神の使い
ラグランジュの首都アセト、そこにある西軍本部では上層部による会議が行われていた。
「『覇王の遺産』見つかったのか?」
「この前ネームレス地区を捜索中のダリル隊がそれらしきものを発見したそうなのですが…」
「「「「っ!」」」」
「…邪魔が入り、確保は叶わなかったそうです。」
「しっかりしてくれたまえ。覇王の遺産は3種類あるんだ。一つ目からこんなザマでは困るよ。」
「停戦協定を結んだとはいえ、今東軍とは水面下で遺産の争奪が行われている。」
「その遺産はネームレス地区にあると言われているんだ。本格的な捜索はあそこを共同で制圧してからとはいえ、先に情報だけでも確保しておきたい。確保は駄目でも把握くらいはしていて欲しいものだな。」
「はっ、肝に命じておきます。」
「結局、覇王の遺産ってなんなんだろうな?」
「俺にはわかりませんよ。俺も、御先祖様が遺し続けてくれた書物による情報しかないんですから。」
「トウヤ、別に敬語なんて使わなくていいよ。なんかしんどそうじゃないか。」
「…でも…。」
「別にいいのよ、トウヤ君。1000年前ではこのくらいの子と遊んでにっこにこしてたんだから。」
それは、アミのことなのか?…てか、見られてたのか。…恥ずかしい……。
「ま、まあ、そういうわけだから別に普通に話してくれればいいぞ。」
「うん、わかった。」
「で、遺産ってなんだろうな?」
「イクスさんは心当たりはないんですか?」
「いやぁ、ねえわ。多分、何も遺してない筈…なんだが。」
「これは当時の知り合いのうちに誰かに会う必要がありそうね…。」
と、みんなで考え事をしている内に彼らの国?に到着した。
「さて、ここが俺達の国、『ネームレス』だ!」
ふぅん、って、ここってアポロニアの首都まんまじゃね?
「ここは、ネームレス第0地区『ボックス』です。名前も番号もパンドラ発症の地ということでついたらしいです。」
ここまで持ち上げられると逆に心苦しいんだが…。
「そして、ここがネームレス軍の本部だ。」
「じゃあ、行きましょうか。」
そう言われて、イクスとオウカが案内されたのはアポロニアの王宮だった。
「懐かしいね、イクス。そういえば前にここで大暴れしてたよね。」
「言うなよ…。ちょっとやりすぎたなって思ってるんだから。」
「それって、旧アポロニア王宮に一人で乗り込んだってやつ?」
「うん…、まぁ…。」
「それって、劇にもなってるんですよ?歴史の授業でも習ったし。」
「……もう、いや…。」
「フフッ、イクス顔真っ赤!」
王宮の広間に行くと、そこではネームレス軍の主力『旧パンドラ部隊』がいた。
「おかえり、トウヤ、リオン。」
「あれ、その人たちは?」
「……パンドラの制服…。」
「そいつは…フハッ。トウヤ、そいつをどこで見つけた?」
「ゼラード隊長、この人はは西軍に追われてたどり着いた洞窟で見つけたんだ。」
「おっと、自己紹介が遅れたな。俺はゼラード。現パンドラ部隊の隊長だ。」
「そいつはどーも。俺の名はイクスだ。こっちがオウカ。他に質問は?あと、他の奴らも自己紹介頼む。」
「僕はパンドラ部隊『ナイト』のエアだよ。君達とは長い付き合いになりそうだ。よろしくね。」
「…私は『ビショップ』…オズ…。…何故…あなたはパンドラの制服を来ているの…?」
「私は『クイーン』、ジュリアよ。私からの質問は…その名前、聞き覚えがあるのだけど…私達をからかってるの?」
ーおうおう、なんかクイーンの人が中々の魔力をぶつけてくるんだが…。と言ってもまあ、リッカくらいだが。
すると、オウカがこっそり耳打ちしてきた。
「ねぇ、イクス。どうするの?私達歓迎されてないみたいだけど…」
「さぁな…どうすっかな…。」
と、この場をどう切り抜けるか考えていると不意に後ろから声がした。
「その人は敵じゃないですよ?」
「あらあら、神の使いである『ルーク』様が言うんだから確証はあるんでしょうね。」
といって、魔力だか殺気だか見分けがつかないものを収めてくれた。
ーふぅん。今のパンドラは役職を決めてるのか、チェスにたとえて。
とりあえず、収めてくれた人に礼を言おうとイクスが振り返ると、そこには見知った顔があった。
「…エミル?」
「お久しぶりです、イクスさん。」
今回更新が大分遅れてすみません。僕も学生ですし、これからテストの時期なので、また更新が遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。




