封印されし過去の英雄
人々には魔界、地獄あるいは冥界と呼ばれる世界。その最深部にあの男がいた。
「ここ数年、イクスの魔力が強くなり始めた。あの女を殺せばイクスもあるいは…ってのは甘かったか。まあいい、楔は打ち込んだ。気長に待つとしよう。ハーハッハッハ!!」
「っ!マズイですね。リッカ、イシス様を呼んで来てください!」
「…どうしたの、ルー?」
「あっ、イシス様。さっきルーが見つけたんですけど、イクスさんの封印碑が…」
「あれ?なくなってるじゃない。」
「…最後まで言わせてください。人間界に落ちたんです。」
「あとちょっとだってのに…もう!エミル、サラ、セラに回収させて。確かあの3人、今は人間界でしょ?」
「カノンが補給に向かってるので伝えておきます。」
「ん…、任せたわ。」
「ーということらしいわ。」
「じゃあ、カノン。私達はイクスさん捜索に当たればいいのね。」
「まあ、そういうことね。」
「そっか、もうすぐなんですね。」
「今の私達を見たらどう言うかな?」.
「それは、会ってからのお楽しみで♪」
1000年たってもカノン達は相変わらずだった。
ここはとある山奥。そこに一組の少年と少女がいた。
「ねぇ、トウヤ。早く皆の所に戻ろうよ。はぐれちゃうよ…。」
「心配すんなよリオン。ちょっと食糧集めがてら探検してるだけじゃん?」
「そうだけどさ…」
2人は話し込んでる間にずいぶん奥まで来てしまったようだ。周りに人の気配がない。
「ねぇ、ここどこ…?」
「やっべぇ、どっちから来たっけ?」
「…私達帰れないの?…グスッ…。」
「ああぁあ!泣くなよ…もうしばらく歩けばこの山くらいなら抜け出せるはずだ。」
「…うん…、もう少し…グスッ…頑張る。」
更に2人は歩き続けるが、一行に人の気配がしない。不意に2人の視界に人影が映った。
「…っ!人か!?やったぞリオン!人がいる。」
「…本当?私達、助かるの?」
「…あぁ!ほんとう……リオン、やっぱりここから離れよう。あれは西軍の連中だ。軍に捕まるなら、ここで死んだ方がマシだ。」
「…え?ちょっと待ってよぅ…。」
2人がその場を離れようとした時だった。
「誰だ!?」
「っ!やべぇ、見つかった!逃げるぞ、リオン!!」
「…うん!」
「あ、待て!…アルファチームより本部へ、不審者二名発見。これよりブラボー、チャーリーチームと合流し、口封じに当たる。」
《了解した。本作戦は最重要機密だ。くれぐれも慎重に。》
「イエス、サー。」
2人が逃げるのを西軍の連中が追いかけて来た。2人は自分達が子供だという点を活かし、あえて狭い道を駆け抜ける。しかし、それでも大人と子供では、スタミナに差があった。
「くそっ、このままじゃ…追いつかれる…!どうすれば…っ!リオン、あそこに入ろう!!」
トウヤは強引にリオンの手を引いていく。2人の向かった先には洞窟があった。
洞窟内は暗かったが奥から微かに光が漏れているのがわかった。穴でも空いてるのかな?
「…何これ…?」
洞窟の奥で2人が見たのは、一組の男女が封じられた、水晶体のようなものだった。
「人…本物なのか?本物だったとしたら、何でこんな風に…?」
トウヤ達が考えを巡らせていると、入り口の方から声が聞こえた。
「この中にいるはずだ!くまなく探せ!絶対に見つけるぞ!!」
「…ヤバい、もうここまで来たのか。リオン、お前はここにいろ。」
「…トウヤは……?」
「…せめて、連中を追い返すくらいはするさ。」
「っ!ダメだよ!トウヤ!!」
トウヤはリオンが止めるのも聞かず、入り口の方へ駆けていった。
前の話で切らないでいただいた方、ありがとうございます。今回からは1000年後の話を書いて行こうと思います。少し、更新が遅くなるかもしれませんがよろしくお願いします。




