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0000  作者: emusho
1/8

調査対象 一三一

(何だお前は?)

見渡す限り継ぎ目のない白い空間が広がっている。

ここが現実か夢かよく分らない、立っているのか?浮いているのか?

ひょっとして死んでる?

現実感と物体のない場所で、俺はコートにハットを被った

イタリアンマフィアみたいな出で立ちの中年に見える男性に問いかけた。

(私はアクマです。 貴方に大事なお知らせです。)

(何の話だ?)

(貴方はこの夢から醒めたら超能力に目覚めます。)

(は?)

(それを駆使して生き延びてください。)

(え?)

(友達は助けましょう、さようなら。)

(ちょっと??)

アクマに手を伸ばして引きとめようとしたが・・・


-----------------------------------↑夢↑---------------------------

-----------------------------------↓現実↓-------------------------


目が覚めた。

04:00

デジタル時計に表示されている時刻だ。

一三はその数字を見て心底がっかりした。

(変な夢を見たせいで早く起きちまったな・・・今日は入学式か・・・)

そう思いつつもうつ伏せで寝ながら

近くに置いてあるノートパソコンを立ち上げる。

メールが1件届いていた。 SNSの情報更新催促がきたようだ。

情報更新しないとそのSNSは利用できないので、適当に入力する。


氏名 一三カズミ ハジメ


メールアドレス *********


パスワード *********


性別 男性


生年月日 2000年3月11日


都道府県 東京都


住所 江東区猿江2-1


メールを送信後、少しの時間ネットサーフィンし

一三のとあるデータを確認してから

布団からようやく起き上がる。

04:30

一三の部屋から出て茶の間を通り、台所に行く。

台所に立ち、シンクの横にある冷蔵庫の上に置いてある

チョコトッピングのコーンフレークを皿に出し

冷蔵庫にある牛乳をその中にぶち込んだ。

その後、卵を取り出して、スクランブルエッグを作り

そのまま台所で食べる。朝食は毎日違うものを

選択し、台所で食べるのが一三のスタイルだ。

04:35

食事を済まして、シャワーを浴びる。

一三はボディーソープ、シャンプーなどの洗剤は使わない。

05:00

初めて着る制服に手こずる。一三は中学校に行ったことが無い。

ついでに一三は3年前以降の記憶が無いひきこもりだった。

05:20

身支度を済ませて、TVを視聴する。一三はニュースキャスターの

話に合わせてカウンターを取り出し何かを数え始めた。

06:00

ノートパソコンにある、さっき数えていた数とあるデータに追記する。

とあるデータとは、今まで食べたパンの枚数や、人と話してい(えー)と

言った回数外出した時のマンホールの数など

とても意味があるとは思えない、様々なデータを統計している。

マニアックでルナティックな趣味を記憶がある時から今までずっと続けている。

データには名前があり、一三は"真理"と名付けている。 

06:20

万高等学校に向かう・・・と同時にデータ蒐集だ。

06:50

万高等学校に着いた。途中で女子高生にエンカウントすると

思っていたが0だった。

そもそも、人とすれ違っていない。

颯爽と少し迷いながら教室に辿り着き、調査と工作を始める。

08:00

先生が教壇に立ち、教室の全ての席に生徒が座っている

一三もそこに含まれる。

一三の気分は最悪だった、ヒッキーが集団の中にいるからではない。

視覚する先生、生徒、物体の上に文字、数字が浮かび上がり

噴水のように湧いて出てくるのである。

目を閉じれば、見なくて済むので楽になるが

寝ているように誤解されたくないので

そのまま気持ち悪さと戦うことにした。

11:30

下校の時間だ。 一三は家に帰る途中考えていた、最低な状況だと。

理由は先程の何かを見るたびに浮かび上がる数字、その正体がわかったのだ。

数字はデータ蒐集でリサーチした結果だ。

つまり、見ただけでそれに纏わる情報が数字で分かるようになった。

データ蒐集は調査という過程と結果がワンセットの趣味で

調査の過程が必要が無くなったことは

一三にとって、この超能力は絶望だった。 

12:00

家に帰り、昼食だ。今日はボルシチを作り、ダイニングで食べる。 

昼食と夕飯は作る料理以外は普通に食べる。

13:00

一三は"真理"の編集をしていた。

初の学校生活の情報量に戸惑いながら考えていた。

第一に担任の先生だ。 

名前はよくある苗字と名前だが偽名だろう。 他の人と比較して

その名前で呼ばれている回数が圧倒的に少ない。

あだ名も結婚回数も0だから、これは確実だ。

あと、殺人の経歴がある。能力の性質上一人、二人の場合は

事故の可能性が考えられるが2ケタいってるのは明らかに異常だ。

第二に同級生だ。

能力で教室を見渡してみて、一三を含めて12人の超能力保持者を確認できた。

この事について一三は計画を立てた。

なるべく偽名担任には関わらないようにする事と超能力保持者一人一人を

一カ月かけて調べ上げる事だ。

18:30

バランス栄養食を摂取しながら"真理"の編集中。始めて5時間経過している。

23:00

一三は"真理"の編集がようやく終わり、ベットに横になる。

これからの学校生活を考えると、とても不安で眠れなかった。

落ち着かないので、天井の模様の丸の数を数えた。 

既に724106個あることが分かっていても。


調査対象 二見神二に続く。





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