閑話 ギルド創設
過去の世界に戻ってから2日目、とりあえず集落っぽい…というか、単なる住居の集まりに着いた。しかし、問題が一つあった。そういや、ギルドはともかく国ってどうやって作るんだ?
「その疑問には私が答えよう。」
「何これ?頭の中に直接響いてくる…。」
「ったく…、人の心を読むなよ…。」
「いいじゃん、便利なんだし。それに、気付かないの?私は2人ともの心を読めるんだよ?ってことは、2人がいつも何を思って……」
ギロッ
「ワタシハヒトノココロナドヨメマセン。スミマセンデシタ。」
「………」
「本当ごめんなさい。ってあなた達とんでもないわね。一応私神よ?そんな私を睨みつけるなんていい根性してるじゃない。」
「それはおいといて、本題を早く言ってくれ。」
「そうね。ギルドの方はまぁ、何でも屋くらいを名乗って商売を始め、だんだん拡大していったらギルドになるわ。国に関してはギルドを作ってしまう方が早いかもしれない…。」
「結局、国というのは何なの?」
「国に必要なのは政治…治安の良さ…経済…ってとこかしら?政治は後者2つが出来上がれば自然とできるでしょう。治安はまあ、あなた達が少しの間秩序を保てば流れに乗るはずよ。問題は経済なんだけど…」
「なるほど、それでギルドか…。」
「どういうこと?」
「周りを見る限り、この時代ではまだ、物々交換が主流のようだ。だけど、多くの種類の仕事と報酬の間にギルドを挟むと、人々は物の価値の基準が欲しくなる…。そこで出てくるのが、通貨だ。」
「察しがいいわね。そう、本来はそれを何百年かけて進めるんだけど、今回は時間が無いのよ。だから2人の世界の外部からの干渉によってこの世界のシステムを塗り替えようとしたの。」
「ということは、俺たちはまずギルドを作る必要があるのか。」
「そういうこと。また、わからなさそうなことがあれば出てくるけど、頑張ってね〜。」
そういうとイシスの声は聞こえなくなった。
「まずはギルド…か。簡単に言ってくれるな…。はあわ……。」
イクスはため息をついた。
「何でも屋から始めるんでしょ?」
「あぁ。」
そう言ってやってきたのは、市場…らしきところだった。そこに重そうに荷物を運ぶお爺さんがいた。
「お爺さん、荷物を運ぶのを手伝いますよ。」
「おお、すまんのう。最近は体がいうことをきかんくてな。この荷物をあっちまで運んどくれ。」
「わかった。そう言うと、イクスは次々に荷物を運んだ。
「ありがとうな、おかげで助かったわい。少ないがこれ、受け取っておいてくれ。」
そう言って手渡してくれたのは、見事な大根だった。
「ありがとう。他の皆も聞いてくれ。俺たちは何でも屋…いや、『ギルド』だ!助けて欲しいことがあるなら、俺たちの所にきてくれ。できる限り力になろう。」
それからというもの、イクスは様々な仕事をし、いつしか一緒に仕事をするものも増え、ギルドはどんどん拡大していった。
イクス達が過去に来てから1ヶ月程、経った頃…
「なあ、イルス。(元の時代に影響が出るかもと言われたので、俺もオウカも偽名を使っている。)皆からの要望で、価値の基準が欲しいらしい。」
ちなみに、こいつの名はフラウ。俺とオウカが始めたギルドに最初に入ってくれた青年だ。
「じゃあ、そろそろ通貨を作る時ね。」
「通貨?」
「ああ、通貨ってのはな…。物の価値の基準を示す物の存在。例えばネギ一本で銅貨一枚、それと交換できるイワシ一匹も同じく銅貨一枚…。でイワシが百匹くらい必要な牛肉とかは、銀貨一枚…という風にだ。」
「なるほど…?」
「今は理解してくれなくてもいい。いつか、わかる時がくるさ。」
「おう、じゃあとりあえずはその通貨システムとやらを導入すればいいんだな?」
「ああ、頼む。」
これで第一段階はクリアか…。国造りまでまだまだかかるかな…とため息をつくイクスだった。
正直、作中で書かれた「国ってなに?」っていう質問に対して僕自身、正解がわかりませんでした。なのでかなり独断と偏見で書いてます。あまりに自信が無いので感想の所辺りで誰か教えてくれると有難いです。




