表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/73

<37>

 ソフィアの足に付けられたオモリが外され、彼女は自由に動けるようになった。

 枷の外れた彼女が何をするかわからないが、剣も弓もGランクである彼女が何か出来るとは思えない。何か仕掛けてきたとしても十分な対処が取れるだろう。



 そう思っていた時期が自分にもありました。




 枷の外れた彼女は、その場で屈伸やジャンプなどを繰り替えしていたかと思うと、



 突如、



 服を脱ぎだした。



 完全に予想外の攻撃で、なんの対処も出来なかった。 気付いたころには、彼女は全裸である。


 呆気にとられていると、彼女はその場でゆっくりと回ってみせ。軽くジャンプをした。ジュリよりは少し小さいだろうが、それでも十分な破壊力のある胸が上下に揺れる。

 ぷるんぷるんだ。


 そして、気が付いたときには遅かった。


 立派な胸に気を取られている間に、彼女の右手がボクの肩に触れる。

 接触部分から、緑色の光が放ったれた。


 魔法をかけられた。

 そのことに思い至った瞬間彼女を突き飛ばす。

 ソフィアは、尻餅をつくように、後ろに倒れた。


 ……何をされた? 体に異常は?


 自分の迂闊さに落胆しながらも思考をめぐらせる。光に当たった肩に痛みなど無い。むしろ、からだ全体が軽くなったように感じる。


 鑑定スキルの結果が正しければ、彼女が使える魔法は、生活、空間、回復。

 生活に緑の光を放つものなどない。

 

 残るは空間と回復。

 体が軽くなったことを考えると回復か?


 そこまで考え、近づこうとしていた商人を手で制止する


「あぁ、悪い、大丈夫だ。少々過剰反応だったようだ。気にしないでくれ」


 突き飛ばされた形で倒れこむソフィアに手を差し伸べる


「突き飛ばしてたりして悪かったな」

「いや、ボクのほうこそ悪かったよ。ご主人様はおっぱいが好きそうだったから、感触を確かめて貰おうかと思ってね」


 どうやら、魔法については触れないようだ。

 

「最近ちょっと、栄養価が足りなくて、少々ハリがなくなってきてるが、それでもこの胸は悪くないと思わないかい?」


 そういって、自分の胸を両手で持ち上げ、ムニムニと強調する。そして、ゆっくりと近づき僕の腕に胸を押し付けるように抱きついてきた。

 

「自分で言うのもなんだが、ボクは中々の優良物件だよ? それにご主人様がお望みなら、夜のお仕事もしっかりするしね。ボクをキミのものにしてくれないかな?」


 ふわふわの感触が腕を覆う。そして、肩に向けて緑色の光が放たれ、徐々に全身から疲れが抜けていく。

 どうやら攻撃する気は微塵も無いようだ。それどころか、出来る限りのアピールを試みているらしい。

 なんとなくではあるが、彼女の意図が見えてきた。


「そうだな。楽しみにしておこう」


 もう十分だとソフィアを退出させ、商談に入る。


 ほぼ、購入することを決めたが、確認すべきことはまだあった。


「あの子は確か二級奴隷だったよな? 罪状は?」

「はい、何でも国立図書館に無断で侵入したとかで、こっちに流れてきた商品です」


 ふーん、図書館にねぇ。まぁ、そのくらいなら大丈夫だろう。


「身体的な問題などあるか?」

「はい。目が多少不自由な点意外は問題ありません」

「目が不自由というと?」

「はい。なんでも物がぼやけて見えるとか。しかしながら、一般生活に支障はないようです」


 戦闘は出来ないか。……初めからメイドの予定だ。問題ないだろう。


「他に何か注意点はあるか?」

「すべての奴隷に共通することではありますが、購入から5日は傷や健康状態に問題が無ければ、お買い上げの8割で買い取らせて頂いております。しかし、彼女は処女ですので、5日以内であっても、性行為を行われた後ですと3割での買い取りになりますので、ご注意願います」


 クーリングオフのような物か。

 購入したものを気に入らないからって返すのもどうかと思うが、人間同士、ちょっと生活してみないとわからないこともあるしな。なんにせよ、客としては安心か。


「わかった。彼女を購入しよう」

「畏まりました。お買い上げありがとうございます」


 異世界生活15年。僕はお金を対価に奴隷を手に入れてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ