攻城戦
国王の頼みでジョシュア制圧にきていたイクス達一行だが、イクス以外の全員が同じ事を考えていた。
ー私たち、来る意味あったのかな?
オウカたちも来ているものの、ほとんどはイクスが片付けてしまっているのだ。それも、無茶苦茶な速度で制圧しているのに、一人も殺していなかった。
城門をくぐり、最初の広間の敵をあらかた無力化したところで、イクスは侵攻を止めた。
「ふぅ、まずはこんなもんか?」
「アポロニアの兵がイクスを怖がってる理由がわかった気がするわ…。」
「敵兵の皆さんがかわいそうすぎます。しまいには、私たちが止めに入りますよ?」
オウカとルーがため息をつく。リッカとカノンがうんうん、と頷く。
最近、俺の扱いひどくない?
そのあとも、敵の魔法を相殺し、斬撃を捌き
、ギガグラビティで次々にジョシュア兵を無力化していく。オウカたちはオウカたちで、普通の人よりははるかに強い、はずなのに、それすらも霞んで見えるほどイクスは強かった。
「ここも制圧完了か…。そろそろ面倒になって来たな…。」
「ぼやかないでください、イクスさん。」
リッカにビシッと突っ込まれる。いつからリッカはツッコミ役になったのだろう?
そんな、緊張感もへったくれもないやり取りが続いていると…
「『ライトレイ』」
突然、光属性高ランク魔法が飛んで来た。
「っ!!」
相殺は間に合わないとふみ、即座に防御魔法を張る。
「誰だ!?」
防御はギリギリ間に合った。次は犯人の索敵に当たる。…いた。
「…そこかっ!」
広間の柱の影に適当な魔法を放り込む。すると、一つの人影がでてきた。
「久しぶりだな、イクス。」
「!おまえ、ランドマークか?」
「そうさ、お前に負けてからお前に勝つためだけに俺は、生きながらえて来た。あの男と契約を交わしてまで!」
「…あの男?誰のことだ!?」
「名前は名乗らなかった。特徴的な笑い方をする男だった。自分の事を、『悪魔』と、呼んでいたかな?」
「…こんなところまで、あの男が関係するのか。皆、俺はこいつの相手をする。皆は王の所へ向かってくれ。」
「…わかったわ。」
「…くれぐれも後悔のないように。そして、無理なさらないようにしてください。」
「気を付けてください。あの人何だかおかしいです。」
リッカは意外に勘がいいのか?良く気づくな。
「大丈夫さ。俺は負けない。」
その言葉に安心したのか、4人とも王の間に向かって行った。
「さて、また一騎討ちとなったが、今度は負けんぞ…!」
「今度も負けられないんだ、俺の為にも、あいつらの為にも…!」
ガンッ!
再び、ランドマークとの一騎討ちが始まった。だが、
ガギンッ!
ガンッ
ズバッ!
ランドマークの左腕が斬り落とされる。
「どうした?前より弱くなってんじゃないのか?」
「クククク……」
「何がおかしい?」
「おかしいと思わんのか?お前を倒すと命をかけた男がこの程度なわけないだろう?」
何を言ってるんだ?次の瞬間、イクスは何が起こったかわからなかった。
「見よ!これが『呪術』!悪魔の力だ!!」
バシュッ!
「!?ぐあああぁぁぁ!??」
次の瞬間、イクスの左腕も同じように吹き飛んでいた。
「『パーフェクトヒール』!!」
なくなった腕が生えてくる。…何が起こった?俺は何をされた?
「ククク、不思議そうな顔をしているな。呪術ってのはな、悪魔たちだけが使えるものだそうだ。人間が使うには命を削る悪魔との『契約』がいるそうだが。これは初歩の初歩だ!」
くそっ、前は敵でありながらも嫌いな奴ではなかった。なのに……あの野郎はこんな普通の人の人格、人生すらも狂わせるのかよ…。
今回は少しイクスがピンチになってしまいました。無双ゲー?なのに…僕個人としては、こういうのも嫌いではないので、自分の中で割り切ってバランスをとってやって行こうと思います。ご容赦を。でも、反対意見の数次第では無双路線一本に絞るかもしれません…。




