決戦 〜始まりの場所で〜
「ー死ね。」
イクスのオールスパークが奴に向けて放たれた。
「あれが…全属性複合魔法…。」
「本当に…あんなことできるのこの世界じゃあイクスくらいよ…。」
誰もがこれで決まると確信していた。しかし、
「…中々だ。でも…甘い!!」
奴から発した黒い霧がオールスパークを包みこんでいく。そして奴の体に吸収されてしまった。
「…暗すぎる闇は光すら飲み込む…。残念だったな!!忘れてねぇか!?俺が呪術をつかえることを!」
奴の魔力が上がったことからすると、さっきのオールスパークは奴に吸収されたのだろう。
「まだだ!!」
イクスが再び斬りかかろうとする。だが、オールスパークはもう一つ影響を与えていたものがあった。
ヒュゥゥウ
「…!…あれは!!」
「空が…割れている…?」
「…まずいわね。あそこだけ次元が歪んでる…。」
「どういうことですか!?」
「簡単に言うとどこか別の世界に飛ばされるということよ。ルー、早く逃げなさい。」
と言ってイシスはルーを半ば強制的に転移させた。イクスと奴は一番近くにいたので、さすがの2人にも逃れることはできなかった。
「…ぐっ!…くそっ。」
「まあ、これはこれで面白えか。」
そのまま、2人は空間の裂け目に吸い込まれていった。
イクスは真っ暗な空間にいた。重力などはないようだった。
ー奴は死んだのか…?まあ、いい。俺は頑張ったよな…?…皆…、香奈…いや、オウカ…。
「ーイクス様、しっかりしてください。」
ーなぜ、ルーの声が聞こえる?走馬灯か…?
「「「暖かいご飯作って待ってますよ。」」」
ーエミル…、サラ…、セラ…。
「イクスが死んだら面白くないじゃない。」
ーそうだな、カノン…。
「信じてます。イクスさん…。」
ーありがとう、リッカ。
「……イクス、大好きだよ…。」
ーそうだ、俺はまだ…諦めるわけにはいかないんだ…!!
意識が…感覚が…段々鮮明になっていく。そして、目覚めると真っ白な空間にいた。
「あなたもここに来れたのね。良かった…。」
「ここは…ああ、そうか。」
「そう、私とイクスが始めて会った場所。神界と人間界の狭間の空間よ。」
「帰ってきたのか…。」
と、少ししみじみとしていると…
「悠長に話してんじゃねぇ!イクス!この俺をこんな所まで飛ばした落とし前をつけてもらうぜ!!」
「………。」
イクスは無言で対峙する。
「そういや、お前に名前を名乗ってなかったな。俺の名はルシファーだ。」
それって、あの堕天使の名じゃ…。
「さあ、行くぜ…。」
「来い…。」
お互いに武器を構える。次の瞬間、2人は目で追うのも辛くなる速さで戦っていた。
イクスが月読で突きをいれる。ルシファーはそれを剣ではじく。その勢いを利用し、カウンター気味にイクスに斬りかかる。そんな一進一退の攻防が少し続いたあと…。
「そんな刀じゃ俺は倒せないぜ!!」
「……そうだな。確かに、このままじゃお前を倒せない。なら、これならどうだ。」
そう言ったイクスの天照が宙に浮き、数を増やしていく…
「創生魔法『ジャッジメント』。一つならダメでも100万あればどうだ?」
空を覆うほどの夥しい数の刀が宙に浮いていた。
「……っ!!」
ルシファーの顔にも段々焦りが現れ始めた。
「…終わりだ。」
イクスが手をかざす。すると、100万の刀が一斉にルシファーに襲いかかった。
ドス
ブシャッ
ザクっ
ルシファーは防いでいたが、何本かはヒットし始めた。
「…ぐっ!…カハッ…、この屈辱…絶対に忘れんぞ!イクス!!」
そう言い残してルシファーは消えてしまった。
「…逃したか。今はそれよりも…」
イシスが首を傾げる。
「…何をする気なの?」




