初依頼!
この体に転生した時、身体能力をチート級にされたらしいのだが、実感が湧くことは少ない。しかし、こうして隣りで息を切らしているオウカを見ると「やっぱりチートだな。」と思ってしまう。
「あ、あれだけ…走って、なんでそんな平気な顔してるのよ?あんたは…。」
「体力には自信があるんだ。」
ーまぁ、嘘は言ってないよな。うん。
隣りで呆れた顔をして見ているのはドラゴンのルーだ。一応神獣という最高ランクのモンスターらしいが、なんだかなぁ。ちなみにこいつは俺たちが走ってる間、飛んでやがった。なんかずるいな。魔法が使えるようになったら、飛行魔法を研究でもしようか?
かなりの距離を走ったので、(モンスターに出くわしたが戦うのが面倒だったので、逃げた。)もう目の前には町の門があった。門の前には門番?と思われるおじさんが立っていた。その人は俺たちに気付くと、
「君たち、こんなところで何してるんだ?町に入りたいのか?」
俺が答える前にオウカに先を越されてしまった。
「そうなんです。いれてもらえませんか?」
「君らよそ者か。入れてやりたいのはやまやまなんだが、こっちも規則でね。まあ、ギルドなら拾ってくれると思うから、連絡しといてやるよ。迎えがくるのをまちな。」
そういってガッハッハと豪快に笑うおじさん。やばい、俺この人と気が合いそう。
小一時間ほど待っていると、誰かこっちに歩いてきた。
「ギルドに入りたいっていうのは君たち?」
案内に来てくれた女の子は、見たところ同い年くらいじゃないか?てか、また女の子かよ!男少ねえな、おい。
そんなしょうもないことを考えていると、またオウカが先に答えた。
「そうです。私たちは冒険者に志願します。」
「OK!じゃあ、ついて来て。ギルドについては歩きながら説明するわね。」
先に行ってしまう。俺たちも行かないと。
「まずは、自己紹介ね。私の名前はユリ。君たちの名前は、「イクス」「オウカです。」反応が早いわね…。さて、ギルドについてだけど…どのへんからがいいかしらね?」
「なんにもわからないので最初からお願いします。」
驚愕の表情で見つめる、ルー、オウカ、ユリの3人。だって知らないもんは知らないじゃん?
「わ、わかったわ…。ギルドってのは、一言で言うと何でも屋みたいなものよ。一般の人から軍まで、手続きを済ませぱ、冒険者に依頼を出すことが出来るの。受託金ってのを払えば依頼を受けることができるわ。そして、依頼は難易度によってランク分けされてるの。上からSSS、SS、S、AAA、AA、A、BB、B、CC、C、DD、D、E、Fとなってるの。依頼のランクが上がれば難易度も上がるけど、報奨金も上がるから、こっちは上級者向けね。冒険者にもランクがあって、種類は依頼のランクと同じ。同ランク依頼を10種類こなせばEランク昇格、5回失敗すれば、降格、という風になってるわ。まぁ、SSSは伝説級だけどね。歴史上2人しかいないのよ?あと、格上ランクの依頼も受けれるけど、失敗したら受託金の2倍の罰金があるからね。格上依頼をクリアした場合、その依頼ランクの一つ下のランクになれるから。自信があるなら挑戦してみたら?あ、そうそう、冒険者ランクを上げればいろいろ特典がつくからA以上で住居を買う時に3割引してもらえて、さらに擬似ギルドのような『チーム』というものが創れるわ。これはまた今度説明するね。ーこんなもんでいいかな。長くなっちゃってごめんね。ちゃんと理解した?」
オーバーヒート寸前である。
「ええ、わかりました。」
オウカが涼しげな顔で答える。マラソンの仕返しのつもりか。
「ついたわ!ここがギルドよ!!」
こっ、これは…!あの某有名ハンティングゲームの集会所じゃないか、ちょっと近代的だけど。