表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/73

<38>

ユニークアクセスが10,000人を達成しました。

誠にありがとうございます。


 ソフィアを購入したおかげで資金が無くなり、どこにも立ち寄ることなく宿に帰宅した。

 ジュリ達はまだ買い物中らしく、部屋に2人っきりである。

 ここへ来る道中、彼女から話しかけられることはなく、無言だった。どうやら緊張しているようだ。


 そんな彼女に初めての命令を下すことにする。


「敬語が必要そうな場面以外、基本的に普段通りの雰囲気で話してくれ、さっきのようにな」

「……了解したよ。敬語が嫌だなんて、ボクのご主人様はかなりの変わり者のようだね」

「まぁ、自覚はある。そんな僕を支えてくれよ?」

「無論だよ。それがボクの仕事だからね。……それじゃぁ、なにから始めればいいかな? 希望を聞いてもらえるならでいいんだけど、先に体を洗わせて欲しいんだよね」


 風呂か……。ここの宿に風呂はないし、後でジュリ達と行ってもらう方がなにかと便利か。


「いや、申し訳ないが、体を洗うのは後だ。先に君のことを教えてほしい」

「……了解したよ。そっか、汚れたままがいいなんて、キミはなかなか特殊な趣味のようだ。こう見えて乙女なんだけどな。ご主人様の趣味ならしかたないね」


 ゆっくりとめくれあがった服から白い太股、くびれた腰と、下から順番に出現し、大きな果実が半分現れたところで、慌てて彼女を止める。


「ちょ、ちょっとまて!」

「ひゅっ。……」


 予想外の彼女の行動に、思わず大きな声が出た。


 僕の制止に答えるかの様に、服を胸元までたくし上げた状態で、彼女の動きが止まる。

 その表情は恐怖に染まっていた。


 これ誰かに見られてたら、僕が無理やり脱がせてるように見えるだろうな……。


 なるべく彼女の方を見ないように心がけ、できる限りやさしい声で命令を下す。


「とりあえず、服を元に戻してくれるか?」

「……畏まりました」


 服を調えた彼女は、間髪いれずに正座の態勢になり、頭を床に着けて、綺麗な土下座をした。


「……誠に申し訳ありませんでした。粗相をしたのでしたら改善させて頂きますのでなにとぞ、寛大な処置をお願い致します」

「あ、いや、大丈夫だから。頭を上げて。ちょっとした伝達ミスだから、ソフィアに非は無いよ」 


 部屋についてからの自分の行動を思い返せば、ソフィアがそうなっても仕方なかったって感じだな。

 奴隷の立場で、主人と2人っきり。さらに、君のことを教えて欲しい、だもんな。


「僕はソフィアの回復魔法と気転が利く頭脳を高く評価したんだ。性奴隷を買いにいった訳じゃないからね」

「そうとは知らず、大変見苦しいものをお見せしてしまい、誠に申し訳ありませんでした」

「あーもー。だから、ちょっと落ち着けって。ソフィアのことを店に返したりなんてしないから、もう少し、気を抜け。な。お願いだから」

「はい、申し訳ありません」


 再び床に伏せた彼女の声が震えだした。どうやらパニックに陥って泣いてしまったようだ。

 どうやって落ち着かせようかと考えていると、背後の扉が開いた。


「ただいまー。お兄ちゃん先に帰ってきてたんだね。ごめんね、私達のほうが時間かかっちゃって。……ってどうしたの?」


 救いの天使が現れた。 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ