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<33>

 幸せにするよと誓った直後に押し倒された。……ずっと彼女が上だった。


 さらに翌朝、ジュリを抱きしめるようにまどろんでいると、とりあえず服着てね、私は掃除するから、と言って部屋に突入してきたハウン姉と3人で後片付けをした。


 ……か、神のせいだ。そうだ、間違いない。僕はこんなに情けないやつじゃないはずだ。


 閑話休題


「それじゃ、書類作業に入るわよ。クラッド君もジュリちゃんにも、今日はとことん文字を書いてもらうわね」  


 片付けられた部屋の中央に3人用の机を運び入れ、ハウン姉が宣言する。


 ジュリは奴隷関係、僕は村長関連をハウン姉の指導のもと、書き上げる作業に追われた。

 本当は、ハウン姉が文章を書き、僕らは名前だけでも良いと言われたのだが、何事も経験だと、全部自分で書かせて貰うことにした。


 書類の枚数に疲弊しながらもすべての書類にハウン姉の合格を貰い、午後1番で住民ギルド本部に向かう。

 

 この国には商人ギルドや冒険者ギルドなど様々なギルドがあり、国民の生活を支えている。

 住民ギルドは日本で言うところの役所のような場所だ。王都にはその本部が設置されており、町長や村長はここで登録する。

 

 ギルド内部は体育館ほどの広さがあり、部署ごとに区分けされていた。入り口には御丁寧に地図まで設置されている。ほんとに役所のようだ。


 住民課や税務課などの混雑を尻目に、閑古鳥が鳴く貴族課で書類を提出。

 1時間ほどであっさりと村長として認可され、青い宝石の付いた短剣を貰った。


 この短剣は切れ味などまるで無いが貴族を証明するもので、ランクにより宝石の色が変わるのだとか。


 就任した後でわかったことだが、この国での村長の立場は、一応貴族扱いになるらしい。


 ハウン姉曰く、貴族は上から、王、宰相、伯爵、子爵、男爵、騎士、都長、町長、村長となる。


 王は先代王からの指名で、騎士までは王からの褒美として土地と共に与えられる。それ以降の都長、村長はそれぞれが持つ土地に住まう人数に対し与えられるものだった。


 貴族の仲間入りした後は、そのまま貴族課でジュリの奴隷登録を済ませ住民ギルドを後にする。

 奴隷登録は本来なら住民課らしいのだが、貴族が証明者である場合は貴族課でいいらしい。平民と一緒な窓口など貴族様に使わせるな! ということなのだろう。なんとも貴族に優しい町づくりである。


 あっけなく終わった登録に安堵の息を吐き、休憩も兼ねて近くにあった喫茶店に入る。


 今後の活動について3人で話しをした結果、


「それじゃ、服は任せといてね。お兄ちゃんは良い奴隷(ひと)よろしくね」


 なぜかそういうことになった。


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