魔界
ルシファーを継ぐ者が現れた、という情報の真偽の確認のためルーは魔界に降りてきていた。魔界とは冥界と人間界の間にある主に魔物が住み着く地である。
「やはり、あまりここに長居したくありませんね。最新の目撃例がこことはいえ。」
辺りを探索していると数人の悪魔が現れた。
「…なるほど。目撃例とういのは罠だった、ということですか。」
「まあそういうことだ。ルズリエル=ロゼアマネル。俺たちと来てもらおう。」
「嫌だと言ったら…どうします?」
ルーが魔力を溜めながら答える。
「まあ…力ずくになるよな!」
悪魔たちが一斉に襲いかかる。ルーは手足の一部を龍のそれに変え、機動力、攻撃力を上げる。
「おらぁ!!」
悪魔の1人が爆炎呪術を飛ばす。
「はっ!」
ルーが龍の腕で爆炎を弾く。多少のダメージはあったものの大したものではなかった。他の悪魔も次々に様々な呪術を放ってくる。
「ラチがあきませんね…。…『マイノリティフィールド』!!」
ルーを中心に半径20〜30m程の空間を展開した。ルーの動きが更に速くなり、飛んでくる魔法を躱し数人の悪魔を殴り吹き飛ばした。
「なんだこれは!?」
「空間魔法SSランク、『マイノリティフィールド』。数が少なくなればなるほど強化されていく魔法です。今あなたたちは少なめに見積もっても10人近くいますね。それに対し私は神獣、そもそも絶対数が非常に希少です。ここまで言えばわかるでしょう?」
「…反則じゃねえか。」
「こんなのどうやって勝てばいいのよ…!」
「まあ、これだけのものを開発してもイクス様には勝てないのですが。では、まとめて動けなくなってもらいます。」
ルーが拘束魔法をかけようとしたその時、ルーの身体に衝撃が走った。
「…!…なに…が…?」
「少し暴れ過ぎたな、神獣。」
後ろを振り向くと半分程ドラゴンと化した男が立っていた。
「サタン様!ありがとうございます!!」
「助かりました‼︎」
「手こずり過ぎだ。まだ動けるやつはそいつを運べ。行くぞ。」
薄れゆく意識の中、ルーは最後まで
「申し訳ありません、イクス様…」
と言っていた。
1人で世界の狭間を駆けながらイクスは考えていた。
「ルーの管理していた世界が襲われた…。ということは考えにくいがルーが負けたということか。ルーよりも強い者の存在。すでにルーが不在の世界が狙われたこと。かなりマズイな。」
イクスは更に速度を上げた。
「おい、起きろ!」
水をかけられルーが目覚める。辺りを見回すと何処かの牢のようだった。手足が鎖で繋がれ、さらに特殊な術がかけられているようで元の姿に戻れず魔力も出せない。
「マズいですね…。」
ルーがいかにして脱出するか考えていると、リーダー格と思える悪魔がやって来た。
「目が覚めたか、神獣。」
「誰ですか?」
「俺はレヴィアタン、この冥界第一層を支配しているものだ。」
「私を捕らえてどうするつもりです?」
「うちのボスがお前のところの神に大層ご執心でな。そちらの世界に攻め込む為に情報がほしいのよ。」
「喋るとでも?」
「だろうな。だからありきたりではあるが身体に聞く。しかし、お前は戦士だ。苦痛による拷問は効き目がなさそうだ。よって、それ以外の苦しみを受けてもらう。」
「……。」
「まあ、せいぜいいい声で鳴いてくれよ?」
レヴィアタンが醜く口を歪めた。




