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女性陣が2回目の買い物を終えて帰宅した。
どうやら仲良く買い物をして、お風呂に入ってきたらしい。
みんな顔が赤くほてり、どこと無く色っぽい。まぁ、ジュリだけは童顔なので、かわいいといった感じであるが。
買い物はソフィアの下着を中心に、ジュリとソフィアの服を数着買ってきたらしい。
2人とも膝丈まである白のワンピースで、胸元は首までしっかりとボタンで留まり、腰には黒い紐がベルトのように通されたものだった。
村でのジュリは基本ズボンであり、スカートなど見る機会がなかった。そのため疑問に思い、話しを聞いてみると、どうやら家政婦としての一般的な衣装らしい。日本でいうところのメイド服を買ってきたようだ。
かわいいし、似合ってはいるのだが、どことなく惜しい気がしたが、彼女達には伝えない。
可愛いよ。似合ってるよ。綺麗だね。の三拍子でその場を乗り切った。
いや、だって、もうちょっと可愛いほうがーなんて言えないでしょ……。
ちなみに、ハウン姉は僕所有の奴隷じゃないからと遠慮して買わなかったらしい。
買い物を通じて仲良くなったのか、3人とも普通に話せているし、送り出して正解だったようだ。
「それじゃぁ、ソフィア。能力を見せてもらえるかな?
失敗しても奴隷商のところに送り返したりなんてしないから、安心してやるといい。とりあえずは、家政婦技術を見せてもらえるか?」
「家政婦だね。了解したよ」
「それじゃ、ハウン姉をお客様と見立てて席に誘導してから、お茶出し、退出までをやってみてくれ」
最初の失敗を取り戻すかのように気合を入れてお辞儀をした彼女は、洗礼された技術を見せてくれた。
彼女の美しさも相まって、行動全体に自身があるように見受けられる。
ハウン姉に意見を求めてみたが、どこも問題は無いそうだ。
「それじゃ、あとは魔法系についてだな。ついでに店での行動についても説明してくれるか?」
「無論説明させてもらうよ。けど、その前にご主人さまの感想を聞かせてくらないかな?」
「感想?」
「そう、ある程度、僕の行動について憶測できてるんじゃないのかな?」
奴隷から主に質問を質問で返す。他者の奴隷ではありえないだろう。しかし、これは僕が彼女に望んだことだ。
普段通りの自分を貫く。
初めはどうなることかと思ったが、どうやら彼女の中で安定してきたようだ。
彼女の質問には、すべての情報を詰め込んで返してやった。
まず、僕や奴隷商の気を引くために裸になり、接近することで自分の体と僕の間に奴隷商から見えない空間を作った。そして、奴隷商にばれないように回復魔法を使った。
奴隷商に見えないようにしたのは、値段を上げさせないためだろう。
この世界で魔法が使える者は希少価値が高く、購入前に気付かれていたら値段を上げられ、購入できなかった可能性が高い。
購入後、積極的に行為を求めてきたのは、クーリングオフ期間である5日の間に僕の気が変わらないようにするための行動だ。
期間中に行為に及んだ場合、買取価格が著しく下がることを彼女が知っていてもおかしくは無い。むしろ、売り上げのために奴隷商が積極的に推奨している可能性がある。
以上の考えを彼女へ伝え、ついでとばかりに鑑定スキルを持っていることを明かした。
「なるほどね。ボクの行動は筒抜けだったわけだ。なんだか、恥かしいな。……けど、1つだけ間違い。ここに来てからの行動は自分の意思だね。
たしかに奴隷商から返却期間の話しは聞いているけど、キミへの好意なしに自分の初めては捧げられないよ」
「……そうか、それは申し訳ない。……けど、どうしてそこまで僕のことを?
会ってまだ1日目だぞ?」
「あぁ、それは過去技術のおかげだね。この技術でその人が過去に何をしてきたのかがわかるからさ。
キミ以外にも、買いに来る客の過去を見てたんだけどね。まともな人は少なかったよ。
特に金持ちには酷い人が多くてね。中には奴隷をムチで叩いたりして殺しちゃったり、何百人も購入して1人になるまで戦わせるやつまで居てさ。
そんな中でキミだけが、良さそうな過去を持っていたからね。
それに若くて顔もカッコよかったから、思わず行動しちゃったというわけだ」
自分に危害を加える可能性が高い、しかし、スキルが公になれば余計に金持ちが群がるため知られるわけには行かない。
そこで暴れることで商談を破壊し、代償にオモリを着けられたというわけか。
暴れた彼女に商人達が良い顔をするはずがない。商品であるため、よっぽどの事はされなかったと思うが、監禁や絶食などは十分考えられる。
そんな中、僕のような過去に問題を起してない人が買いに来たというわけか。
それなら、アピールがあのように過激だったことも理解できなくは無いな。
驚きはしたが、……ふわふわだったし、役得か。




