リオンの選択
リオンが目を覚ますと城の中にいた。
「ここは…、本部じゃない…?」
記憶を探ってみる。確か、私は新パンドラに連れて行かれそうになって…
「…目が覚めたのね。」
「…!…オウカさん…。」
周りを見回してみるものの、リオンにとっては全く知らない場所だった。
「なんで…、私を連れて来たんですか?」
「それは、イクスに聞いて。私には分からないわ。」
オウカに言われるがまま、リオンは城内を探し始めた。どうやら、人はイクスとオウカしかいないらしい。そのまま、城の奥に行くとネームレスの王宮の王の間に似た部屋があった。中を覗いてみると、そこには王座に座るイクスがいた。
「…ん、リオンか。そこから覗いてないで出て来いよ。聞きたいことがあるんだろ?」
「…なんで、私を連れて来たんですか?」
「訳を話す前にこちらも俺も質問させてもらおう。君は今までに強く願うとその願いが叶った経験はないか?」
リオンには思い当たる節があった。最近で言えば、目の前にいるイクスを目覚めさせた事だった。
「…どうしてわかるんです?」
「…最初は全く気付かなかったよ。そもそも、俺は疑問に思ってたんだ。何故未完成のまま俺が目覚めたのか。その事はイシスですら知らなかった、となると考えられるのはルシファーの仕業だ。そこに至った時、俺は一つの仮説を立てた。奴は1000年前、俺が放った『オールスパーク』の魔力を持っている。未完成のまま俺を目覚めさせる為に、その魔力をリオンに放り込む。そのまま、リオンが俺に近づけば…元々は俺の魔力だ、共鳴したんだろうな。」
「……?…ちょっと待ってください。それだと私の能力の説明と何故私が狙われたのかわかりません。」
「俺の仮説が正しいものとして話を進めるぞ?魔力というのは本来万能だ。火にもなり、水にもなり光にも闇にもなり、時には世の理すら捻じ曲げてしまう。俺の魔力もリオンの中にある内に君の最も望んだ形に変わったんじゃないだろうか?ルシファーもそれを知って、俺を目覚めさせるという、役割を果たしたリオンを用済みと判断して能力を人類に教えたのだろう。」
「そんな…」
「さて、これからの話だが…リオンには2つ選択肢がある。一つは、このままパンドラに戻り西軍、東軍に追われる日々を過ごす。もう一つはーーーーー。」
「っ!そんな事…」
「まだ数日は時間がある。その間に決めておいてくれ。」
リオンは頷くと王の間を出た。
「…オウカ、リオンはどっちを選ぶと思う?」
「あぁ、バレてたのね。私は前者を選ぶと思うな。後者はあくまで可能性の話なんだし。」
「それはどうかな?」
「…どういう事?」
「まあ、その時を待っててくれ。」
数日後、
「思ったより早かったなもう少し、かかると考えてたんだが。それで、答えは?」
「…私は、可能性に賭けてみたい。ここに残ります。」
「そうか、それなら俺も全力を尽くそう。」
それから、さらに数日後、
「…イクス、来たわよ。」
「ああ、そうみたいだな。ちょっと出迎えに行ってくる。後から2人でゆっくり来てくれ。」
その頃、トウヤとパンドラのメンバーはエウテルペ近海まで迫っていた。
「よし、上陸するぞ。」
「……」
「…トウヤ…、…リオンは…私達が…連れ戻すから…。」
「そうですわよ。だから、少しは怒りを収めなさい。」
「…イクス……、許さねえ…。」
一行がエウテルペの城の前まで来た時、目の前にイクスが転移した。
「遅かったな…、トウヤ。」
「イクス!!!」
トウヤはイクスをみた途端、銃を抜き発砲した。




