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異世界村長:目標は生き残ること。神は信じない  作者: 薄味メロン
― ダンジョンのある町 ―
59/73

<58>

 ダンジョン内の敵を全滅させた翌日、僕達は再びダンジョンに足を向けた。


 今日の目的は、魔物の増え具合を確認するためだ。


 ダンジョンといえば、地下深くまで永遠と続く物であると思い込んでいた僕にとって、昨日の調査結果は、かなりの予想外だった。


 魔物が居た部屋は3つしかなく、その数も18匹だけ。

 まさか、2時間もせずに全滅させて、地上に帰還できるダンジョンがあるなんて、夢にも思っていなかった。


 それに、村を襲った奇襲部隊(ゴブリン)が100体ほども居たのに、敵本陣(ダンジョン)の数がそれ以下なんて、思えと言う方が無理だ。

 もし話しが出来るのであれば、敵の指揮官(ダンジョンコア)に対して、1時間ほど説教してやりたい。


 

 ソフィアに聞いたところ、ダンジョンは魔物が生まれるところであるとの考えは、この世界においても間違っては居ないらしい。ただ、じっくり観察するなんてありえないので、どれくらいの頻度で新しい敵が沸いてくるのかはわからないとのことだ。


 倒したそばからドンドン生み出されるようなら問題は無いが、週に1匹とかだと、村作りのあり方から変えないといけない。

 ってな訳で、調査することにした。



 不安を抱えながら、ダンジョン入口に足を踏み入れると、そこで明らかな違和感を覚えた。

 昨日、すべり降りるように下った土の斜面に、階段が出来上がっていたのだ。


 作り自体は、土の斜面に切れ込みを入れ、踏み固めたような物なので、1時間もあれば作れそうな物なのだが、問題は誰が作ったのかである。


 この場所にダンジョンがあることは、家販売の際に特殊な洞穴があると話をしているため、村人全員が知るところではあるが、村長の僕に黙って階段を作る者など居ないだろう。


「ジュリ、結界は作動してるか?」

「うん、現在も絶賛発動中だよ」


 ジュリの結界によって魔物は来れない。

 人間、魔物以外だとすれば、ダンジョン自体が作った可能性か。


「ソフィア、ダンジョンって階段を作ったりするか?」

「……ダンジョンがかい?

 いや、申し訳ないがわからないよ」


 一応聞いてはみたが、案の定わからないらしい。


 とりあえず、この場で可能性を列挙していっても仕方がないと、ダンジョン内部に向けて歩みを進めたのだが、すぐに足を止めることになった。


「……おにいちゃん、ここって真っ直ぐ行けなかったよね?」

 

 一番初めにあるアパートほどの小さな部屋に変化は無かったのだが、その先の通路が二股に別れており、真っ直ぐ進めるようになっていた。


「ソフィア、ダンジョン駆除に数日かかったなんてことあったか?」

「発見されてからの日数ならダンジョンで異なるようだが、駆除隊が到着してから2日以上かかったなんて話は聞いたことがないよ」 


 ソフィアも同じ可能性に行き着いたようで、僕の質問に的確に返答してくれた。

 

 どうやら、ダンジョンは人間が足を踏み入れてからの日数、もしくは、足を踏み入れた日数によって成長するようだ。


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