最終決戦 〜イレギュラー〜
ルシファーは前にイクスと戦った狭間の空間のような場所にいた。
「ここは…。イクス、お前がやったのか?」
「そうだ。だが、ここは狭間の空間じゃないぞ。禁忌魔法の一つ、『ジェネシス』。これは空間を創り出す魔法だ。」
「ばかな!そんなもの、俺たち悪魔ですら知らなかったのに!人間界にいたお前がなぜ!!?」
「本来、この魔法を使えるのは神のみ。だから、人間はおろか、悪魔たちの記憶、記録からも消えていった魔法なんだろう。だが、俺に魔法の知識を与えたのはイシスだ。それこそ、あいつが知ってる限り恐らく全部な。」
「くそっ、俺は完全に閉じ込められたというわけか。」
「いや、俺が死ねばこの魔法は解けるぞ?その後、どこの世界にも飛ぶかは知らんが…。これだけ、最適な舞台を用意したんだ。もう、逃がさんぞルシファー。…決着をつけよう。」
と、イクスが月読、天照を構える。ルシファーも剣を構えた、刹那。
たった2人の世界、真っ白な世界に剣と剣がぶつかった爆音が響いた。
その頃、アリシスでは…
「あー、…どうする?俺たち。」
「そもそもイクスさんはどこに行ったんだろうね?」
トウヤとリッカが悩んでいると、
「それは私が答えようかしらね。」
イシスが3人の前に現れた。
「久しぶりね、イシス。前はイクスを治してくれてありがと。」
「…え?イシス…?どういうことだ?」
トウヤは呆然とイシスを眺めていた。
「トウヤ、この人がこの世界の神様なのよ。今は理解し難いかもしれないけど、そういうものだということにしておいて。」
「…続けていいかな?…はぁ、あなた達の前に現れる度に同じ事を言ってる気がするよ。」
「…申し訳ないです…。」
「まぁ、いいわ。で、そっちの2人がイクスの力をもった娘と、この世界のイレギュラーね。」
「イレギュラー!?」
「言い方が悪かったわね、ごめんなさい。でもあなたが持っているのは、本来持って生まれてくるはずのない魔力なのよ。おそらくはリオンがそう願ったのでしょう。」
「イシス、話が逸れてる。」
イシスの中で話題がすり替わってることに気付いたオウカは話を戻させた。
「元の話というと…えーっと…、そう!イクスがどこに行ったのかよね!?」
「神様ってこんなに大雑把な人だったんですね…。」
リオンが虚ろな目でイシスを眺めていた。しかし、イシスはそんな事気にしない。
「イクスは今禁忌魔法の一つ『ジェネシス』で創った自分の世界で一騎打ちをしてるのよ。」
「ジェネシス?」
「聞いたことない?トウヤ。ジェネシスとは空間を創る魔法、ただし、この世界で発動すれば、新たな空間が今私達がいる空間を押しつぶしてしまうわ。」
「じゃあ、どうして…?」
「あっ!」
「オウカは気付いたようね。イクスは単にジェネシスを発動させたわけじゃないの。イクスはジェネシスの発動をこの世界の外で行い、そこにルシファーを巻き込んで転移したのよ。」
「イシス。イクスに会いに行ける?」
「トウヤなら、行けるんじゃないかしら?転移魔法っていうのは同じ世界の中でしか使えないの。世界をまたぐ転移はまた別の魔法だし、それはイクスにすら教えてないからね。」
「つまり、ジェネシスによって創られた世界とこの世界は繋がっている…?」
「ご名答。でも、あなたたちがジェネシスの中に行くのはやめなさい。」
「どうして!?」
「イクスはあなた達を守るために外へとんだのよ?そのイクスの優しさを無下にする気?それに、あなた達ではイクスとルシファーの間に立つことすら出来ない。わかった?」
確かに、あのイクスが本気で倒しにかかっても互角の相手とイクスの間に入るのは無茶だと悟り、3人は大人しくなった。
「でも、イクスの様子くらいは見せてあげる。」
そういって、イシスは手を前にかざした。すると3人の前に魔法、剣、銃全てを駆使して戦うイクスとルシファーの姿があった。




