1000年後の世界
「…う……?」
「…!目が覚めたのね。良かった…、イクス!」
「…ああ、目覚めたのか。」
トウヤとリオンが目を覚ますと、2人は見ず知らずの場所にいた。
「えっ…と…、…あの…」
リオンが口ごもる。すると、イクスはリオンの意図を察したようで…
「何から聞きたい?」
と答えた。
「ここはどこですか?あなた方は誰ですか?」
「ここは、さっきのとこからあまり離れていない森の中だ。俺はイクス、こっちが香…オウカだ。」
「…お二人は西軍の人と戦ってたみたいですけど、東軍の人なんですか?」
「いや、俺たちは…」
「俺…知ってる…、…この人たちを…。」
「トウヤ…どういうこと…?」
「俺の御先祖様の遺した書物に『イクス』と『オウカ』という名前があったんだ。」
「……」
「ただし、千年前のことらしい。…あんた達は一体何者なんだ?」
と言うと、トウヤは少しイクスから距離をとった。
「はぁ…、答えてもいいが、その前に一つこちらの質問にも答えてもらおう。」
「…ああ、いいよ。」
「…君の名は?」
「俺の名はトウヤ=アポロだ。」
「…なるほどな。わかった、答えてやるよ。」
「え?わかったってどういう事なの、イクス?」
「1000年前で俺達の知り合いでアポロ…いや、アポロニアといわれると俺には一人しか心当たりがない。」
「…ああ、そういうことね。」
2人の頭にはパンドラを創設させたあの王様らしくない国王の顔が浮かんだ。
「で、その中の『イクス』という名にはある呼称があった。それが、『覇王』。あんたは…本物なのか?」
「…ああ、本物だ。少し信じ難い話かもしれないが、さっきまで俺たちは1000年間封印されていたんだ。」
「…信じていいんですか?」
「…そうだな…。じゃあ、これでどうだ?」
と言って来ていた(いつ誰が着せたんだ?)パンドラの制服を見せた。
「あとは…その書物を遺したトウヤ君…だっけ?の御先祖様の名はヴェルデシュタイン=アポロ…じゃないか?」
「……そこまで当てられたら信じるしかないな。…あんたを本物の覇王と信じた上でお願いがあるんだ。」
「その呼ばれ方はむず痒いけど…何かな?」
「俺たちを…いや、俺達の仲間を救って欲しい。」
「……えっと…?」
「トウヤ。まず現状を説明しないと…。」
「そうだな。」
と言ってトウヤは地図を広げた。
「今、この世界は大きく分けて二つの陣営が大部分を占めてるんだ。東側は主に共和国が集まって形を成してる『ハウゼン連邦』。西側が王国や帝国が集まってる連合国『ラグランジュ』。それぞれが保有してる軍を西軍、東軍と呼ぶんだけど…西軍の方はすでにイクスさんは戦ったよな。…で最後に俺達の立ち位置なんだけど、俺たちは今、西軍と東軍の領土の間、『ネームレス』と呼ばれる地にいるんだ。そこでは、この体制が出来上がる時に反発した国やいく宛のない人たちが集まってくるんだけど、最近西軍と東軍が一時休戦して、ネームレスを討とうとしてるんだ。狙いはさっき連中が口走った『覇王の遺産』だと思う。…お願いだ、イクスさん!俺たちを助けてくれ!」
と言うとトウヤは頭を下げた…って、ちょっと!?
下げに下げた結果、土下座スタイルになってしまった。
「そこまでしなくていいよ。…大丈夫、手伝ってあげるから。」
「本当?ありがとう、イクスさん!!」
「手伝うの、イクス?」
「うん?ああ、俺には何かを遺した記憶がないんだが、俺の消えた魔力と無関係ではなさそうだ。」
「そっか、今は魔力がないんだったけ?」
「うん。だがら協力してやれるけど、力になれるかわからないぞ?」
「それでも心強いよ。じゃあ、僕たちの国へ案内するよ。」




