閑話 魔族vs人類
結局、イクスは攻めて来た魔族の半数を殲滅してしまった。
「あ〜あぁ、やっちまった…。バレる前に帰るか…。」
2人は再び転移した。
「まったくもう、相変わらず無茶苦茶ね。でもこれなら数の上では互角、あとは皆の頑張り次第ね。」
「そうだな。魔法だけ防いであとは皆に任せるか。」
「どこ行ってたんだい?あ、そうそう。今回の戦いはギルドの任務として報酬を出そうと思うんだ。と言っても元手が少ないからより戦果を挙げた2人までだけどね。」
「俺たちはもう口を出さない。これからはフラウが仕切るんだ。」
「えっ?どういう…」
「さっ、俺たちも準備するか。」
「おい、まてよ…」
「ごめんねフラウ。イクスは言い出したら聞かないの。」
「……」
それから一週間後、
「よしっ!今日は絶対に負けられないんだ!やってやろうぜ、皆!!」
オオオオオオォォォ
また、歓声が挙がる。人数が増えてる気がするのは気のせいだろう。
「ま、俺の仕事は魔法の妨害だな。このやる気ならあいつらは割と問題ないだろうが、一応オウカはあいつらのサポートにまわってくれ。」
「わかったわ。」
「そろそろくるぞ。…『ジャミング』!」
光、闇属性の複合魔法で本人以外の指定範囲内のすべての魔力を乱す。これで、魔族の魔法は防いだ筈だ。あとは、オウカの手加減と周りの頑張り次第だな…。
だいぶ暇そうなイクスだった。
その頃、フラウは…
「絶対に一人で戦うな。必ず2人以上で当たれ!死ぬなよ!!」
「ナメルナ!!ニンゲンドモガ!!」
中々いい判断を下していた。全体としては互角、いや少し人類が押している、と言った具合だった。
「よし、このままいけば…」
フラウも、オウカも、イクスですらそう思った時、
バチッ!
「っ!!俺のジャミングが…消された!?」
「ウォォォ!!コレデ、マホウガツカエルゾ!!」
「ちぃ!どこだ、魔法阻害して来たやつは?」
「イクス!あれよ!!」
あー、なるほど。なんか雰囲気違う奴がいるわ。俺の魔法を消せるなんて魔王クラスかよ。
「マオウサマ、アリガトウゴザイマス。コレデ、オモイッキリタタカエマス!」
本当に魔王かよ…。
「お前達、これ以上我の手を煩わせるな…。」
「ハ…ハィ!カナラズヤ、アノレンチュウヲタオシテミセマス!」
そう言うと、魔族たちは一斉に魔法を放って来た。
「「まずい!!」」
俺とオウカが叫んだのはほぼ同時だった。やばいぞ、あいつらは魔法に対してなんの知識も対処法もない。
「っ!『シャットアウトウィンド』!!」
風属性Aランク魔法、物理系なら魔法だろうが通常攻撃だろうが本人の魔力が続く限り防ぎ続ける。
「あのジャミングはお前か…。」
「…そうだ。」
「ふん、お前は中々やりそうだ…。お前ら!こいつは俺がやる、他のを頼んだぞ!」
「オウカ、こいつは俺がやるから他の連中を片づけておいてくれ。」
「…わかったわ。気をつけてね。」
「大丈夫。俺は負けない。」
それを聞くと、オウカは魔族の軍勢に向かって走り出していった。
「…戦う前に一ついいか?お前は一体何者なんだ?我の魔法を防ぐなど人間の力じゃあ、ないぞ?」
「戦ってみれば、わかるさ。」
「それもそうだな…、行くぞ!!」
2人の周囲に、誰も近づけなくなった。
「ほんっとにもう、数だけは多いわね!皆下がってて!魔法を使われたらひとたまりもないでしょ?」
「コイツ…ツヨイゾ。キヲツケロ。」
「気をつけても…無駄よ!」
オウカは魔族相手に一騎当千の勢いで戦っていた。あいつ、魔法あんまり使えないのに、やるな…。
今回の閑話は少し長くなってしまいました。あと一話で終わらせる予定ですのでよろしければお付き合いください。




