の中で見ていた、ヴァーチャロイドのキャラクター桜々ミクに違いないのだが。


「うん、どうしたの。」

ミクは僕の目の前で手を左右に振る。

思わず僕はその手を握っていた。

「う、うわ何するの。女の子の手をいきなり握るなんて非常識だよマスター。」

やっぱり触れた。彼女に触れる事が出来た。

そう、彼女はいつも画面の中で見ていた桜々ミクは実在している。

その事実に驚くよりも僕は嬉しかった。まさかあの画面の中のアイドルに会えるなんて。それにやっぱり実物はかわいい。

「何だよマスター。あんまりジロジロ見るなよな。」

そうやって照れる姿は正に僕が思い描いていた通りのアイドルだった。

そうだ、相手は二次元の女の子なんだ。三次元は確かに上手く喋れないけど二次元の女の子になら話せる気がする。

勇気をもて俺。自分に言い聞かす。

「あ、あの、こ、これはい、一体どういう事なんだろう。」

あー、めちゃくちゃどもってしまった。恥ずかしい。

「なにマスター緊張しすぎ。いつも僕の事見てたくせに。」

そう言われると恥ずかしい。確かに画面の中の彼女を恋人の様に、唯一僕のことを分かってくれる存在の様に考えていたのに実際に会うとこのざまだ。

「あのね、マスターは多分選ばれたんだよこの世界に。」

「選ばれた?この世界?」

何が何だか分からないまま、結月修一は現実世界からどこかへ飛ばされたらしい。

初めて小説を書きました。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


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