同盟
投稿が遅くなってすみませんでした。活動報告でも書きましたが、これからしばらく投稿が月一くらいになると思います。本格的に受験勉強をしなければいけない時期なので…。本当に申し訳ありません。
「議長閣下、ラグランジュ…西軍より連絡が…」
「やはり来たか…、一応聞こう。内容は?」
「我ら…東軍との同盟要請ですよ、議長。」
議事堂に一人の軍人が入って来た。
「参謀殿、やはりあの声が原因なのだろうか。」
「そうでしょうな。それで、どうなさるのですか議長?」
議長は深くため息をついてから、ゆっくりと答えた。
「そりゃあ、決まっとるわい。イ…覇王が完全復活した今、儂等はどんな手を使ってもパンドラを滅ぼさねばなるまい。」
ー西軍、東軍の同盟。
その情報はかなり早い段階でイクスたちにも入ってきた。
「イクス、街に買い物にいったとき聞いたんだけど、東軍と西軍が…」
「あぁ、俺も聞いた。やっぱり、手を結ぶか。」
「それで、どうするの?イクスさん。」
「そうだな…ある意味では、当初の目的は達成してるんだが、俺たちが標的になってしまったしなぁ。」
全員がイクスの言葉に耳をすます。
「まぁ、しばらくは敵対してていいんじゃないかな?どんぱちやり出したら止めに入るって事で。」
するとリオンが呆れ顏で
「歴史って結構誇張されるものなんですね…。あの数々の伝説をもった覇王がこんな適当な人なんて…。」
というと、イクスは赤面し、他の2人は笑い出した。他の3人は自分たちも結構ノリが軽い事に気付いていなかった。
ーパンドラの宣戦布告からおよそ1ヶ月後、東軍、西軍はパンドラ討伐を目的とした連合軍を作るため、話し合いの場を設けた。
「ーしたがって、あなた方東軍より提供していただいた文献を読み解くと古代魔法には空間、時間系に加え、複合魔法というものの存在が確認されました。複合魔法とはその名の通り、2種以上の属性の魔法を混ぜて発動する魔法です。私見ですが、我々の側に時間、空間系の古代魔法を扱える者がいない以上、この複合魔法が唯一の対抗策と考えられます。」
「ご苦労じゃった、西軍の諸君。しかしの、儂等はもう一つ、対抗策を見出しておる。」
「ほう、それはいかなる手段なのでしょうか、議長殿?」
「己の命と引き換えに放つ術…すなわち『呪術』じゃ。」
「っ!」
ゼラークがその言葉に反応し、眉を潜めた。
「ふむ、そちらのパンドラの隊長は察しがいいのう。そう、貴様が無意識の内に使っているものがそれじゃ。」
「それは、覇王に対抗し得る程の力なのですか?」
「事実、覇王はこの呪術によってかなりの所まで追い込まれたことがあってのう。ただ、人間が使うにはあまりに代償が大きいのじゃ。」
「では、なぜ彼は…?」
「それはの、そやつはただの人間ではない。正確には人と悪魔のハーフなのじゃよ。」
「「「っ!!」」」
議長の告白に会場が騒然となる。そんな中、当の本人達だけが落ち着いていた。
「…なぜわかった?」
「呪術を使用するのに代償が必要なのはあくまで人間が使用する時じゃ。しかし、貴様は命を削ったような様子はなかった。つまり、お前はなんの対価もなしに呪術を扱えるのだ。そんな存在は悪魔をおいて他におらんわい。」
「…パンドラがこちらの切り札になることはほぼ間違いなさそうですな。」
「…さらに未確認情報だが、覇王に違い力を持つものがあちらにもう一人いる…という情報があるのだが?」
「……あぁ、それってこいつのこと?」
「あぁ、そい…」
「「「「「っ!?」」」」」
イクスとトウヤは突然転移してきた。会議の最中に。会場の真っ只中に。
「動くな!」
1人の将校が銃を構えた。しかし、
「そんなもの効かないってのに…」
トウヤがボソッと皮肉を言う。
「…!」
バンッ!
将校は引き金を引いた。銃から弾が発射されるものの、それがイクスに届くことはなかった。
「無駄だ、そんなもの…俺には届かない。」
一気に張り詰めた空気になる中、議長が口を開いた。
「ひさ…お主が覇王か。」
イクスは初対面の筈の議長を見てどこか違和感を覚えた。
「……まぁ、そう嫌な空気を出さないでくれ。ここでは…というか、そちらが手を出さない限りこちらも手は出さない。今日の用件は別なんだ。」
「ならば、何をしにきたのじゃ?」
「俺はただ、伝えにきたんだ。あんたら近い内にエウテルペへ攻めてくるんだろ?だから、元の所に戻しとくよって。あと、サービスだ。俺たちの戦力も教えといてやる。俺らの側の戦力は4人だ。まぁ、その辺のことも考慮して慎重に作戦でも練るんだな。」
そう言うと、イクスたちはまた消えてしまった。




