閑話 過去編()
あの出来事から2週間後。俺たちはオウカと買い出しに出かけていた。
「ジョシュア国王の自殺による戦争の終結…か…、なんか後味悪いな…。」
「仕方ないわよ…。やれる事はやったんだから…。」
「だけど…」
あの後すぐにルーやリッカにも言われた。
「一人の力などたかだか知れてます。イクス様が気に病むことはないです。」
「気をたしかに、イクスさん。こっちまで気が重いです。」
「…だけど、どうしても、俺には何かできたんじゃないか…って思って…。くそっ…くそっ…。」
すると、オウカは無言でイクスを抱きしめた。
「…えっ!?なにするん…」
「…このままで聞いて。私はイクスがすごく頑張ってるのを知ってる。私を助けてくれた時も。今回の戦争も。本当は戦うのが怖いのも知ってる。だから2人の時だけでも、無理しなくていいのよ?」
「俺は……、俺は…」
「うぅ、あぁぁぁぁ……」
イクスは声もなく泣いた。転生してから初めて泣いた。それから、しばらく泣き続けた。
「安心して。イクスが私を守ってくれるように、私もイクスを守るわ。」
「ありがとう、もう大丈夫だ…、大丈夫だよ……。」
「じゃあ…帰ろっか。」
「そうだな…。」
帰り道、イクスたちは不思議なものを見た。
「ねぇ、イクス。何か宙に浮いてる。あれって…?」
「何か…光っている…、あれは穴か?一体どんな魔法を…?…!」
次の瞬間、イクスとオウカは穴の中に吸い込まれた。
「きゃああぁぁ!」
ーここは…通常の世界じゃないな。どっちに向けて重力がかかってるんだ?
しばらく落ちていると(落ちていたのか?)、突然地面についた。
「ここは…?」
「その問いには私が答えるわ。」
「っ!イシス!!なんでここに?仕事はいいのか?」
「まずはこっちから説明しないと理解できないと思うわよ?」
「イクス、まずはイシスの話を聞こうよ。疑問を解決するのはその後でいいんじゃない?」
「そうだな。」
「じゃあ、話すよ?とりあえず、ここの説明からね。ここは、君のいた時間から500年程前の時代よ。」
「は、500年?」
「そうよ、私が呼んだの。」
「なんで500年前のイシスがイクスの事を知ってるの?」
「ん〜、私達神界の者は時間の感覚がすごく曖昧なのよね〜。ちょっと理屈じゃ説明しにくいかな?まぁ、それはおいといて、私があなた達をこの時代に呼んだのは、あなた達の力を借りたかったの。」
「何をすればいいんだ?」
「この時代ではまだ、まともな人間の集団ができてないのよ。国とか…ギルドとかね…。私が干渉しても良かったんだけど、私が干渉しようとすると、いろいろと細かい制限がついちゃうの。だからあなたを呼んだの。」
「文明なんて放っておけば、自然とできるんじゃないのか?」
「本来ならそうなんだけどね…。今回に関してはそうも言ってられないのよ。」
「?どういうこと??」
「近い内に人類対魔族で争いが起きるわ。その前に人類は集団を作ることを知らないと、この争いで人類は滅んでしまうわ。」
「それは、本当なのか?」
「本当よ。だからあなた達を呼んだんじゃない。とにかく、人間が滅んでしまえば世界のバランスが崩れる。それだけは避けたいわ。私もできる限りサポートするから、とりあえず国、そしてギルドを作るのを手伝って。」
お願いします。とばかりにイシスはぺこりと頭を下げた。
「仕方ないね、イクス。神様に頭を下げられるってなんか居心地悪いし。」
「まぁ、いいか。仕事が終わったらちゃんと元の時代に返せよ、イシス。」
「そこに関しては任せといて。」
ーなんか転生する前にこういうゲームやったことあるなぁ。
そんなことを考えていたイクスだった。
この閑話では、話の中でちらちら出てきていた、歴史の話を書こうと思います。この話はシリアス少なめほのぼので行こうと思います。




